木村イサオ オフィシャルポームページ

令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

〇150年を迎えた埼玉県の今後について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
先日、埼玉県は誕生150年を迎えました。明治4年の廃藩置県により入間県とともに埼玉県が設置されたのが始まりで、明治13年の人口は93万4,000人であったとされています。その後、人口は右肩上がりで増加し、昭和52年500万人、昭和62年600万人、平成14年に700万人を突破し、令和3年現在では全国第5位の734万人となります。また、過去10年間の企業転入超過数も全国トップであり、住む場所、働く場所として選ばれる県となっています。
これまでの埼玉県の発展は東京とともにありました。都心に近く、地理的にも優位、また人口も右肩上がりで増え、平均年齢も若く、生産年齢人口も多い、利便性と豊かな自然とを兼ね備えた県であり、他県と比較して優位な面が多い県であります。
しかし、将来の人口減少と高齢化、そして近年の自然災害の多発、新型コロナウイルス感染症の拡大など、大きな環境変化に対応する必要に迫られていることは、他県と変わりありません。
コロナ禍を受けてテレワークを実施する企業が増え、テレワーク経験者の8割以上が今後もテレワークを希望しているという調査があります。また、これまで地方から人を集めてきた東京は、昨年7月以降、一時期を除いて転出超過が続いています。都会から離れて地方へ移り住むという流れもできつつあり、これまで埼玉県の強みであった部分が変化しつつあると認識しています。
そのような中、AIが進化し、更に最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。知事は、DXを進めることは埼玉県にとってプラスになり、働き方改革や誰もが活躍できる社会の実現に挑戦していくためにも重要とおっしゃっています。
私も、ある程度そう思います。しかし、DXについては具体的なイメージがつかめず分かりにくい、DXの発展は知事がおっしゃるようにプラス面がある一方で、実は今後の埼玉県の地理的、生産年齢人口などの人口的な優位性を脅かすのではないかとも懸念しています。例えば、職場に近く住みやすいという点から埼玉県を選ぶ人も多いと思いますが、テレワークが普及し、住むのはどこでも良いとなれば、わざわざ埼玉県を選ばなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
そこで、知事にお伺いいたします。
DXの発展が今後の埼玉県にとって逆にリスク要因とはならないのかと考え、知事が進めるDXと今後の埼玉県の発展との兼ね合いをどう考えているのか、知事の見解を伺います。
次に、2040年問題について伺います。
これまで2025年問題が埼玉県の直面する直近の課題と言われてきました。団塊世代が後期高齢者になる2025年を控え、現行の5か年計画では、活力ある超高齢社会の構築を重点推進課題に掲げるなど対応を行ってきました。
しかし、今後、埼玉県を襲ってくる大きな問題は、2040年問題ということであります。2040年には日本の高齢者人口がピークとなり、現役世代1人が高齢者1人を支える肩車型社会に迫るとされ、埼玉県では約230万人、県民の3分の1が高齢者となる見込みです。僅か20年先のことであります。
そこで、2点、知事にお伺いいたします。
1点目、今後の埼玉県にとって2040年問題を見据えた取組が必要だと考えますが、2040年問題を知事はどのように認識し、対応していくためにはどのような政策展開が必要だとお考えなのか伺います。
また、2040年問題を知事が進めるDXとどのように結び付けていこうというお考えなのか、見解を伺います。

A 大野元裕 知事
知事が進めるDXと今後の埼玉県の発展との兼ね合いをどう考えているのかについてお答えをいたします。
DXは、県民の方がオンラインでいつでも手続できるようにしたり、人手不足をAIやロボットでカバーしたりするなど、社会をより良い方向に変えていくための手段です。
本年3月に策定をいたしましたDX推進計画においても、本県が抱える様々な課題をデジタル技術によって解決し、快適で豊かな、真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指すこととしております。
議員御指摘のとおり、デジタル化により都市から地方への人の移動が一部起こるかもしれません。
他方、人と人との触れ合いがなくなるわけではなく、都市部に住む人が必ず地方へ移り住むということにはならないと思います。
また、普及の進むテレワークについても週に3回以内の場合が多く、住居を変えずに在宅勤務を行う、言わばハイブリッドのスタイルが主流となっております。
したがって、むしろ、東京近郊という地理的な優位性と豊かな自然環境を併せ持っている埼玉県に、更にDXによる利便性の向上が加わることで、より魅力を感じる人も増えるのではないかと考えています。
デジタルは、例えば新しい生活様式の中で対面が制限されるような場合であっても、県民に必要なコミュニケーションを可能にするなど、利便性の向上に役立てることができます。
また、デジタルデータを活用することにより、仕事のプロセスを効率化して人手不足の解消を図ったり、今までにない新しいビジネスを生み出したりするなど、社会変革を実現していくことも期待されています。
本県といたしましては、DXが埼玉県の魅力を高め、更なる発展につながるよう取り組んでまいります。
次に、2040年問題をどのように認識し、どのような政策展開が必要だと考えるのかについてでございます。
少子化による急速な人口減少が進み、高齢者人口が最大となる2040年において、本県は更なる高い峰を迎えることとなります。
また、生産年齢人口の減少も進行し、こうした人口構造の変化に伴う地域の担い手不足や活力の低下、経済規模の縮小などの課題と向き合わなければなりません。
私は、この高い峰に向かって、中長期的な視点を持ちながら、やるべきことに今からしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
まずは、根本的な課題解決に向け、きめ細かな少子化対策を推進してまいります。
また、人生100年時代に備え、いつまでも健康に暮らせる環境を整えるとともに、女性や高齢者など誰もが意欲と能力に応じて生き生きと活躍できる社会づくりにも取り組んでまいります。
もちろん、2040年問題は、医療・介護体制の充実、持続可能な社会基盤としてのまちづくりや公共交通網の整備など様々な分野にも幅広く影響があります。
そこで、これらを意識した上で、今後取り組むべき施策について次期5か年計画案に盛り込み、県政全般でしっかりと展開させてまいります。
この大きな課題に対し、私自らが庁内の若手職員とともに議論を行い、20年後の県民の暮らし方や働き方などを思い描き、将来像を構想した上で、今後の県行政の在り方について検討を行っているところでございます。
これらの取組は一朝一夕で成果が出るものではございませんが、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、県議会議員の皆様の御協力をいただきながら、着実に進めてまいります。
次に、2040年問題を、DXとどのように結び付けていこうという考えなのかについてでございます。
DXは、「2040年問題」をはじめとした様々な社会課題を解決する上で重要なツールであると認識しております。
人手不足の解消や生産性の向上等、行政事務のデジタル化のみならず、医療・福祉・教育などの県民サービスの更なる向上につなげていく必要があります。
具体的には、例えば介護施設へのロボット等の導入を支援し、職員の負担軽減や質の高い介護の実現に取り組んでまいります。
また、レセプトデータのビッグデータ分析による受診勧奨や保健指導により、健康寿命の延伸と医療費の増加抑制を図るとともに、オンライン診療を進め、高齢者の通院負担を軽減し、迅速な医療体制を構成してまいります。
さらに、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」として、AIやIoT、5Gなどの活用により、見守りやあるいは災害時の迅速な避難を可能にし、持続可能なまちづくりにも取り組んでまいります。
これらの施策を力強く推進していくため、私をトップとする知事直轄プロジェクトを立ち上げ、「DXビジョン」の策定を進めているところであります。
DXの推進により、県民の皆様の暮らしが、より快適で豊かなものとなるようワンチーム埼玉で、「2040年問題」を乗り越えてまいります。

〇新型コロナウイルス感染症の第6波への対応について - オミクロン株への対応について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
11月30日、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株感染者が国内で確認されました。県内の新型コロナウイルス感染症の陽性者は、1日当たりの新規感染者数のピークは8月19日で最大2,169人に上りましたが、11月に入ってからは最大十数人で推移しています。社会経済活動も戻りつつあります。
しかし、今回のオミクロン株の国内患者発生は衝撃でした。大野知事も「水際対策で完全にストップすることを期待するが、そう簡単ではない」とおっしゃっているとおり、今後どのようになっていくかは不確定な部分が多いのですが、県としても早急でしっかりとした対応が求められます。
これまでの検査ではPCR検査を実施し、陽性の場合は検体を使用して変異株スクリーニング検査を実施し、変異株の系統を特定していました。お聞きするところでは、オミクロン株の確認にはスクリーニング検査の手法が確立されておらず、陽性確定後に全ゲノム調査が必要だということで、解析に時間がかかるということであります。
今後、海外渡航者の帰国者でオミクロン株の感染者が出た場合、検査に大変な時間と労力がかかることが予想されますが、県内においてオミクロン株の感染者が出た場合の検査体制とその後の対応についてどのようにお考えか、保健医療部長の御見解をお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長
オミクロン株の検査体制については、国立感染症研究所においてオミクロン株を検出するための変異株PCR検査の確立に取り組んでおります。
県衛生研究所では、国の通知に先駆け、デルタ株の変異であるL452Rを検出する変異株PCR検査で陰性を確認するなど、複数の変異株PCR検査を組み合わせることによりオミクロン株が疑われる検体を検出しております。
さらに次世代シーケンサーによる全ゲノム解析を行い、最終的には国立感染症研究所と情報交換を行い、オミクロン株であることを確定します。
県内においてオミクロン株の感染者が発生した場合には、国の通知に基づいて入院措置を行い、個室隔離とし陰圧管理を行います。積極的疫学調査により速やかに濃厚接触者などを把握し、検査につなげてまいります。
濃厚接触者の検査の結果、新型コロナウイルスの陽性が判明した場合には、速やかに入院の措置等を行い、感染拡大防止に努めてまいります。

〇ワクチン追加接種について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
海外で陽性者が増加していますし、ワクチンを2回接種後、2週間以上して感染が確認されるブレークスルー感染も発生、増加しています。国は、2回目の接種を終えてから原則8か月以上たった18歳以上の人を対象に、3回目接種、ブースター接種を行うことを決めました。県内市町村でも、11月中旬から順次ワクチン接種券の発送を開始し、3回目接種を実施していくこととしています。
国から示された追加接種の接種体制では、今後、追加接種に必要なワクチンは、ファイザー社ワクチンと武田モデルナ社ワクチンを合わせて十分な量を市町村に配布することが示されました。2月、3月に用いるワクチンの分配量は、ファイザー社54.6%、武田モデルナ社45.4%となっており、2月以降はこれまで武田モデルナ社ワクチンを使用していなかった市町村においても、武田モデルナ社ワクチンを併用する接種体制を構築して実施していかなければなりません。
個別接種機関での武田モデルナ社ワクチンの使用が解禁になったり、移送、小分けの温度も冷蔵でも可能になったり、ファイザー社と武田モデルナ社ワクチンとの併用も幅広く認めるなど、取扱いの変更点も多々あります。市町村の接種体制にも混乱を招くなど影響が大きいとともに、接種する県民にも不安が出てくることが予想されます。
これらを踏まえて、県が県民の不安払拭や市町村の体制支援のための基準を示すことが必要になると考えます。
そこで、保健医療部長にお伺いいたします。
3回目の接種に向けては、これまでの2回の接種の総括と、それを踏まえて3回目の接種体制の構築が必要だと考えますが、準備体制はどうなっているのか伺います。
また、ワクチン3回目接種に対する県民の不安払拭や市町村の体制支援のためには、情報共有、情報発信、地域の医師会との連携などが重要だと考えますが、接種体制の構築に向けて県民への情報発信や市町村への支援をどのように行っていくのか伺います。

A 関本建二 保健医療部長
2回の接種の総括及び3回目の準備態勢についてでございます。
国は11月中に希望者の接種を概ね完了という目標を立てましたが、11月末日の本県の接種対象者の2回目の接種率は84.4%であり、国の目標達成の目安の80%を上回りました。
3回目の接種は2回目の接種完了後、原則8か月以上経過する18歳以上の方に順次接種券を送付し、接種を進めます。
市町村はワクチン接種記録システム・VRSの接種情報をもとに接種券を作成しますが、医療従事者等の接種時にはVRSの運用が本格化しておらず、未入力が多いという課題がありました。
県ではいち早く市町村説明会を開催し、VRSへの入力を働きかけた結果、医療従事者等の未入力の課題は解消しました。
また、7月末までに2回の接種が完了し、8か月後の来年3月までに追加接種を行う方のワクチン分配も決定しました。
一昨日、総理は既存のワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して8か月を待たずにできる限り前倒すと表明しました。
県では正確な情報をいち早く入手し、関係者に丁寧に説明することで、的確に対応してまいります。
次に、接種体制の構築に向けた県民への情報発信や市町村への支援についてでございます。
モデルナは他社のワクチンとの併用や冷蔵の小分け輸送ができなかったため、個別接種で活用が難しく、国や県の集団接種会場などを中心に活用してきました。
今後は全市町村にモデルナが分配され、ファイザー中心の市町村もモデルナを併用する体制を構築する必要があります。
市町村は郡市医師会と連携し、モデルナの接種医療機関を掘り起こさねばなりません。
県では郡市医師会が出席する会議に職員を派遣し、モデルナは使い勝手が改善され、接種が必須となったことを丁寧に説明しました。
先生方からは「モデルナの接種に協力するが、モデルナを誤解し、敬遠する方がいる。国民が安心してモデルナの接種を受けるようPRしてほしい。」という声が上がりました。
そこで知事が堀内ワクチン接種推進担当大臣に面会し、モデルナのPRを強く要望しました。
県としても国と連携し、積極的な情報発信に努めます。

〇スポーツ・アートにおける障がい者支援の推進について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
今年のパラリンピックで多くの感動をもらいました。車椅子ラグビー、水泳、ボッチャなどこれまで知らなかった競技もあり、障がい者スポーツがこんなにもすごいということを実感しました。このパラリンピックを契機に、障がい者スポーツという一つのジャンルとして確立され認知されたと思います。それぞれの競技のアスリートにそれぞれの人生が、そしてストーリーがある。もっと見たいと思いました。
県では、大きく年に3回、春季大会、秋季大会、球技大会の彩の国ふれあいピックと呼ばれる障がい者スポーツ大会を開催しており、障がい、障がい者への理解促進、障がい者スポーツの振興、障がい者の交流を図っています。
しかし、ほとんどの競技が年に1回しか大会がないのが現状です。この感動をパラリンピックのレガシーとしてもっと広めていくべきだと考えます。
選手にとっても活躍の場、競技の機会の提供を進め、また県民に対しても障がい者スポーツの情報発信をしていくべきだと考えますが、福祉部長の見解を伺います。
同様に、障がい者アートについても伺います。
以前、県立近代美術館で開かれた障がい者アート展、「すごいぞ、これは!」というアート展に行って物すごく感動したことがあります。作品自体もすばらしかったのですが、作品とセットで作者の生活や制作風景の動画があり、一つのストーリーとなっていて大変面白く感じ、また力をもらった記憶があります。もっと多くの人に見てもらって知ってもらいたい。また、障がい者アートの評価をもっと高めてもらいたいと思います。
平成30年に障がい者による文化芸術活動の推進に関する法律が施行され、障がい者アートの創造や発表の機会確保が促進されていますが、障がい者アートの認知度はまだまだ高いとは言えません。県では現在、埼玉県障がい者アートオンライン美術館というネットでの障がい者アートの作品展を行っています。大変すばらしい取組だと評価いたします。
しかし、ネット上での作品と実際の本物の作品とでは迫力が違います。このオンライン美術館を入り口、きっかけとして、実際の障がい者アートに結び付ける取組が必要だと考えますが、今後の具体的な取組について、福祉部長に伺います。
また、子供の頃から障がい者スポーツ・アートに接することも有効だと考えます。学校現場においても、共生社会の実現に向けて障がい者スポーツ・アートに接する機会や、実際に障がい者スポーツを体験する機会を増やすべきだと考えますが、教育長の見解を伺います。
次に、経済的支援について伺います。
パラリンピックを機に評価が高まっている障がい者スポーツとアートですが、資金面では厳しいようです。例えば、ボッチャについては、本年11月3日に開催された埼玉県ボッチャ大会については、民間企業の協賛は5社ということです。大変厳しい状況です。
今後は障がい者スポーツ・アートともにもっと資金的な支援、例えば民間企業協賛のための民間企業へのアプローチなどを県が積極的に進めていくべきだと考えますが、福祉部長の御見解と具体的な取組について伺います。

A 山崎達也 福祉部長
まず「障がい者スポーツについて」でございます。
東京2020パラリンピックでは、埼玉ゆかりの選手が39人出場し、11人のメダリストを輩出するなど、障がい者や県民に夢と希望を与えるとともに大きな感動をもたらしました。
この感動をレガシーとして継承・発展していく必要があります。
選手の活躍の場や競技の機会をさらに増やしていくためには、障がい者スポーツ人口を増やすとともに、身近な地域において競技大会を開催しようとする気運を醸成することが何よりも重要です。
そこで、障がい者スポーツ指導員を養成し、地域の障がい者にスポーツの喜びや楽しさを伝えるとともに、地域の競技団体へのサポート、アドバイスにより活動の活性化を図ってまいります。
また、障がい者スポーツへの関心が高まっている今こそ、さらなる情報発信も必要と考えています。
そのため、パラアスリートの活躍などの最新情報や地域で実施している障がい者スポーツの情報などを収集し、県ホームページから発信するなど内容の充実を図ってまいります。
さらに、若い世代に障がい者スポーツにリアルに触れていただくことが最も効果的な情報発信となることから、小中学校、高校、大学にパラアスリートが訪問して体験会なども行ってまいります。
次に、「障がい者アートについて」でございます。
県では、より多くの方に障がい者アートの魅力に触れる機会を提供するため、令和3年4月、県ホームページに埼玉県障がい者アートオンライン美術館を開設しました。
議員お話しのとおり、今後はこのオンライン美術館をきっかけに、実際に作品を鑑賞する機会につなげる取組が大変重要だと考えております。
そこで、障がい者アートを常設展示している県内の公共施設やホテル等についての情報をホームページなどで発信し、県民の皆様に足を運んでいただけるようにしてまいります。
また、本日から開催しております「第12回埼玉県障害者アート企画展」が、多彩で魅力的な作品に出会える機会となるよう、様々な広報媒体で県民の皆様に広く周知を行っているところです。
さらに、作家のパーソナリティや作品の創作過程を知ることは、実際の作品を鑑賞したいという気持ちにつながります。このため、作家の創作活動に密着した動画を新たに作成し、情報発信してまいります。
次に、「経済的支援について」でございます。
障がい者スポーツや障がい者アートのより一層の振興を図るためには、活動のための経済的支援が必要となります。
企業から協賛金などの御協力をいただくためには、障がい者スポーツやアートに心から感動してもらえるようその魅力を発信していくとともに、いただいた協賛金がどのように役に立ち、効果をもたらしているかをわかりやすくお示しすることが重要です。
そこで、県では、民間企業を訪問し、障がい者アートの購入やデザイン利用、障がい者スポーツ団体への協賛金の協力などの働きかけに取り組み始めたところです。  
障がい者アートを活用したカレンダーやうちわなど好評な事例を紹介したところ、新たに関心を持っていただいた企業もあり、こうした企業を今後も増やしていきたいと考えております。
県では、障がい者スポーツや障がい者アートを推進し、障がいのある方が希望をもって活躍できるとともに、障がいのない方との交流を深められる共生社会の実現に全力で取り組んでまいります。

A 高田直芳 教育長
子供の頃から障がい者スポーツ・アートに接することについてお答えを申し上げます。
議員御指摘のとおり、子供の頃から、障がい者スポーツや障がい者アートに接することや体験することは、共生社会の実現という観点からも、大変有意義であると考えております。
そこで県では、東京2020パラリンピックの機会をとらえ、県内の小中学校で行われた車いすバスケットボールやフロアバレーボールなどの体験学習の取組を実践事例集にまとめ、各学校で積極的に取り組むよう周知しております。
また、県立高校においては、ブラインドサッカーやボッチャなどのパラリンピック選手を招いた講演会や競技体験会などを行っております。
さらに、障がい者アートについては、実際に作品に接することも大切であると考えますので、関係部局とも連携を図り、展覧会等の催し物に関して、学校へ周知してまいります。
県といたしましては、今後とも障がい者スポーツ・アートに接する機会や体験する機会が増えるよう学校や市町村に働き掛けてまいります。

〇東のうどん県を目指したうどん振興について - 埼玉県民が盛り上がるための仕掛けと広報戦略について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
過去にも埼玉のうどんを観光資源にという観点から、埼玉のうどんの可能性について質問しました。埼玉のうどんはおいしいのは当然で、それ以外に地域性があり、他の都道府県には見られない特色があります。それは十分観光資源になるポテンシャルを持っていると思います。香川県出身の私ですが、是非とも東のうどん県を目指して、食が引っ張る観光へとつなげていただきたいという思いで質問いたします。
埼玉のうどんが来ています。ここのところメディアにも注目されるようになり、テレビ等でもよく取り上げられるようになってきました。新しい肉汁うどんの店も増えています。熊谷市でのうどんサミットも成功し、先日の大河ドラマでも深谷の煮ぼうとうが登場しました。
今後は、埼玉県でうどんを食べることをレジャーにする新しい総合的な仕掛けと広報戦略が必要だと考えます。それを総合的に仕掛けていくことが県の役割だと思います。そのためには、まずは埼玉県民が盛り上がる仕掛けが必要だと考えます。734万人いる埼玉県民のポテンシャルを十分に使うべきであります。
先日、埼玉を日本一の「うどん県」にする会の永谷会長にお話を伺いました。会長のお話では、計算上では埼玉県民が1か月にプラスうどん2食で日本一になれるとのこと。しかし、数だけではなく、県民ムーブメントとしての仕掛けが重要であります。
熊谷市でのうどんサミットは成功しました。しかし、それは全国の御当地うどんを集めたものでした。埼玉県民が盛り上がるためには、新たな仕掛けが必要だと考えます。
また、東のうどん県を目指すということをもっとアピールすることも必要だと考えます。ライバルは香川県であり、香川県とコラボしたイベントも面白いのではないかと思います。
そこでお伺いいたします。
埼玉県を東のうどん県にしていくためには、まずは埼玉県民が盛り上がるための仕掛け、例えば県内の御当地うどんを集めた埼玉県内うどんサミットなどの開催や、香川県とコラボしたイベントなどが考えられますが、県民が盛り上がるための仕掛けについて、産業労働部長の見解を伺います。
仕掛けと同様に、広報戦略も重要であります。「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」という人気番組があります。その番組はグルメ番組というよりヒューマンドラマ、お店に関わるストーリー性のある取組を発掘し放送することで人気になっています。埼玉県のうどんに関しても同様に、ストーリーのある情報を発掘してメディアに提供していくことが重要だと考えます。最近は民間で先ほどの永谷会長や元AKBの島崎遥香さんなど、SNS等で自ら埼玉のうどん情報を発信し、うどんに絡んだ人も出てきています。
そこで、県民生活部長にお伺いいたします。
広報戦略として新しい仕掛けや県内の情報発信をしていくために、民間で活動している人や団体、また地元の有名人でインフルエンサーを活用するなど、産業労働部と県民生活部がタッグを組んだ広報戦略が重要だと考えますが、産業労働部と連携した広報戦略について、県民生活部長の見解と取組を伺います。

A 板東博之 産業労働部長
東のうどん県に向けた県民が盛り上がるための仕掛けについてお答えを申し上げます。
香川県では県民がうどんを頻繁に食べるとともに、早朝から開店するうどん店があるなど、うどん文化が日常生活の一部となっております。
また、讃岐うどん店は、トッピングや薬味で自分好みにカスタマイズできる楽しみがあり、小盛のうどんを食べてお店を何軒もはしごできる点が観光の魅力となっています。
讃岐うどんというブランドが広く国内に浸透している香川県に対し、埼玉県は「熊谷うどん」、「加須うどん」、「煮ぼうとう」など地域ごとに多彩なうどんがあることが特色でございます。
埼玉県のうどんを観光資源として生かすための取組の方向性は2つあると考えています。
一つは、うどんと地域の観光とを結び付け、各地域の魅力を彩る観光資源の一つとしてうどんをPRしていく取組でございます。
例えば、川島町では白鳥が飛来する越辺川に来ていただいた際に、郷土食であるすったてや呉汁を食べていただけるようにPRしております。
県においては、県公式観光サイト「ちょこたび埼玉」や観光小冊子で地域の観光資源と併せて地域のうどんを紹介しております。
もう一つは、埼玉県の特色である多彩なうどんと埼玉県の交通アクセスの良さを生かし、県内外からうどん好きを呼び込む取組です。
煮込みや具沢山の埼玉のうどんは、はしごして食べるのには向きませんが、何度も訪れ、多彩なうどんを食べていただくことが、埼玉ならではのうどんの楽しみ方ではないかと考えています。
新たなうどんファンを作り、うどん好きを埼玉県に呼び込むためには、県内外へ埼玉のうどんの魅力を発信するとともに、地元の方々の熱意や取組が不可欠です。
県では、クーポン付きのうどんパスポートやスタンプラリーによる周遊も促進してきましたが、今後も、地元のうどん店や市町村などに協力をいただきながら、埼玉のうどんを埼玉の観光資源としてしっかり根付かせるよう工夫をしながら取り組んでまいります。

A 真砂和敏 県民生活部長
広報戦略についてお答えを申しあげます。
埼玉のうどんは、いくつもの味を楽しめるなど、バラエティに富んでおり、大きな魅力の一つと考えております。
この県内各地の個性豊かなうどんの魅力を県内外に発信していくことは、本県の観光振興にとっても大変重要であり、県民が盛り上がるための事業の仕掛けと広報との連携は密接不可分と言えます。
このため、産業労働部が行う「うどんを観光資源として生かすための取組」を踏まえながら、戦略的に広報を展開してまいります。
例えば、議員お話しの番組への売り込みをはじめ、産業労働部の事業の実施時期に合わせ、県の広報紙「彩の国だより」で「うどん」特集を組んでみたり、広報テレビ番組やSNSの活用など、県が有する様々なメディアを効果的に組み合わせて情報の発信を行ってまいります。
その際、「埼玉応援団」のメンバーなど、本県にゆかりがあり、強い情報発信力を持つインフルエンサーの活用も検討いたします。
こうした方々には、埼玉の「うどん」の魅力そのものや、事業の展開を自らのSNSで発信していただいたり、御自身が出演する番組の中で話題として取り上げていただくことなどの御協力もお願いしてまいります。
「うどん」をテーマに埼玉が盛り上がるよう、産業労働部としっかりと連携を図り、戦略的な広報に取り組んでまいります。

〇障がい者の就労支援としてのうどんについて

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
障害者総合支援法では、雇用契約に基づく就労ができるかという見通しを踏まえて、就労移行支援や就労継続支援を行うこととしています。このうち、就労継続支援ではベーカリーやカフェなどの事業者も多く、多くの方がパンやクッキーなどの製造に携わっています。
うどんの生地を作るための足による踏み込みなどは、規則正しい動きを必要とするため、障がい者に向いているという意見もあります。大阪府豊中市の障害者通所授産施設あすなろは、自主製品として「あすなろ麺」といううどんの製造を検討し、平成20年に販売を開始しました。この麺は品質の高さと衛生管理の徹底が認められ、モンドセレクション金賞を4回連続受賞しているということです。
また、香川県高松市の多機能型事業所ぼだいじゅでは、本格手打ちうどんの「竜雲うどん」を経営し、地域で自立した生活ができることを目指しています。
現在、埼玉県内のB型事業所では、少なくとも11事業所でうどんの製造販売が行われています。ぶこつなことが売りで太さも太い「武蔵野うどん」、東のうどん県を目指す本県にとっても、正にぴったりな取組だと考えます。
そこで伺います。
障がい者の就労支援の一つに埼玉のうどんの製造を取り入れ、製麺屋ともコラボするなど成功モデルをつくって県内に広めていくべきと考えますが、福祉部長の御見解を伺います。

A 山崎達也 福祉部長
本県はうどんの生産量が香川県に次ぐ全国2位であり、熊谷うどんや加須うどんなど、ご当地うどんとして有名なものも多くあります。
議員お話のとおり、現在、企業への就職が困難な方に、働く機会の提供と訓練を行っている就労継続支援B型事業所において、うどんづくりを取り入れている事業所は県内で11か所ございます。
事業所のお話を伺うと、うどんづくりは、工程が細分化され多くの障害者が関われる、また、うどんの生地を作るための足踏みや手でこねる反復作業に障害者が楽しみながら集中して取り組めるとのことでございました。
こうしたことから、うどんの生産が盛んな埼玉県において、障害者の就労支援にうどんづくりを取り入れることは、安定した収入と就労の拡大につながる可能性を秘めているものと思われます。
事業所が、今後うどんづくりを積極的に就労支援に取り入れていくためには、品質の確保と安定的な販売先の確保が課題となってまいります。
このため、うどんづくりを取り入れる事業所に対して、製麺業などの事業者団体の御指導、御協力をお願いすることも検討してまいります。
社会福祉法人皆の郷が運営する第2川越いもの子作業所では、「小江戸うどん」の名称で、当初は店頭で半生麺の製造販売を行っていましたが、みずみずしい食感が市民の評判を呼び、最近ではキッチンカーでの出店も行われ、就労の拡大に結び付いています。 こうした、うどんを活用した成功モデルがつくれるよう取り組み、障害者の方が自らの適性と能力を発揮し、1人でも多くの方が就労につながるよう支援してまいります。

〇アルコール依存症対策としてのスクリーニングテストについて

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
飲酒が原因で内科での治療を受けている人のうち一定数はアルコール依存症であり、自分の意思では飲酒を控えることができません。また、アルコール依存症は進行性の精神疾患であるので、精神科医による早期発見、早期治療が重症化を未然に防ぐに当たって大切な事項であります。
しかし、それが精神疾患であることを知っている当人、又は家族はほとんどいません。当人は自分は酒が好きなので、つい飲み過ぎてしまったくらいにしか思っていないので、事の深刻さに気付いていないケースがほとんどです。そのため、アルコール依存症者が精神医療につながるのは、社会生活ができなくなるほど重症化してからの場合が大多数なのが現状です。
それゆえ、スクリーニングテストが重要になってきます。
また、内科医は身体の疾患を治すのが役目であり、専門外である精神医療の分野に口を出すことはほとんどありません。重度のアルコール依存症が疑われる患者でも、ほとんどの内科医は、お酒は控えたほうがいいでしょう程度の話しかしません。内科医のアドバイスはあくまで体の問題のみで、精神の問題は別の問題であることが一般的に理解されていません。このような話は、多くの断酒会員からも聞いています。
以上のことから、アルコール依存症者と接する機会が多い内科医には、診療を通じてスクリーニングテストの配布によってアルコール依存症者が専門医療につながるきっかけをつくることが必要だと考えますが、内科医によりアルコールスクリーニングテストを配布して、症状が軽い段階で医療につなぐ仕組みをつくることに対する保健医療部長の見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長
スクリーニングテストは、飲酒による健康問題を早期に発見し、アルコール問題の程度に応じて適切な支援を行い、アルコールによる問題を未然に防ぐことを目的としています。
具体的には、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者には飲酒量を減らす支援を行い、アルコール依存症が疑われる者には専門医療機関への受診を勧奨します。
議員御指摘の内科医がスクリーニングテストを実施し専門医につなぐことは大変重要です。
現在、県のホームページにテストを掲載し、内科医も含めて広く県民が利用しやすいようにしております。
また、県が依存症治療拠点機関として指定する精神医療センターでは内科医も含めた医療従事者を対象とした研修会を実施しています。
この研修会では、飲酒量を減らすための支援方法や依存症が疑われる者を早期に専門医療機関につなげるなど、スクリーニングテストの使い方について周知しています。
こうした取組を通じて、スクリーニングテストを活用する内科医が増えるよう努めてまいります。

〇全国都市緑化フェアの本県開催について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
全国都市緑化フェアは、緑の地方博覧会とも言えるイベントで、昭和58年から全国各地で開催されている花と緑のイベントです。本県では、昭和62年に県営大宮第2公園を中心に、同年10月3日から11月15日の44日間にわたり「グリーンハーモニーさいたま87」の愛称で、206万人の参加者を得て盛会に終わらせた開催実績がございます。平成24年度からは2回目の開催をしている都市もあり、東京都、静岡県と浜松市、熊本市では既に2回目を主催しています。
埼玉県の都市緑化への取組や産出額全国第4位を誇る花植木産業を発展させるとともに、人と自然が調和した緑豊かな埼玉県をアピールできる最高の舞台であります。公園の父と言われる本多静六博士を産んだ埼玉県、このイベント開催で本多静六博士も同時にPRすることができます。
本県での前回の開催から33年が経過しており、是非再度の開催を目指すべきと考えます。現状では令和7年までの開催予定地は既に決まっておりますが、令和8年の開催地は未定ということであり、一部、令和8年の開催に向けて動き出した県もあると聞いております。今年は埼玉県誕生150年、令和8年は本多博士生誕160年、これらを考えると今が正に開催のタイミングであります。
そこで、環境部長にお伺いいたします。
開催については4年前から準備するとのことで、それを考えると来年がタイムリミットということになり、早急な対応が必要です。令和8年の全国都市緑化フェアの本県開催に向けて誘致の働き掛けを行うべきと考えますが、環境部長の御見解を伺います。

A 小池要子 環境部長
全国都市緑化フェアは、都市緑化意識の高揚などを目的として、全国各地で開催される花と緑に関するイベントです。
フェアを効果的に開催し、意義深いものとするためには、テーマの明確化と、そのテーマに沿った開催会場の選定が重要です。
例えば、令和元年度は長野県と4市が県営公園のリニューアルオープン、令和2年度は広島県と市町村で被爆75周年をテーマに開催しております。
イベントを一過性としないためには、開催市町村における機運の高まりは欠かすことができません。
県では、平成29年度に、令和4年度から9年度までの開催意向を市町村に照会したところ希望はなく、その後も開催要望はございません。
また、本県では、令和7年度に、緑に関するイベントである全国植樹祭の開催が内定しております。
フェアは、10億円から20億円程度の開催費用を要すものであり、十分な投資効果を追求することも重要です。
これらを踏まえると、現時点では、令和8年度開催の誘致に向けた環境が整っている状況にはないと考えます。
今後、地域における機運の高まりや、より高い効果が見込めるタイミングなどを見極め、市町村との連携を十分に図りながら、フェアの開催について検討してまいります。

〇水道事業の広域連携について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
ここのところ、水道代の値上げが話題となっています。令和3年に行われた値上げは、川口市では25%、横浜市では12%ということであります。施設の老朽化が進み、独立採算制を取る水道事業では限界であり、値上げをしないと維持できない状況にあります。
令和元年10月に改正水道法が施行され、広域連携の推進が掲げられるとともに、コンセッション方式の導入が可能になりました。コンセッション方式での失敗例は海外で数多く見られ、水道利用者側、住民側のリスクが懸念されています。また、東京水道株式会社のような地方自治体が関与する水道事業の業務を担う会社が出現し、水道業務のシェア争いが生まれる可能性も懸念されます。
このように水道事業の民間事業者への依存度が高まっていますが、その妥当性が見えにくい状況にあります。水道事業が暮らしに欠かせない公共のものである以上、より深く水道の将来と公共性について考え、事業を行う者が担うべきであり、誰でも安心できる公共サービスとして持続可能な水道事業にしないといけないと考えます。
そのためには、広域連携が不可欠であると考えます。しかし、県が方針を示さないと、広域連携は難しいと思います。県では、埼玉県水道整備基本構想を令和4年度までに見直すとのこと。
そこで、埼玉県が今後、県内の水道をどうしていきたいのかを明確に示すべきと考え、以下2点、保健医療部長に伺います。
1点目、見直しに当たっては、中間報告を含む途中経過の発表や説明会、パブリックコメントの実施など、広範な意見聴取を行うことにより住民参加の仕組みづくりが必要だと考えますが、見解を伺います。
2点目、今後、広域連携を進める中で市町村の基盤強化に向けてどのようなスタンスで臨むのか、見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長
「埼玉県水道整備基本構想」の見直しに当たっての住民参加の仕組みづくりについてでございます。
基本構想は、将来にわたり安全な水の安定供給を永続できるよう、水道の基盤強化を図ることを目的としています。
今回、基本構想を見直すに当たり、各地域の実情を反映した内容とするため、県内全ての水道事業者に対し、個別に意見聴取を行いながら検討を重ねているところです。
また、水道は県民のライフラインとなる大変重要な施設であるため、議員御指摘のとおり、基本構想の見直しに当たり、水道を利用される県民の皆さんから広く意見を聴取する機会が必要であると考えております。
そこで、基本構想改定の過程において県民コメントを実施し、県民の皆さんから広く意見を募る予定です。
また、改定後も基本構想に基づく水道の基盤強化の状況について、県民に向けた積極的な情報発信に努めてまいります。
次に、市町村水道の基盤強化に向け、どのようなスタンスで臨むかについてでございます。
施設の老朽化や人口減少に伴う水需要の減少といった課題に対し、各事業者が単独で向き合うのは困難であると考え、これまで、事業統合を前提とした広域化によって水道の基盤強化を図ることを目指してまいりました。
一方、各事業者が経営状況の分析や施設更新のシミュレーションを行った結果、必要に応じて他の事業者と連携を図ることで、引き続き安定した経営ができる事業者がいることも分かってまいりました。
そこで、今回の基本構想の見直しに当たっては、事業統合による広域化に加え、資材の共同購入や電算システムの共用化など、事業者間で協力し合う広域連携の考え方も取り入れ、各事業者の実情や意向を反映させる形で、市町村水道の基盤強化に努めてまいります。

〇高齢化社会を見据えた今後の県営住宅について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
県営住宅は、県民に安定した住居を提供するという重要な役割があり、これまで県民生活に寄与してきました。最長10年間の期限付入居制度、収入超過者や高額所得者へ自主的な退去を促す指導など厳格な運用を行い、真に住居を必要とする世帯が入居できるよう入居機会の公平性の確保を図っています。
しかし、高齢化によって現状の居住要件では住み続けることができないケースが出てきています。先日、以下のような相談を受けました。高齢者の方で連れ合いがなくなり単身で暮らしていましたが、今年9月に10年間の入居期間が満了となったため転居が必要に。しかし、高齢者で引っ越しもままならない。民間事業者の約4割が高齢者の入居制限を行い、単身であることを入居審査の条件とするところも多く、単身高齢者が住むところを借りるのは本当に大変なことです。結局は息子さんが新築を計画し、そこに同居することになりましたが、完成までの住居がないという相談でした。全国トップクラスのスピードで高齢化が進む本県では、このようなケースも今後増えてくることが予想されます。
また、それ以外にも、高齢化に伴う様々な問題が発生することが予想されます。また、相談に関しても、高齢者が相談するには相談すること自体の敷居が高く、相談した方からも事務的な対応だったということを聞きました。
それぞれのケースにしゃくし定規ではなく、住む人の身になって柔軟に対応していくことが必要だと考えます。また、それが公営住宅の責任であります。
そこで、以下2点、都市整備部長に質問いたします。
1点目、県営住宅の居住要件については、現在の10年の縛りをなくし、それぞれのケースによって柔軟な対応をしていくべきだと考えますが、見解を伺います。
2点目、高齢化社会を見据えて借りる人、特に高齢者の身になった相談体制が必要だと考えますが、見解を伺います。

A 村田暁俊 都市整備部長
まず、「県営住宅の入居期間10年の縛りを無くし、それぞれのケースによって柔軟な対応をするべき」についてでございます。
平成17年度、県営住宅の平均応募倍率は約16倍と高い状況にありました。
そのため、入居機会の公平性を確保することを目的として、一般住宅の入居期間を10年間とする制度を平成19年度に導入をいたしました。
その結果、令和2年度の平均応募倍率は約3倍まで下がりましたが、未だ県営住宅を希望する方が全て入居できる状況にはありません。
一方、議員お話しのとおり、入居者が高齢となり、退去時期を迎えた際に、新たな住宅を確保することが困難な場合もあるとの課題も認識をしています。
そこで、期限付き入居制度の枠組みは維持をしつつ、特に配慮が必要な高齢者や障害をお持ちの方々については、引き続き安心して県営住宅に住むことができるよう、今年度、入居期限を延長する制度改正を進めているところでございます。
次に、「借りる人の身になった相談体制」についてでございます。
県では、県営住宅を管理している住宅供給公社に対して、高齢者を始めとする相談者には丁寧な対応をするよう、要請しています。
住宅供給公社におきましては、職員の相談対応等に関する研修を実施し、個々の状況に応じた相談体制を整えているところでございます。
例えば、高齢の入居者などから福祉分野に関する相談を受けた際、市町村の福祉部局や民生委員などの相談窓口を紹介したり、相談窓口に同行するなど、入居者に寄り添った対応を行っております。
また、相談の記録はシステムに入力され住宅供給公社全体で共有されていることに加えまして、来訪された方を対象にアンケート調査を実施し、職員の相談対応を検証しております。
今後、各職員の相談対応がより一層丁寧なものとなるよう、引き続き住宅供給公社とともに改善に努めてまいります。

〇電車内の安全確保について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
10月31日、衆議院議員総選挙の開票速報を見ていたときに衝撃的な映像が流れました。京王線の電車内で17名の乗客が24歳の男に切り付けられ、更に放火に及んだ無差別死傷事件であります。車内に火が燃え広がる動画は、閉鎖空間での恐怖をリアルに感じさせました。通勤通学等で電車に乗ることの多い埼玉県民にとっては、人ごとではない事件であります。
まず、このような事件に遭遇した場合、一般の鉄道利用者はどのような対応をするのが望ましいのか、警察本部長にお伺いいたします。
また、8月には小田急線においても同様の事件があり、事件後、模倣犯が増えています。11月6日にはJR京浜東北線においても車内に刃物を振り回している男がいるとの通報があり、警察官が南浦和駅に出動したとのことであります。
電車内という密室におけるこのような犯罪は、一種のテロ行為であります。鉄道会社だけでは対応できない事案だと考えます。乗客の安全確保のために行政ができることはすぐに取り組むべきだと考えますが、同様の事件を防ぐための有効な方策について、警察本部長にお伺いいたします。

A 原和也 警察本部長
「まず、同様の事件を防ぐための方策についてお答え申し上げます。」
鉄道施設や列車内における御指摘の事案に対しましては、早期に不審者・不審物を発見することによって事案の未然防止を図ること、万一、事案が発生した場合においては、早期に状況を把握して迅速な対処を図ることが重要であると考えております。
県警察といたしましては、これまで駅構内や列車内の警戒、鉄道事業者との情報共有などを行ってきたところでありますが、一連の事案を受けまして、在来線における制服警察官による警乗を強化し、見せる警戒による犯罪の予防対策を講じているほか、埼玉県内の鉄道事業者と鉄道警察隊とで構成される「埼玉県鉄道事業者・警察連絡協議会」を臨時開催し、事件事故の防止対策に関する情報共有や、鉄道事業者と警察との連携の在り方について確認等を行ったところであります。
また、事案発生時の早期対応を図ることを目的として、さいたま新都心駅や所沢駅等において、走行中の列車内で事案が発生したことを想定した訓練を行い、110番通報受理時の初動対応、駅職員と連携した乗客の避難誘導、降車した被疑者の制圧逮捕要領について確認を行ったところであります。
今後とも、県警察といたしましては、鉄道事業者と沿線警察署とが連携した各種訓練を実施するほか、鉄道事業者に対して自主警備の強化、鉄道利用者への非常通報ボタン等の使用方法の周知などをお願いする方針であります。
他方で、一般の鉄道利用者の方々におかれましては、身の危険が迫る事態や不審者などに遭遇した際には、状況に応じて異なる部分はありますが、まずはその場から避難して身の安全を確保するとともに、110番通報や駅職員への通報等をお願いしたいと考えております。
県警察といたしましては、引き続き、鉄道事業者との連携と協力を強化し、鉄道利用者の安全・安心の確保を図ってまいります

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナで社会が一変してしまいました。国内で約39万人が亡くなったスペイン風邪から100年、また再び人類の存続を脅かすような脅威が襲ってきてしまいました。お亡くなりになった方々にお悔やみを申し上げるとともに、日夜御尽力をしていただいている医療関係者、職員に感謝と敬意を表します。
今回の被害を見て感じることは、この新型コロナでは医学的にも大きな被害を及ぼすだけではなく、時間がたつとともに社会的に弱い分野に問題が表面化するということ、そしてそれがあらゆる分野に影響してくるということであります。この新型コロナがきっかけで世の中がすっかり変わってしまいました。新型コロナの正体がよく分からない、そのことが不安を大きくしてしまっていると思います。また、ネット社会になったことで、一瞬のうちに情報が世界中に駆け巡り、正しい情報、間違った情報を問わず、いろんな情報が渦巻く中、社会不安が起こり、それを助長してしまっているようにも思います。
そんな状況の中で、知事をはじめとする県職員の皆さんの活動には心から敬意を表しつつ、以下、知事に質問させていただきます。
まず、これまでの新型コロナに対する本県の対応について伺います。
国内で初めて新型コロナの感染症が確認されてから、県では様々な感染予防対策の取組を行っています。まず、全国に先駆けて24時間体制の相談窓口を設置し、3月からは専用電話相談窓口である県民サポートセンターを設置、更に感染症の専門家からなる新型感染症専門会議の設置、県主催イベントの自粛、県立学校の臨時休校、更に不要不急の外出自粛要請、また中小企業への支援として県制度融資の対象者緩和、休業した中小企業・個人事業主支援金の支給など、様々な取組を行っています。これらの取組に対して評価いたします。
新型コロナは世界中、日本中でほぼ同じタイミングで発生しました。出された問題に対してそれぞれのリーダーがどのように対応したのかが評価され、比較される、正に一斉の共通テストのようなものだと思います。そうした中、4月には新型コロナに感染したが病院に入れず、自宅待機となった患者が死亡し、様々な報道がなされ、県民の皆様からも多くの御意見をいただいたことがありました。この点について知事の御所見を伺います。
次に、第2波が来たときの対応についてお伺いいたします。
5月25日、緊急事態宣言が解除されました。6月17日からは、県も自粛要請を全面解除、今日からプロ野球も開幕します。街中にも人が戻っています。このまま終息してもらいたいと思います。
しかしながら、今後第2波が大変懸念され、来た場合には更なる対応が必要になることが予想されます。その前に第2波が来た場合の外出自粛規制や医療の提供を含む感染拡大防止への取組をロードマップとして示すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、感染拡大防止と社会経済活動の両立について伺います。
発生以降、まずは感染防止対策に全力投球し、結果が出ていることを評価いたします。県内感染者数については4月26日に最大患者数657人以降、徐々に減少しており、5月17日には新規感染者数がゼロとなりました。これは学校の休校、外出自粛に対する県民の御協力、休業要請への企業の御協力、そして医療関係者の御努力により感染を抑えることができたものであると思います。御尽力に敬意を表します。
しかし、これからは経済との両立が重要であると考えます。経済を止めることによって失われる命もあります。それを判断し、対応するのが政治の役割であります。今後は日常生活を取り戻すための経済対策が重要だと考えます。
新型コロナの影響により経済への打撃が深刻化しています。世界銀行は今年の経済成長率の見通しをマイナス5.2%としました。第二次大戦以降で最悪であります。国の月例経済報告では、国内景気の判断を新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあるとし、「悪化」という表現が使われるのは、リーマン・ショック以降は初めてで約11年ぶりであります。
また、武銀地域経済研究所の調査では、県内企業の4月から6月の業況判断(BSI)がマイナス56と大幅に悪化し、景況感が大幅に悪化したとしています。新しい生活様式を実行すれば、経済活動も半減する可能性があり、ワクチンが開発されない限り、厳しい経済状況は続いていくことが予想されます。
そこで、知事に伺います。
緊急事態宣言が解除され、第2波が懸念される中ではありますが、新型コロナもようやく出口戦略が見えてきました。これからは感染拡大を防止しつつ、社会経済活動へウエイトシフトをするべきだと考えますが、コロナの感染拡大防止と経済活動の両立について、知事の具体的な戦略を伺います。
最後に、財政面について伺います。
大規模な財政出動での県民への支援は大いに評価いたしますが、一方でこれだけ大規模な財政出動をして県の財政は大丈夫なのかという声も聞くようになってきました。今後、県の財政面での不安はないのか、知事に見解を伺います。

A 大野元裕 知事
改めまして、お亡くなりになられました方には深く哀悼の意をささげるとともに、御遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます。
当時、国は軽症者について自宅又はホテル療養とする方針を示しておりました。
このような中で、埼玉県においてもまた、お二人の方が自宅待機中にお亡くなることとなりました。
お二人とも、症状が現れてから1週間以上経過したところで、容体が急変をされました。
新型コロナウイルス感染症に関しては、分からないことが多い状況ではありますが、埼玉県においてもお亡くなりになる方が出たことを踏まえ、再びこのような事態を繰り返すことがないよう、軽症者については自宅ではなく、原則としてホテルでの療養とする方針に切り替えました。
また、その後の3週間で、感染者を受け入れる病床数を600床に倍増、ホテルも900室積み増し、計1,000室の確保としました。
さらに、専門家の皆様の御意見をお伺いし、心臓や肺に送られる酸素の濃度を測定するパルスオキシメーターの保健所やホテルへの配備を急ぎ、これらを活用して健康観察に反映させることにより、ホテル等の療養施設においても、万一、酸素の濃度が下がった場合には、直ちに病院へ搬送する体制を整えました。
県といたしましては、専門家の御意見をいただきながら、病院外にあっても安全な療養が確保されるよう努めてまいります。
次に、第2波が来た場合の感染拡大防止への取組についてでございます。
私は「危機管理の要諦は想像力と準備にある」と考えております。
まずは、何よりも県民の皆様の行動を感染機会の縮少の観点から見直していくことが重要と考えています。
いわゆる3つの密を避けるなど「新しい生活様式」が根付くよう、県民の皆様に働き掛けることで、第2波を抑えることが肝要と考えます。
その上で、第2波を見据えながら、例えば、外出の自粛については、新規陽性者数が週100人以上となるような感染拡大の兆しが見えた際には、速やかに専門家の御意見を伺いながら、再要請を行うための目安を予め定めたところでございます。
さらに、検査体制の充実と確保病床等の弾力的な運用を進めてまいります。
6月14日時点での厚生労働省の調査によれば、埼玉県のPCR検査の検査人数は26,672人で、大阪府に次いで全国2番目に多く、また郡市医師会に委託をさせていただいているPCRセンターも順調に拡大しています。また、日々の陽性率も1%を切っており、全国最小を続けております。
これは本県の検査のニーズが充足しているという一つの根拠といわれますが、そこに立ち止まることなく、今後、さらなる検査体制の拡充に努めてまいります。
病床の確保につきましては、現在は入院患者も20人程度であることから、240床程度に集約する調整を行っています。
今後、新規陽性者数が週70人以上又は入院者数が80人以上で医療機関に対し600床体制への準備を予告し、120床以上が埋まった場合には、各医療機関に対し600床に戻すための再要請を行うことといたしております。
こうした確保病床等の弾力的な運用により、第2波にしっかり備えてまいります。
次に、感染拡大防止と経済活動の両立についてでございます。
これまでは感染拡大防止のために「外出しない」「人と会わない」などの接触機会の縮減を進めてまいりましたが、今後は「外出して人と会っても感染しない」という感染機会の縮減へと移行することが必要と考えます。
そこで、県では「彩の国『新しい生活様式』安心宣言」という制度を作りました。
安心を皆で宣言し、共有し、推進していくことで、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図ることができる新しい暮らしが始まると考えており、この埼玉県発の取組は日本全国へと広まりつつあります。
さらに、第2波、第3波の影響下でも経済活動を継続するためにいかなる準備をしておくか議論し、社会実装を進めることを目的に「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」を立ち上げました。
関東経済産業局や埼玉労働局といった国の機関や経済団体という実行力を持った団体とともに、大学、ジェトロ、中小企業診断協会を始めとする様々な知見を有する団体にも参加いただいております。
この会議では、スピード感を持って、人材が余剰する企業と不足する企業のマッチング、感染がまん延する中での営業活動、中小企業のBCP策定促進などを議論しており、何よりも社会実装を行っていくことが大切であります。
国、経済団体、県が連携しつつ、それぞれの役割を果たし、来るべき第2波に備えて強い経済の構築を図ることで、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の両立を進めてまいります。
次に、今後の県の財政面での不安についてでございます。
新型コロナウイルス感染症対策については、基本的には国が必要な財政上の措置を講じたうえで、県や市町村がその区域内において機動的かつ柔軟に対策を実施するべきものと考えております。
そのため、私は現場対応の責任者として逼迫した医療現場の状況を国に伝え、県内市町村を含めて十分な対応が行えるように、新型インフルエンザ等対策特別措置法が定めるとおり必要な財政上の措置を要望してまいりました。
その結果、国の2次補正予算において新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の大幅な増額が実現したところであります。
このため、これまでの6次にわたる補正予算による累計で2,000億円超の財政出動については、その多くが国庫支出金により賄われるため、県財政への影響は限定的と考えております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症による県経済への打撃は深刻であり、県民の皆様や県内企業への影響は測り知れません。
かつて県税収入が大幅に落ち込んだリーマンショック時には、国が打ち出した経済危機対策により、地域の実状に応じて活用できる臨時交付金の創設や地方交付税の増額などの財政措置がなされました。
今回においても、まずは国に引き続き財政上の措置の拡充を求めていくとともに、税収の落ち込みによる減収を補うために発行する減収補てん債の発行などにより当面必要な財源を確保したいと思っています。
さらに、将来にわたり持続可能な財政運営を行うために、県税収入の確保はもとより、地方財政措置のある県債の積極的な活用などによる財源確保を進めるとともに、必要に応じて特定目的基金や他会計の活用も検討をしてまいります。
今後しばらくの間は、より一層厳しい財政運営が見込まれることから、必要性・緊急性の観点から事業の選択と集中を徹底するなど、歳出削減にも努めていきたいと思います。

〇新型コロナウイルス感染症に対する検査体制の拡充について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
今回の新型コロナに関することで、地元から相談、苦情が多かったのは検査に関することでした。「発熱が続き不安だが、医者にかかれない」「医者に診断してもらってもPCR検査が受けられない」「次から次に窓口を紹介されたが、結局は検査を受けることができず、自宅で様子を見ることになった」、いわゆる「たらい回しにされた」という話を聞きました。私のごく親しい知人も39度近くの発熱があり、かかりつけ医に行くも病院に入れず、その後、保健所に連絡してオンライン診療を勧められるが、それもできず、医者に連絡すると基幹病院では発熱患者の外来は診ていないと拒否され、4日間ルールで対応してもらえず、解熱剤を飲めと言われ、最終的には都内で診療を受けたということもありました。
新型コロナウイルスは、本人の症状はないがPCR検査が陽性となる場合があり、その無症状病原保有者から感染が広がるおそれもあります。知人の話を聞きながら、不安解消のためには検査体制を充実するべきと、特にPCR検査の拡充の必要性を痛感しました。
PCR検査は県では当初、保健所内の帰国者・接触者相談センターが電話相談を基に必要性を判断していましたが、電話がつながりにくいことや検査が受けられないことが問題となり、その後、検査体制を強化するため、各郡市医師会による発熱外来PCRセンターが設置され運営されています。地域のかかりつけ医を受診し検査が必要とされたら、PCRセンターで検査が可能となりました。
加えて、県では5月22日より抗原検査を導入しました。抗原検査とは鼻の奥から検体を採取し、キットで検査することで30分程度と短時間で陽性確認を行うことができるものです。早急に陽性確認ができることがメリットですが、ウイルス量が多くない場合、陰性となってしまうことから、陰性の確認には適さない検査となっています。精度はPCRよりも低いものの、早急な陽性確認が可能ということであります。これらの対応を評価いたします。
しかし、この抗原検査も症状がない患者の陰性確認には適さないということで、これで県民ニーズに合った検査体制となったのかという不安もございます。また、今後第2波の兆候を察知するために、体制整備を進めるべきとの観点から、以下、保健医療部長に質問いたします。
一点目、コロナ発生以降、これまでなぜ検査に関する苦情が多かったと考えるか伺います。
二点目、今回の補正予算案にある14億5,500万円程度をかけて、PCR検査、抗原検査を合わせて検査数がどれだけ増やせるのか伺います。
三点目、抗原検査の有効性についての見解を伺います。
四点目、今回の検査体制の拡充は評価いたしますが、今後、検査体制の充実に向けて、この抗原検査、PCR検査をどう活用していくのか伺います。
次に、抗体検査について伺います。
症状はないものの、新型コロナの不安を抱く県民も数多くいらっしゃいます。その不安解消策の一つとして抗体検査があります。抗体検査とは、新型コロナにかかったことがあるかどうかを検査するものです。先日、ジャイアンツの選手が抗体検査を実施し、その結果、陽性の選手が発見されたように、今後の新型コロナ対応のためにも、また県民の不安を解消することにも有効だと考えます。また、第2波が心配される中で、状況が落ち着いている夏場の今こそ、抗体検査を導入し、そのデータを取って蓄積するべきだと考えますが、抗体検査に対する評価、認識と見解を保健医療部長にお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長
まず、なぜ検査に関する苦情が多かったと考えるか、でございます。
本県では、3月4日に発出した通知により、医師が必要と判断した場合には、PCR検査を受けることができますが、当初は検査の対象が限定されておりました。
1月23日の国からの事務連絡では、検査の対象は37.5度以上の発熱があり、武漢への渡航歴や接触歴を有する者に限られておりました。
その後、2月17日に、国が相談・受診の目安を定めましたが、「37.5度以上の発熱が4日以上」と、まだ、対象が限られていました。
加えて、帰国者・接触者相談センターである保健所への相談が増え、電話がつながりにくいという状況もございました。
こうしたことが苦情の多かった理由と考えます。
次に、今回の補正予算案である14億5,500万円程度をかけて、PCR検査・抗原検査合わせて、検査数がどれだけ増やせるのか、でございます。
発熱外来PCRセンターが広まったことなどから、保険適用の民間検査件数の大幅な増加が見込まれております。
このため、公費負担分として1日あたり現状300件を1,000件、700件の増の費用を10月までの分として計上しております。
また、抗原検査につきましても、医療現場で簡易迅速に判定を行えるため、PCR検査に代えて導入が進むことが見込まれ、10月までの分として1日新たに1,000件を見積もっております。
PCR検査・抗原検査合わせて、1日あたり1,700件の増を見込んでおります。
次に、抗原検査の有効性についての見解でございます。
抗原検査は、6月16日の厚生労働省の事務連絡により、症状が出て2日目から9日目までの方については、抗原検査のみで感染の有無を判定できるようになりました。
これにより、その場で30分程度で結果が出るため、患者や医療機関の負担軽減が期待されます。
特に、救急医療の現場など迅速性が求められる分野では、大いに活用が期待されるところです。
次に、今後の検査体制の拡充に向けて、この抗原検査・PCR検査をどう活用していくのか、でございます。
症状のある方には、医療現場で抗原検査を行い、症状のない場合や症状が出て10日目以降の方には、PCR検査を行うことになります。
抗原検査とPCR検査を症状に応じて使い分けることにより、PCR検査の処理件数の限界を補い、検査件数の拡充を図ってまいります。
次に、抗体検査に対する評価・認識と見解でございます。
厚生労働省が今月行った抗体検査では、抗体保有率が東京都が0.10%、大阪府が0.17%、宮城県が0.03%で、大半の人が抗体を保有していない状況が明らかになっております。
感染症の一般論としては、抗体を保有している人は再び感染しないか、重症化を防ぐことができます。
しかし、新型コロナウイルスの場合、抗体があっても感染が防げるのか、重症化を防げるのかなどが、現在ではわかっておりません。
また、国の承認を受けた抗体検査の検査キットがなく、精度に問題があり、陽性でない人を陽性と判断することもあると指摘されております。
このため、今後の大学など、研究機関における研究の進展や国の検査結果の分析や解釈を注視してまいります。

〇新型コロナウイルス感染症が学校教育に与える影響と対策について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
まず初めに、学びの機会の保障と学力の維持について伺います。
新型コロナによって教育分野も大きな影響を受けました。休校により約3カ月間、学びの機会が失われています。昨年度の3月、今年度の4月、5月の授業日数が不足し、このことで懸念されるのが、児童生徒の学力低下であります。県では、休校期間に課題や家庭学習支援などで対応してきたところではありますが、約3カ月にわたる学習の遅れを取り戻せるのか、心配する声も多くあります。児童生徒の学びの機会の保障をきちんとして、学力を維持していくべきという立場から以下三点、教育長に質問いたします。
一点目、この休校期間の学習の遅れに対する考えと遅れを取り戻すための具体的な取組について伺います。
二点目、入試について伺います。
生徒にとって自分の志望する学校への受験、入試は大変重要なものです。受験、入試への対応については、休校で授業不足への対応として出題範囲を考慮すること、部活動ができなかった生徒や検定を受けられなかった生徒への対応策として内申評価も考慮をするべきと考えますが、見解を伺います。
また、コロナによる影響で貧困家庭が増えていることも想像できます。費用がかかるために受験することができなかった生徒もいると想定されるため、英検・漢検による加点もなくすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
三点目、学習への遅れの解消策として、また授業時間確保対策の一つとして、9月入学が大きな話題となりました。個人的には入学制度よりも、まずは現状のコロナ対応が最優先であると考えます。国の今年度、来年度は見送り、長期的に検討へという方針は出ましたが、一時期のブームで終わることなく、引き続き今後、議論していくべき課題だと考えますが、9月入学について教育長の所見を伺います。
次に、生徒への進路指導、就職支援について伺います。
新型コロナによる影響で、毎年7月に行われていた合同企業説明会が中止になったり、応募前に実施されている生徒の職場見学も延期になっている例もあるとお聞きしました。特に、高校生が就職するであろうと思われる県内中小企業が経済的に大打撃を受け、今後雇用情勢が悪化することが予想される中で、進路指導、就職支援については、県教育委員会としてこれまでにないような取組が必要だと考えますが、どのように対処していくのか。また、高校生の就職に関しては、これまで学校側が中心となってきましたが、異例の状況となった今後は、産業労働部ともタッグを組んだ総合的な取組が必要だと考えますが、教育長の見解を伺います。

A 高田直芳 教育長
まず、休校期間の学習の遅れに対する考えと、遅れを取り戻すための具体的な取組についてでございます。
休校期間が長期にわたっており、学習の遅れについては、大変、憂慮しております。
学習の遅れを取り戻すために、県立高校については、夏季休業を3週間程度に短縮し、学校行事等の見直しを行うことなどにより、授業時数の確保を行うとともに、家庭学習の充実を図ってまいります。
小・中学校については、市町村及び学校の状況に応じて、時間割編成の工夫、学校行事等の精選、夏季休業の短縮等により、授業時数を確保するよう、各市町村に要請しております。
また、教員の補助や補習等を行い、よりきめ細かい指導を実施するため、各公立小・中学校及び県立高校に、学習指導員を配置するための補正予算を今議会にお願いしているところでございます。
次に、高校入試の出題範囲を考慮すること及び、部活動ができなかった生徒や検定が受けられなかった生徒の内申評価を考慮すべきについてでございます。
休校期間が長期にわたり、通常の授業を受けることができず、特に中学3年生は、学習の遅れや高校入試について不安に感じていることと思います。
多くの中学校が通常登校に戻りつつありますが、通常登校の開始時期や夏季休業の短縮等は、市町村ごとに異なっている状況でございます。
そのため、今後、全県での学習状況を丁寧に確認した上で、学力検査における必要な配慮や、部活動等の大会や検定試験に参加できなかった受検生への配慮について、7月上旬を目途に検討を進めてまいります。
次に、新型コロナウイルスによる家庭への影響を考え、英検・漢検による加点を無くすべきについてでございます。
高校入試における国の通知においては、学力検査や調査書の成績だけでなく、英検などの各種技能検査、ボランティア活動や文化・スポーツ活動なども評価するよう求めております。
県といたしましては、中学3年生だけでなく、中学1・2年生で取得した資格も含めて、生徒の様々な努力の成果を幅広く評価していく必要があると考えております。
次に、9月入学についてでございます。
9月入学には、高等教育の国際化というメリットがある一方、就職の時期や会計年度との整合性など、課題も多いと認識しております。
将来に向けて、引き続き議論すべき重要なテーマと受け止めておりますが、児童生徒のことを第一に考えながら丁寧に議論を行い、社会全体での合意形成が図られることが必要と考えております。
次に、進路指導・就職支援についてでございます。
新型コロナウイルスの影響で、急激に雇用情勢が悪化することが見込まれ、これまで以上に企業と連携し、個々の生徒に応じた積極的な就職指導・就職支援を行うことが必要であると考えております。
そこで、新たな取組として、全県立高校の就職希望者の実態把握調査を行い、生徒の希望や県内企業の求人状況を職種別、地域別に分類・整理した資料を各学校に配布し、きめ細やかな就職指導に生かせるよう、活用を促してまいります。
また、各学校においても、これまで以上に積極的に就職先の開拓に努めるよう指導してまいります。
次に、産業労働部ともタッグを組んだ総合的な取組についてでございます。
高校生の就職支援を更に強化するため、産業労働部との連携は重要であると考えております。
そこで、今年度の新たな取組として、5月19日に私自身が産業労働部の職員と共に、県内経済6団体を直接訪問し、高校生等の雇用促進に関する要請を行いました。
今後は、産業労働部と教育局の担当職員が一緒に県内企業を積極的に訪問し、高校生の就職をしっかりと支援してまいります。

〇東京2020オリンピック・パラリンピック延期に伴う対応について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナによる影響で今年の7月24日から8月9日まで予定されていたオリンピックが、また8月25日から9月6日まで予定されていたパラリンピックが、それぞれ来年7月23日から8月8日、8月24日から9月5日までに延期になりました。大変残念な思いであり、今後まだまだ不安定で、中止も含めてどうなるのか予想がつかない状況であります。
本県では、バスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃の4競技が予定されており、当然のことながら予定どおり開催されるとの前提で準備しています。政府は当初、完全な開催をするとしていましたが、先般、簡素化を検討すると発表しました。完全な開催から簡素化になることによって、本県が受ける影響もいろいろあると思いますが、現時点では基本フレームは変わらないという基本方針はあるものの、競技日程はいまだ決まらず、予選ができず選手が決まっていない競技もあり、コロナでイベントも自粛の状況にあります。そんな中で、モチベーションを維持しながら準備を進めている県職員をはじめとする関係者に敬意を表します。
今後、コロナが収まり、来年予定どおり開催できることを望んでおりますが、状況は日々変わっています。今回のオリ・パラ延期に伴う本県の対応について、以下、県民生活部長に三点伺います。
一点目、これまで準備段階でキャンプ誘致など県が中心となっていろいろな国々と関係、調整をしてきたことと思います。相手国との調整は大変重要な県の責務だと考えますが、延期によってこれまで関係してきた相手国との今後の調整については、どのような課題があり、どう取り組んでいくのか伺います。
二点目、今年3月26日から予定されていた聖火リレーは、スタートせずに今後の対応を検討することになっています。聖火リレーについては、既にコースやランナーなども決まっていますが、聖火リレーが延期になることでの課題について伺います。
最後に、ボランティア、聖火ランナーなどの意欲、モチベーションの維持をしていくことも重要だと考えますが、具体的な取組について伺います。

A 山野均 県民生活部長
本県では、15カ国が事前キャンプを実施いたしますが、その中にはイタリアやブラジルなど新型コロナウイルス感染症の影響が甚大な国もございます。
これらの国も来年のキャンプを実施したいとの意向は届けられておりますが、感染症拡大の結果、スケジュールや練習場所など具体的な調整が進まないという課題がございます。
こうした中で、イタリアのキャンプ地である所沢市では、市民の応援メッセージ動画をインターネットでイタリア国民に届けるという活動もございました。
こうした絆もよりどころとしながら、相手国の実情にも配慮し、迅速かつ丁寧に事前キャンプの実現に向けた調整を進めてまいります。
次に、聖火リレーの延期による課題でございます。
組織委員会は、聖火リレーの日数やルートの基本的な枠組みは尊重するとしていますが、詳細は明らかになっておりません。
この枠組みが維持されれば、全長約800メートルの聖火リレーの大隊列が分刻みのスケジュールで県内を移動することになります。
大規模な交通規制、警備体制の確保、沿道の皆様の御協力が不可欠となりますので、その再調整が最大の課題となります。
今後、聖火リレーに関する組織委員会からの情報収集に努め、具体的な準備を加速してまいります。
最後に、ボランティア、聖火ランナーなどのモチベーション維持についてでございます。
都市ボランティアの皆様には希望者全員に、来年の本大会で御活躍いただく予定でございます。
本番での活動をリアルにイメージできる動画研修などを行うなど、おもてなしのスキルとモチベーションを高めていただきます。
また、聖火ランナーについても、組織委員会は「既に選出された方には、優先的に走行していただくよう配慮する」としています。
聖火リレーに込めた熱い思いを、例えば県の特設ウェブサイトで発信し、また、県民にもそれを応援していただくなど、ランナーのモチベーションと県民の関心を高める取組を工夫してまいります。

〇コロナスリップ(特にアルコール依存症)への対応について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナがきっかけでアルコール、ギャンブル、薬物などの依存症が再発するケースが増えていると聞きます。緊急事態宣言の中、パチンコに熱狂する人々の報道で痛感しました。コロナスリップと言われているそうであります。コロナによる生活リズムの乱れ、不安などがその原因のようです。
先日、アルコール依存症の回復を目的とする断酒会の関係者の方に聞き取り、確認をしました。それによると、コロナの影響で断酒会の例会が開催できず、行事に参加できなかった。そのために、せっかくやめた飲酒を再び始めてしまう人もいるようです。コロナスリップの現状を聞かせていただきました。
新型コロナで社会不安が広がっている中で、今後、依存症が広がっていくことが懸念されます。その中で、特にアルコール依存症について伺います。
アルコール依存症とは、大量のお酒を長期にわたって飲み続けることでお酒がないといられなくなる状態ですが、単なる悪癖ではなく、もはや本人の意思では問題行動を止めることができないメンタルの病です。治療に関しては断酒補助剤や減酒補助剤などの薬はあるが、アルコール依存症の完治には断酒しかないということです。
しかし、なかなか病気としての認識が低く、一般の人にとってはアルコール依存症と聞くと、禁断症状のある重症の人しかイメージできないのが現状です。私もそう思っていました。しかし、アルコール依存症は潜在的には多く存在し、その推定患者人数は国内に約109万人いると言われ、また潜在的に多量飲酒群と言われる人は約980万人いると言われております。また、埼玉県ではアルコール依存症の推定患者数は約6万6,000人ということでございます。
本県では現在、アルコール健康障害対策基本法に基づき埼玉県アルコール健康障害対策推進計画が策定されており、県立精神保健福祉センターや保健所で相談、県立精神医療センターなどアルコール専門病院で治療、また断酒会などへの民間団体へ委託などを行っています。本県での対応の現状を見ると、重症の人には手厚いが、軽症の人への対応が少ないと思われます。今後は特に、アルコール依存症予備軍と言われる潜在的依存者に対する取組が重要だと考えます。これらを踏まえて、保健医療部長に伺います。
新型コロナによる社会不安が広がる中、今後もアルコールに頼ってしまうアルコール依存症患者やアルコール依存症予備軍と言われる潜在的依存者が広がっていくことが懸念されます。これを放置すると、経済的な困窮、DVによる家庭崩壊など深刻な問題を招きかねません。まずは、依存症患者を増やさないための取組、例えば潜在的依存者への対応として、スクリーニングテストで潜在的依存症を自覚してもらう取組を更に進めるとともに、アルコール依存症予備軍に対する啓発も必要だと考えますが、見解を伺います。併せて、アルコール依存症について幅広く県民の理解をしてもらうために、今後、県民相談窓口を広げて、行政と医療と自助グループとの連携を強めて啓発活動に今まで以上に力を入れるべきだと考えますが、見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長
議員お話のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染リスクや雇用不安、働き方や生活時間の変化によるストレスでお酒の量が増えることや、当事者で語り合い励まし合う場がなくなるといった問題が生じています。
潜在依存症を自覚してもらう取組として、先ずはスクリーニングテストなどでアルコールに対する依存度を確認し、依存症の疑いの有無や専門治療機関への受診が必要かなどを知ることが重要となります。
スクリーニングテストについては、県は、ホームページで利用を促してきましたが、今後はSNSも活用して更なる利用促進を図ってまいります。
アルコール依存症予備軍とされる方々に対する啓発については、本人に自覚がないことから家庭や周囲の人に対して発信していくことが必要です。
今後はホームページの検索性を高めるとともに、御家族に向けたメッセージを発信するなどの工夫をしてまいります。
次に、アルコール依存症について幅広く県民に理解してもらうための啓発活動についてです。
アルコール依存症の相談窓口については、県のホームページにおいて専門相談機関へのつなぎを重視した構成となっております。
今後は市町村や保健所など身近な相談機関についても掲載するなど、御家族が気軽に相談できるよう間口の改善に取り組んでまいります。
また、行政と医療と自助グループが連携し開催するフォーラムにおいて、アルコール依存症について幅広く理解していただくため、これまで以上に一般の県民の方々に参加いただけるような内容にブラッシュアップしてまいります。

〇新型コロナウイルス感染症に便乗した特殊詐欺被害の防止対策について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、その支援策の一つとして、特別定額給付金として一人当たり10万円が支給されることになり、申請、支給が始まりました。大変助かるといった声がある一方で、その申請手続や支給方法が高齢者にとってはなかなか分かりにくい面もあります。また、新型コロナによって生活様式が変わり、自宅で過ごす時間も増えています。そこを狙って電話などで信用させ、現金等を騙し取る新型コロナに便乗した特殊詐欺が懸念されています。新型コロナによって生活が厳しくなっている中で、更に犯罪に遭って追い打ちをかけられるようなことがあってはならないと考えます。お聞きするところでは、現状ではまだ被害は甚大化していないとのことですが、給付金の申請や支給が始まった今後は増加することが想定され、被害防止への早目の対応が必要だと考えますが、今後の新型コロナウイルス感染症に便乗した特殊詐欺被害を防止するための取締りと県民への啓発について、警察本部長の見解を伺います。
また、新型コロナの感染者が出た場合に、周りの警官が濃厚接触者となり、活動できる警官の数が制限されることなどが予想されますが、今後、第2波、第3波が来た場合、警察活動には支障が出ないよう、どのような対策をしているのか、警察本部長の見解を伺います。

A 高木紳一郎 警察本部長
まず、「新型コロナウイルス感染症に便乗した特殊詐欺被害を防止するための取締りと県民への啓発について」であります。
県内の特殊詐欺認知状況は、本年5月末現在、前年同期と比較して減少しておりますが、オレオレ詐欺等が依然として発生しており、予断を許さない状況にあります。
議員ご指摘のとおり、感染拡大に伴い、その混乱に乗じた特殊詐欺の発生が懸念されており、特別定額給付金の申請手続きに乗じた詐欺事件が発生している県もあります。
本県での被害は現在のところ確認されておりませんが、本年5月末までに、感染拡大に乗じた詐欺の電話等が24件寄せられており、この内、特別定額給付金に関するものは9件ありました。
このような状況を踏まえ、県警察では、県民への啓発を図るため、コールセンターによる注意喚起のほか、イベントや防犯講話等が困難な中、ユーチューブやツイッター等を活用した広報啓発活動を積極的に推進しております。
また、取締り活動として、被害多発地域における駅周辺での警戒や予兆通報地域における警察官の集中運用等により、現金やキャッシュカードを受け取りに来る受け子等の詐欺グループの検挙活動を強化しております。
県警察といたしましては、新型コロナウイルス感染症に便乗した特殊詐欺被害を防止するため、引き続き、抑止と検挙の両面からの対策を強力に推進してまいります。
次に、「第2波、第3波が来た場合に警察活動への支障を出さないための対策について」であります。
県警察といたしましては、治安の確保に必要な警察活動を維持するため、職員自身の感染防止対策と併せて、職場での感染拡大防止対策が極めて重要と考えております。
そのため、万一の職員感染の発生に備え、職場での感染拡大防止対策として、体調不良者は出勤を自粛しているほか、職員の机の間等に飛沫感染防止用のシールドを設置したり、会議を減らしメール等の代替手段を活用するといった取組を推進しております。
県警察といたしましては、今後とも感染防止対策を徹底するとともに、感染者が発生した場合でも、濃厚接触者数を最小化し、応援体制の規模の抑え込みを図り、業務継続に支障が生じないよう努めてまいります。

〇持続可能な地域公共交通の確保について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナの影響により、いろいろな業界で厳しい状況が続いています。そんな中、衝撃的な出来事が起こりました。上尾の路線バスを経営している民間会社が5月15日に民事再生を申請、路線バス事業者のコロナ関連倒産は全国初ということで、ニュースでも大きく取り上げられ、県民の皆さんも高い関心を寄せています。路線バスは地域の大きな足であります。公共性が高く、高齢者の免許返納が増える中、ますます重要性を増しており、現に路線バスの利用者数は増えているとのことです。運行を続けながらスポンサーを募り、再建を目指すとし、現在、路線は維持されていますが、地域住民の方々も今後どうなるのか不安に感じていると思います。県内の他の路線バス事業者でも、今後同様なことが起こることが懸念されます。
埼玉県内の路線バスの現状を見ると、利用者数は年々減少していたものの、平成13年以降、増加傾向が続いており、平成30年度末現在、約2億1,000万人となっています。また、県内バス事業者アンケートではバス運行に関する問題点として、乗務員不足や高齢化を掲げられています。乗務員不足から採算性の低い路線が減便や廃止されてしまうと、マイカーを利用できない高齢者等の重要な移動手段を奪ってしまうことが課題となっています。
バス業界はコロナの影響で観光、送迎などの分野でも売上げが激減しています。多くのバス会社にとって経営面では、もともと路線バスは極端に利益が出る分野ではなく、それ以外の観光、送迎などで利益を出しているとお聞きしました。コロナによってもうかる分野がなくなったとも言えます。しかも、路線バスは営業状況が厳しくとも営業を継続してバスを運行することが前提のため、従業員を休ませることができず、雇用調整助成金を受けにくいといったこともあるようです。
しかしながら、地域の足となる地域公共交通を止めるわけにはいきません。今後も県内で同様のケースが起こることも懸念される中で、地域の足である路線バスを存続させていくために感染防止対策などへの補助や資金面での支援など、地域公共交通である路線バス業者を支援していくべきだと考えますが、企画財政部長の見解を伺います。

A 堀光敦史 企画財政部長
新型コロナウイルスへの対応については、県民に対して外出自粛を求めつつ、公共交通事業者には運行継続に努めていただいたところでございます。
このため、公共交通事業者の経営は極めて厳しい状況となっており、緊急的な支援策が必要と考えております。
そこで、本定例会に追加提出した一般会計補正予算案(第6号)に、「新型コロナウイルス感染症地域公共交通緊急支援事業費」を計上させていただきました。
この事業については、新型コロナウイルスの影響により、地域公共交通の運行継続が懸念される中、県民が安心して利用できる「地域の足」の維持・確保をしようとするものでございます。
具体的には、まず、感染防止対策の取組を支援するため、県内全ての路線バス事業者を対象に支援金を支給します。
また、過疎地等の生活の足として重要なバス路線を維持するため、現在補助している路線については、新型コロナウイルスの影響により、更に赤字の増加が見込まれることから、その一部に対して補助を行います。
さらに、現在補助対象となっていない路線につきましても、赤字に陥る路線が増えることが想定されるため、追加的に補助ができるよう支援枠を拡大いたしております。
それでもなお、路線バス事業者が倒産するような場合に備え、地域住民の移動手段を緊急的に確保する市町村に対して支援を行います。
このように安心安全の強化のため、二重三重のセーフティネットを設けてまいります。
県といたしましては、地域の実状をよく知る市町村の意向を踏まえ、今後も国や市町村と連携して、既存の制度や国等の支援策などもフルに活用して、地域の足をしっかりと維持・確保してまいります。

〇コロナ後の新しい生活様式を踏まえた選挙への対応について

Q 木村勇夫 議員(民主フォーラム)
新型コロナは選挙にも影響しそうであります。東日本大震災後のときの選挙も自粛モードの中での選挙でしたが、コロナ後の今後はそれ以上の影響が出てくるのではと想像します。4月7日の緊急事態宣言以降、県内では坂戸市長選、美里町長選、松伏町議選などの選挙が実施され、全ての選挙で過去最低の投票率を記録しました。特に、坂戸市長選では前回に比べ10.51ポイント減と大幅に下回る結果となっています。この結果を見ると、コロナの影響があると言わざるを得ないと考えます。
まず、この投票率の低下についての見解と、新型コロナが今後選挙に関してどのように影響していくと考えるか、選挙管理委員会委員長の見解を伺います。
新型コロナは選挙事務にも影響を及ぼしています。投票に際して様々な感染予防対策が講じられています。投票所の混雑を防止するため、期日前投票の積極的活用をし、投票所においてマスクの着用を呼び掛けること、投票受付に並ぶ際には間隔をあけるようテープを付けること、投票用紙の記入のための鉛筆を持参することなど、選挙の投票に際しても様々な感染予防対策が講じられています。今後も鳩山町長選、新座市長選、富士見市長選、川越市長選など多くの選挙が予定されているため、県民が安心して投票できる環境づくりが求められます。
今年は首長選挙が多い年です。国は期日どおりの選挙を求めていると聞きました。また、衆議院議員の任期もあと1年半です。今後は感染防止対策を含めた新しい生活様式の下での選挙対応が必要になると思います。それらに向けた新しい選挙の対応策を県として考えて、取り組んでいくべきと考えます。投票所や開票所での感染防止対策を考える必要があります。それには、県が投開票事務を実際に行う市町村選挙管理委員会を適切に支援することが必要だと考えます。
以上を踏まえて、今後の選挙に対する県の基本的な考え方と具体的な対策について、選挙管理委員会委員長に伺います。

A 岡田昭文 選挙管理委員会委員長
まず、投票率の低下についての見解と、今後選挙に関してどのように影響していくと考えるかについてでございます。
緊急事態宣言のもとで執行された全国の市・区長選挙におきましては、15の選挙のうち9選挙が、それぞれの選挙で過去最低投票率でございました。
また、議員御指摘のとおり県内で執行された4選挙は、全て過去最低の投票率になりました。
さらに、執行した県内市町選挙管理委員会からは「投票したいけど、感染症が怖いので外出したくない」といった声が寄せられたと聞いております。
こうした状況を考慮しますと、投票率の低下に新型コロナウイルス感染症の影響があったことは否定できず、県選挙管理委員会としては、憂慮すべき事態であると考えております。
今後執行予定の選挙への影響については、感染者の発生状況やワクチン開発の進行状況によって異なると思われますが、一定期間は、投票行動に影響が出ることは避けられないと考えております。
次に、今後の選挙に対する県の基本的な考え方と具体的な対策についてでございます。
県選挙管理委員会としましては、今後、第2波を見据え、引き続き油断することなく、有権者をはじめ投・開票に関わる全ての人にとって安全・安心な環境を整備することが重要と考えております。
県選挙管理委員会は、本年2月以降、6回にわたり総務省から、マスクの着用や期日前投票の呼びかけなど、具体的な対策を要請され、これを市町村選挙管理委員会に周知徹底したところでございます。
今後は、引き続きこれらの感染防止対策や投票所の混雑回避対策を実施し、有権者にこれらの対策を講じて、万全を期していることを周知するとともに、積極的な投票参加を呼びかけることが重要となってきます。
県内市町村選挙管理委員会に対しては、こうした対策や今回の4選挙における取組などを情報提供し、これから選挙を執行する市町村には、打合せ会で説明し、有権者が安心して投票できる環境整備に努めてまいります。

平成31年予算特別委員会

〇ジュニア・アスポート事前について

◆木村勇夫委員 
 立憲・国民・無所属の会、木村勇夫でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 東日本大震災から8年であります。お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げると同時に、被災地の方々に思いをはせながら質問させていただきます。
 委員長のお許しをいただきましたので、早速質問に入ります。
 ジュニア・アスポート事業について伺います。
 日本は格差社会になってしまいました。しかも、その格差は拡大しています。絶対的貧困率、特に子供の貧困率も上がってきており、もはや格差社会から階級社会へと移行しつつあるのではないかと認識しています。
 まず、このような日本社会の現状についての知事の御見解を伺います。

◎上田知事 
 午前の田村委員の御質問の中でも若干お答えしました。平成元年の日本のGDPが410兆円、15年に515兆、ここは25%伸びておりますけれども、その後、平成15年から平成30年までは538兆ですので、僅かに23兆ということですので、4%程度しか伸びていないと。その中で緩やかな景気回復ということでございますが、正に緩やかな景気回復。可処分所得は逆に減っているということがはっきりしております。そういう意味で相対的な貧困が増えている、このように理解しております。

◆木村勇夫委員 
 私は特に貧困の問題に関しては、貧困は連鎖してしまうということだと思っています。民間の調査でも出ていますけれども、家計の収入額と子供が受けられる教育、特に学歴と相関関係があると言われています。貧困の連鎖を防ぐための取組として、本県では平成22年度から生活保護世帯の中学生を対象に、高校進学に向けた学習支援事業、いわゆるアスポート事業を実施しています。また、平成25年度からは高校生も対象とし、中退を防ぐ支援を行っています。
 私自身、この事業については、埼玉県が全国初めての取組ということで、高く評価をしています。この取組が評価をされて、平成27年度からは生活困窮者自立支援法の事業として、対象者を生活困窮世帯の子供にまで拡大して、今では全国で実施されています。
 本県での事業成果としては、学習支援事業を始める前の生活保護世帯の高校進学率が86.9%であったものが、平成29年度では98.2%ということでございまして、11.3ポイントも向上しています。また、参加者の数も、平成29年度では中学生1,651人、高校生が442人と年々拡大しています。そして更に平成30年度から小学生を対象とした学習や生活支援、体験活動、食事の提供などを行うジュニア・アスポート事業を県内7市町6教室でモデル的に実施しています。
 貧困によって、小学生のときから学力や頑張る力、また、創意工夫をする力など、生きていく上で必要な力である非認知能力の格差が生じているとの民間の調査結果もあり、より早い段階から支援を行うことが重要であると思います。そのことで誰もが自分の可能性を広げ、活躍できるようにとの考えから実施に至ったと聞いております。
 そこで、知事に伺います。
 このモデル事業が始まって8か月が経過いたしました。現時点ではどのような成果が生じているか伺います。

◎上田知事 
 生活保護の子供たちの4分の1がまた生活保護になるという、この負の連鎖を断ち切ろうということでアスポート事業を始めました。小学生までに拡大しようということで、今のところ、6か所のモデル教室に通っている82名の子供たちの状況報告を受けております。
 子供たちが宿題やお手伝いなど前向きに取り組むようになっている、また、保護者もそれを見て変わってきていると。保護者の中には、家事や子育てに積極的になるだけではなくて、意欲的に就職活動に取り組み始めた事例が生じていると。更に地域にも変化の兆しが出て、食材も農家や農協から提供を受けたり、食事づくりにはシニアがボランティアで活躍するなど幅広く活動が展開していくというふうに思っております。
 私も、宮代・杉戸のモデル教室に行ってまいりましたが、今、地域社会で失われつつあるきずなみたいなものがこうした活動の中で復活していく可能性もこの中にはあるのではないかというふうに思っているところでございます。
 これから、このモデルを踏まえて、しっかり大きく広げていきたいと思っています。

◆木村勇夫委員 
 今、知事の方から、これからまた大きく広げていくという御答弁もございましたけれども、私も大変有意義な事業だと感じています。そして、早く全県展開を図っていくべきだと考えています。県内にこれからどのように広げていくのか、伺います。

◎上田知事 
 まずモデル事業の検証を行うために、7市町で確実に実施しているところでございます。本来の実施主体の市の負担を軽減しなくてはいけないのではないかということで、事業を推進する上で市の負担が少しでも減るようにということで、平成31年度からは小学生向け学習、生活支援教室を新設する市には財政支援をしようということを考えております。また、県がコーディネーターを派遣して、教室の立ち上げなどしっかり支援をしたいと考えております。
 町村部は、生活困窮者支援の制度上、県が実施主体になりますので、直接、計画的に教室の設置を進めていきたいと考えております。

◆木村勇夫委員 
 これは最後の質問ですけれども、この事業、先ほど全県展開をして、財政支援もしながらというお話でございましたけれども、いつまでに知事の方は全県に普及させたいと思っているのか、お伺いいたします。

◎上田知事 
 中学、高校の経験もございますので、一定の見通しを立てております。平成33年度までの3年間で全県に展開できるようにしたい、このように考えております。
 渋沢栄一翁がこのように言っておられるのが非常に印象に残っております。国家の富が増すほど貧民が多くなることは、実験上も事実だと、もう既に明治の時代にそうしたことを言っておられます。そして、この困難の人をして、よくそのところを得せしめるのがすなわち王道であって、同時に世の富豪家の鑑むべきことであると。困難な人たちをきちっと救っていく、あるいはチャンスをしっかりつくれるようにしていくということが世の中の大事だというふうに言っておられます。さらに、防貧の第一要義として、貧民救済は人道上のためだけではなく、経済上、政治上からも必要であると。単に人道上の問題ではなくて、しっかり経済、政治上からもこれを展開すべきだという、こういう考え方を述べておられますので、我が埼玉県の偉人であります渋沢栄一翁の精神もしっかり生かしながら取り組んでいきたいと思っております。

◆木村勇夫委員 
 是非このジュニア・アスポート事業の取組が貧困の連鎖を断ち切る成果につなげていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

〇オリンピック・パラリンピックの事前トレーニングキャンプ誘致について

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック共に近づいてきました。先日は、桐生選手が100メートルで日本人初の9秒台をマーク、また課題のあった費用の問題やゴルフ会場の問題も解決したようでございます。これから本番に向けて、県民挙げて前に進みたいと思います。これからは、正に機運醸成に向けての取組が重要になると思います。その機運醸成に向けては、事前トレーニングのキャンプ誘致と都市ボランティアの育成が重要だと考えます。
特に、事前トレーニングのキャンプ誘致は、誘致した自治体の知名度アップや国際交流の推進につながる効果が期待できます。今後、東京に隣接し、スポーツ施設が大変充実している埼玉の優位性を生かし、積極的に誘致活動をするべきだと考えます。
お聞きするところでは、事前トレーニングのキャンプ誘致については、今年6月に新座市とブラジルで覚書を締結、寄居町とブータン、さいたま市とオランダを含め、現在3件で覚書が締結済みということでございます。ブータンの陸上選手が寄居町で大歓迎を受けたり、ブラジルのテコンドーチームが新座市の小学校を訪問するなど、既に交流が始まっているともお聞きしております。こうした交流によって、県民がオリ・パラを身近に感じることができるようになり、機運醸成にも寄与するものと思います。また、その交流は大会後も続くと期待され、経済効果も期待できるものと考えます。このように、キャンプ誘致は機運醸成を盛り上げるためにも大変有効だと考えますが、現状ではまだ少ないのではないかと感じています。そこで、以下、知事にお伺いいたします。
まず、今後の働き掛けについてでございます。
誘致件数を増やすために、各国大使館や競技団体にもっと積極的に働き掛けていくべきだと考えますが、今後どのように各国に働き掛けていくのか伺います。また、県が目標とする誘致数はあるのか伺います。
次に、市町村に対する支援についてでございます。
誘致するためには、市町村の動きが鍵になります。誘致することで市町村にはどのようなメリットがあるのか、また市町村が勧誘活動を行うに当たり、県としてどのような支援を行っていくのか伺います。

A 上田清司 知事
「オリンピック・パラリンピックの事前トレーニングキャンプ誘致について」の各国にどのように働きを掛けていくのかについてでございます。
本県は東京オリンピック・パラリンピックの選手村に近く、高速道路や鉄道といった交通網が発達しておりますので、そういう意味での高い優位性があると判断をしています。
また、陸上競技場や体育館など優れたスポーツ施設も多く立地するなど、事前トレーニングキャンプ地に適した条件を整えております。
こうした本県の強みをアピールするために、平成292月に中南米5か国、8月にアセアン6か国の大使をお招きして施設を御覧いただきました。
また、その後のレセプションに、私をはじめ誘致を希望している市長、町長が出席し、各国大使にトップセールスを行っていただきました。
このように積極的な誘致活動を行った結果、これまで21か国が県内を視察し、ブラジルやオランダなどの事前キャンプ地の決定につながっております。
このほかにもヨーロッパや中南米の諸国などから事前キャンプを行いたいとの申入れがあり、現在、積極的に交渉を続けているところです。
本年5月に実施した市町村の意向調査では、26市町が「誘致したい」、5市町が「前向きに検討したい」という意向を持っておられました。
今後とも、各国大使やオリンピック関係者への働き掛けを更に強めて、民間や個人の人脈なども駆使しながら、あらゆる機会を捉えて誘致活動を行ってまいります。
次に、目標とする誘致の数ですが、希望する市町が26ですので、最大は26ということになるかもしれませんが、相手の国もあることですのでそれはなかなか困難だということになります。
では、仮に目標を10としますと、残り16は外れてしまうということになりますので、目標についてはできるだけ多く、このことを意識して頑張っておりますので、数については御理解を賜りたいというふうに思います。
次に、誘致による市町村のメリットについてでございますが、まず、事前キャンプの実施が決定されますと、その時点から相手国との様々な交流がスタートします。
議員も御紹介されましたように、寄居町ではブータンの陸上代表選手がホームステイをしながら、小学校の授業で子供たちにブータンの言葉とか文化、習慣などを教えておられます。
また、新座市ではブラジルのテコンドーチームが合宿を行って、市内の小学生から手作りの金メダルを受け取るなど心の温まる交流を行っております。
こうした世界のトップアスリートと直接触れ合う経験は、子供たちにとってかけがえのない財産になる、このように思っております。
また、大会本番では、市民が一丸となって応援したり、選手の家族をホームステイで温かく迎え入れることで、地域の一体感が高まります。
さらに、大会後も長く交流を継続することで、外国からの観光客の増加や地域の活性化にもつながるものと考えます。
事前キャンプの実施は市町村とその住民にとって有形・無形の貴重な財産となり、将来にわたって大きなメリットを生み出すものと考えております。
次に、県としてどのように市町村の誘致活動を支援していくのかでございます。
市町村は自治体間の国際交流に強いものの、国レベルのスポーツ団体とのつながりが薄く、また条件交渉などの経験に乏しい面もございます。
一方、県にはこれまで培ったノウハウや人脈もあり、各国の競技団体や個人的なつながりを介して、各国の動向を幅広く把握することもできます。
そこで、県としては各国のニーズをタイムリーに収集して市町村に提供したり、市町村の強みを各国にアピールするなどの支援を行っております。
また、交渉が具体的に進めば、費用負担などの受入条件や協定書の締結について、市町村と一体となって相手国との交渉に当たっていきます。
今後とも、県内の事前キャンプ誘致が一つでも多く実現できるよう、市町村を積極的に支援してまいります。

〇埼玉県立高校の応援団に出番を

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
今年の夏の甲子園では、花咲徳栄が見事、全国制覇、埼玉県民の悲願であった夏の大会に優勝、真紅の大優勝旗が埼玉にやってきました。心からお喜びを申し上げます。おめでとうございます。優勝という結果はもとより、選手のはつらつとしたプレー、スタンド一体となった応援に多くの県民は感動をいただきました。
言うまでもなく、甲子園の名物は野球とともに地域色豊かな応援であります。花咲徳栄のグラウンドとスタンドが一体となった応援はすばらしいものがありました。野球で全国制覇を成し遂げましたが、実は埼玉県には全国的に見ても珍しい応援団文化が存在します。それは、埼玉県立高校で連盟が結成されている六校応援団で、その連盟には春日部高校、浦和高校、川越高校、熊谷高校、不動岡高校、松山高校の6校が参加しています。
私が初めてこの六校応援団の演舞を見たのは、平成20年度全国高等学校総合体育大会の開会式のセレモニーでした。そこで六校応援団が埼玉県歌を演じたのを見て、そのすばらしさに感動しました。なぜ、それほどまでに私が魅かれたかというと、実は私自身、高校時代、他県の高校応援部で鍛えていただいたからでございます。埼玉県の応援団のレベルの高さに驚きました。ここまでしっかりと鍛え上げられた高校生応援団は全国的に見ても稀有な存在で、東京六大学の応援団にも引けを取らないと思います。そもそも、県立高校応援団の連盟があること自体が珍しいと思います。彼らをもっと県民に知ってもらい、埼玉県を盛り上げてもらいたいという思いで質問いたします。
お聞きするところでは、応援団は日々練習に励みながらも、基本的には他の部活動の応援といった縁の下の力持ち的な役割が多く、なかなか日の目を見ない存在のようです。大きなステージは野球の応援、また正式なステージは例年行われる「日輪の下に」という六校応援団連盟演技発表会ということでございます。最近では、地域のイベントにもお声がかかっているようですが、彼らの出番をもっと増やすことはできないでしょうか。彼らは見るだけで元気とパワーをもらえる存在でございます。
そこで、教育長にお伺いいたします。
以上のように、埼玉県には全国に誇るべき応援団文化があります。教育長は、この埼玉県の応援団文化について御存じでしょうか。また、御存じであれば、どう評価しているか伺います。
次に、最近は地域のイベントにも声がかかっているようですが、まだまだ活躍の場は限定されています。県民にもっとこの応援団のことを知ってもらいたいと思います。全国でも珍しく、優れたこの埼玉県の六校応援団にもっと地域での活躍の場を増やし、PRをしていただけないか伺います。
最後に、ラグビーワールドカップ、オリ・パラは最高の舞台だと思います。ワールドカップ、オリ・パラに絡む各種イベントでも、彼ら六校応援団の出番をつくってもらいたいと考えますが、教育長の御見解を伺います。

A 小松弥生 教育長
まず、「埼玉県の応援団文化について知っているか。また、どう評価しているかについて」でございます。
県立高校6校の応援団が、校内や地域の行事で活躍していることや、40年以上にわたって、「日輪の下に」という発表会で演舞を披露していることは承知をしております。
私は、映像で6校の応援団の姿を見ましたが、団長を中心に統制のとれた演舞と、迫力ある太鼓の音に大変力強さを感じたところでございます。
応援団の生徒が一生懸命活動に打ち込むことは、精神力を高め、人間性を豊かにする点において、大切な教育活動の一つであると考えております。
次に、「埼玉県の六校応援団に、もっと地域での活躍の場を増やし、PRすることについて」でございます。
高校生の活躍を地域に発信することは、大変意義があると思います。
これまでも6校の応援団は、地域の祭りや行事などにおいて、演舞を披露し好評を得ております。
今後も、応援団の活動を学校の特色の一つとして、機会をとらえてPRをしてまいります。
次に、「ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックに絡む各種イベントに六校応援団の出番をつくることについて」でございます。
議員お話の各種イベントに、高校生が参加することは、大変意義のあることと考えております。
6校の応援団が来県する選手に熱いエールを送り、観光客の皆様に元気を届けられるよう、イベントへの参加につきましては、担当部局と調整をしてまいります。

〇埼玉の伝統の食文化を観光資源に

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックに向けて観光分野が注目されています。外国人も含め、観光客が一気に増えることが予想され、私自身も観光分野に注目している一人であります。観光地というイメージが薄い埼玉県、観光客数は多いものの、1人当たりの観光消費額は全国で40位前後と低迷しています。また、埼玉観光の特徴は日帰り客が多いこと、観光客に対する日帰り客数の割合は98.8パーセントとなっており、これまた全国最低ラインに位置しています。観光消費額が少ない中で売上げを増やすためには、日帰り客のリピーターを増やす必要があると考えます。そのためには、食、食べ物が重要であります。見るところも重要ですが、食べ物もかなり重要だと考えます。
そこで、埼玉の伝統の食文化を観光資源にという観点で質問させていただきます。
まず、埼玉のうどんについてでございます。
埼玉のうどんの生産量は香川に次いで全国2位、小麦の収穫量は全国5位、また麦翁と呼ばれるようになった権田愛三氏は熊谷市の出身であり、正に埼玉県は国産麦の聖地でもあります。また、県内全域のそれぞれの地域に、それぞれのうどん文化が根付いており、全国的に見ても大変珍しい県であります。
こうした中、今年111819日に熊谷市で全国ご当地うどんサミットが開催されることになりました。来場者数は2日間で10万人を目標としているとのことです。今後3年間は熊谷で開催されるとのこと、大変おもしろい取組だと評価をしております。
まず、このイベントについてお伺いいたします。
この全国ご当地うどんサミットに対する評価と、イベントにおける県の役割について産業労働部長にお伺いいたします。
実は、私はうどん県香川の出身でありまして、離乳食からうどんを食べるくらいうどんに親しんでまいりました。そんな私から見ても、埼玉のうどんはおいしいし、文化の面から見ても地域性があり、おもしろいと思います。うどん県でブレイクしている香川県ですが、このブームの発祥は約30年前、そのきっかけとなったのは地元のタウン誌が出した「恐るべきさぬきうどん」という本でした。この本で地元の人しか行かなかった製麺所やセルフのお店などを紹介し、地元の人にとっては普通のことと思っていたそのディープなお店が県外の人から見たら珍しく、おもしろいものなのだと認知するきっかけとなり、観光資源に変わっていきました。
埼玉県には、県内全域にうどん文化が存在し、地域に根付いています。それらは十分、観光資源の起爆剤になり、大化けする可能性があると思います。それには、おもしろいストーリー展開への仕掛けが必要と考えます。これらをトータルでコーディネートして情報発信していくのが県の役割だと考えますが、うどんサミットをきっかけとして今後、埼玉県のうどん文化を食の観光資源として埼玉観光にどのようにつなげていくのか、産業労働部長に伺います。
次に、埼玉県名産のウナギのPRについてお伺いいたします。
ウナギのかば焼きの発祥地として、浦和は全国に知られています。さいたま市では毎年、うなぎまつりを開催し、私も毎年のように参加させていただいております。市庁舎の耐震工事と重なり、今年は県庁の駐車場でこのうなぎまつりが開催されました。そのときに、ウナギ業者の人から「ウナギはさいたま市だけのものではない。埼玉県全体で取り組み、もっとPRしてもいいのではないか」との御意見をいただきました。もっともだと思います。川の国埼玉県では、県内全域にウナギの名所がございます。今行われているうなぎまつりを県が主体となって全県展開し、伝統ある埼玉のウナギをPRして、埼玉のうどんと同様に観光につなげる取組をしてはどうかと考えますが、産業労働部長の御見解を伺います。

A 渡辺 産業労働部長
まず、うどんサミットについての評価と県の役割についてでございます。
今年11月に熊谷市で開催される「全国ご当地うどんサミット」は、日本各地から魅力あるうどんが一堂に集結し来場者の投票によりグランプリを決める全国最大級のイベントです。
地元熊谷市をはじめ、商工会議所、商工会、観光協会と県などで構成する実行委員会が開催するものです。
今回は、30店舗が出店し、本県からは、地元の熊谷うどん、加須うどん、深谷の煮ぼうとう、所沢の肉汁うどんの4店舗が出店予定です。
「うどんサミット」の開催は、埼玉の豊かなうどん文化を全国に発信するとともに、来場者に県内観光を楽しんでもらえる絶好の機会であると評価しております。
また、県は、県産品の販路拡大を図るとともに観光情報を発信し、本県への観光客の来訪を増やす役割を担っております。
さらに、熊谷スポーツ文化公園は「ラグビーワールドカップ2019」の会場です。
「うどんサミット」を契機として、「ラグビーワールドカップ」の開催機運も盛り上げてまいります。
次に、埼玉県のうどん文化を観光にどうつなげていくかについてでございます。
議員お話のように、本県は各地域に様々なうどん文化が根付いております。
今回のサミットをきっかけとして、県内各地のうどんのおいしさを多くの方に知ってもらい、うどんと周辺観光を組み合わせた周遊コースをPRしてまいります。
最後に、「うなぎまつり」の展開についてでございます。
河川や沼地などが多い本県には、浦和をはじめ県内各地にうなぎの老舗有名店が数多く存在します。
中でも、浦和のうなぎは、江戸時代から続く伝統の味として、さいたま市の伝統産業として指定されています。
議員お話の「うなぎまつり」は、浦和の名物であるうなぎをPRするため、地元の実行委員会が中心となってこれまで16回にも渡り開催されてまいりました。
一般的に、浦和はうなぎの街として定着しており、「うなぎまつり」も地元浦和のお祭りとして開催されることが望ましいと思います。
一方、本県は、県土に占める河川の割合が日本一の県であり、そこから連想されるうなぎは、有力な食の観光資源であります。
現在、県が認定するご当地グルメブランド「埼玉S級グルメ」100店の中で、県内全域からうなぎ店を20店認定し、周辺観光と合わせたPRを行っているところです。
県といたしましては、今後とも様々な機会をとらえ、県内各地のうなぎのPRを積極的に行い、本県への観光客などの誘客につなげてまいります。

〇腸管出血性大腸菌O-157について

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
新聞報道等によりますと、県内で腸管出血性大腸菌O-157の感染者が例年になく増えているようでございます。平成28年次には埼玉県内で174件であったO-157等の感染者が今年は910日現在で既に209件、今後もっと増える可能性があるということです。O-157はベロ毒素を産生する大腸菌で、牛などの腸内に一般的に存在します。病原性や感染力が強い菌であり、少量の菌で発症するほか、食品への二次感染だけでなく、トイレなどを介して同居家族などに感染させることもあるようです。主な症状は、下痢、血便や激しい腹痛、特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者は重篤となり、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす場合があり、食中毒の中で一番重篤なものであります。
そんな中、今年8月、埼玉県、群馬県でO-157が集団発生し、埼玉県内では13名の患者が出て、その中には5歳の女の子が重篤な症状に陥り、また前橋市でも11名の患者が出て、3歳の女の子が亡くなるという大変悲しい事件が起こってしまいました。亡くなられた方、被害に遭われた方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
日本の食は安全という安心感があった中で、今回の事件が起こってしまいました。いろんなところから、特に小さな子供を持つ家庭や高齢者から不安の声が上がっています。今回の事件は、ただ「たまたま運が悪かった」では済まされない事件であります。今回の事件は防ぐことができなかったのか、また今後このような事故が二度と起きることがないようにとの思いで、以下、保健医療部長に質問させていただきます。
まず、今回の事件の原因についてであります。まずは、原因の究明が第一だと考えますが、県の御見解を伺います。
2点目、このO-157の発生について、今年は昨年の倍の発生ということですが、その原因をどう分析しているのか伺います。
3点目は、この事件による風評被害についてであります。この事件を受けて、県内のいろんなところで風評被害が出ることを懸念しております。現在、県内では風評被害が出ているのかどうか、また風評被害が出た場合、それらの風評被害への対応について伺います。
最後に、このような悲惨な事件が二度と起きないためにも、再発防止策は喫緊の課題だと思います。県は今後、再発防止に向けて食品の安全の徹底に関してどのように対応していくのか伺います。

A 本多麻夫 保健医療部長
まず、「原因の究明について」でございます。
今回の一連の事件では、死亡事例も発生しており、迅速に原因を究明し、適切な対応を行うことで、県民の不安を解消することが重要であると認識しております。
県では、今回、814日に患者の発生届を受け、患者への聞き取り調査を進め、87日と8日に県内惣菜店で販売されたポテトサラダが原因であることを突き止め、821日に当該店を処分いたしました。
ポテトサラダの温度管理などに不備があり、O157がサラダ内で増えてしまったことが、今回の本県におけるO157集団感染の原因だと考えております。
今回のポテトサラダの製造工程において、少量のO157の混入があったとしても、加工、運搬、販売の過程において温度管理など悪条件が重り、ある程度以上の菌の増殖が起こらなければ、今回のような集団感染や重症患者の発生までには至らなかったと考えております。
一方、前橋市の事例につきましては、当該店舗の食品の衛生管理に問題があり、加熱後の食品に菌が付着し増殖してしまったことが原因であると伺っております。
次に「腸管出血性大腸菌O157の発生状況について」でございます。
過去5年間の1月から9月末までのO157患者届出数は、例年70人から100人の間で推移をしております。 
本年は、924日時点で145人と、例年よりも多くなっています。
一方、過去には、平成26年に県内保育園において50人規模の集団食中毒が発生いたしました。
平成26年同時期のO157届出数は、214人と今年以上に多くなっています。
本年は平成26年と同様、一定規模以上の集団感染が起こった結果、報告数が多くなり、夏場の施設などにおける食品の取扱い、特に温度管理や食材の消毒・洗浄などが原因として大きく影響したと考えられます。
次に「風評被害について」でございます。
今回の事件を受け、保健所がスーパーなどへの立入調査を行う中で、惣菜などの一時的な売上げ減少があったとの情報もございましたが、その後は、風評被害が出ているという事実は特に確認しておりません。
風評被害を防ぐには、原因を早期に究明し、原因食品の流通を止めるとともに、県民に、わかり易い情報を積極的に提供することが重要です。
万一風評被害が生じた場合には、こうした対応を迅速に行い、県民の不安解消に努めてまいります。
次に「再発防止に向けた対応について」でございます。
これまでは、O157による食中毒の発生事例が多い焼肉店など、また平成26年の県内保育園事件に代表される、発生リスクの高い給食施設などを対象として、重点的に監視を行ってまいりました。
今回の事件では、惣菜売場の温度管理が原因であったことから、スーパーなどの販売店まで範囲を広げ、食材の温度管理や器具を衛生的に取り扱うよう改めて指導を行っているところです。 
今回の教訓を踏まえまして、県内食品等事業者に対する監視指導と消費者への普及啓発を徹底し、O157による重大な健康被害が再び生じることのないよう再発防止に努めてまいります。

〇医療的ケアを必要とする障害児(医療的ケア児)及び保護者の負担軽減について

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
医療的ケア児とは、口・鼻腔などの吸引、胃ろう、経鼻などの経管栄養、導尿、酸素療法、人工呼吸器管理など日常で医療的援助が必要な障害児のことです。厚生労働省の調査によると、19歳以下の医療的ケア児は全国で約17,000人で、10年前の1.8倍と増加傾向にあります。子供本人はもとより、その子供をケアする保護者の負担も相当なものがございます。
ここ最近、テレビ・新聞等でこの医療的ケア児を扱う番組、記事が増えてきました。私たちの会派でも、子供のケアをしている保護者の方からいろいろと御意見を聞かせていただきました。それらを踏まえて、以下、質問させていただきます。
まず、医療的ケア児の保護者の負担軽減についてお伺いをいたします。
家族のケアは24時間欠かせず、片時もそばを離れられないほか、夜中もたびたび起きてたんの吸引をするなど、保護者には相当な負担がかかっています。また、保護者自身が病気になっても子供を置いて家を出るわけにもいかず、医療機関を受診することさえも困難な状況がございます。超重症児の保護者の場合は、レスパイト事業を活用できますが、超重症児以外の医療的ケア児の保護者はレスパイト事業の対象となっていません。また、放課後デイサービスやショートサービスの利用も限られております。
そこでお伺いいたします。子供の健康を維持するためには、ケアする保護者の健康も大事であります。レスパイト事業の拡充、保護者に対する往診制度への支援、ホームヘルパーの家事利用、未就学児を受け入れる通園施設の整備など、様々な社会資源を活用し、医療的ケアを必要とする子供たちの保護者の負担軽減に対してはスピード感を持った対応が必要だと考えますが、知事の御見解を伺います。
次に、県立特別支援学校における医療的ケア児の教育環境改善について教育長にお伺いいたします。
まず、学校の通学区域についてでございます。
肢体不自由児が通学できる学校は少なく、送迎時、車中でのたんの吸引など、危険を伴いながら長距離の通学を余儀なくされている状況があり、保護者からは距離の近い学校に通学したいとの声をお聞きしております。保護者からのこうした要望については、状況をしっかり把握し、柔軟な対応が必要であると考えますが、教育長の御見解を伺います。
次に、医療的ケア実施ガイドラインのケア範囲の拡大について伺います。
県で定めている医療的ケア実施ガイドラインは、子供のケアについて学校現場で何ができるのかを示すものです。人工呼吸器管理が必要な子供のケアについては、今の学校現場では保護者対応を原則としており、保護者は教室内で在校中の全時間を待機して対応する必要に迫られています。現状では、保護者が行うことになっている人工呼吸器管理が必要な子供のたんの吸引や栄養注入については、看護教員などによる対応が可能であると考えます。
そこでお伺いいたします。医療的ケア実施ガイドラインが定めるケア範囲の拡大について、もっと現場で苦労している保護者の生の意見などを取り入れ、安全を最重視しながらも柔軟な考えでケア範囲を拡大するべきだと考えますが、教育長の御見解を伺います。

A 上田清司 知事
医療的ケア児の保護者の負担軽減についてでございます。
常時在宅で、不眠不休で介護しておられます御家族の負担が大変重いものだということはよく認識しております。
長時間の介護を行う御家族の負担を軽減するための支援を充実させることが極めて重要ですが、現時点では対応する国の制度が追い付いていないという事実もございます。
例えば、障害児通所施設において、医療的ケアを必要とする障害児を受け入れるためには看護師の配置が必要となりますが、国の定める報酬単価が低いことから事実上、配置ができないということも起こっています。
このため、報酬単価の見直しを求めていたところですが、ようやく国も報酬単価を増額する方針を固め、具体的な内容の検討を始めました。
今後も、御家族の負担軽減のために、通所施設の整備費の補助の充実など必要なものについて、きちっと国に要望を突きつけていきたいと思っております。
また、県では市町村と共同で毎日在宅で障害児を介護している御家族に一時的に休息していただくレスパイト事業を実施しております。
この事業は施設での障害児の受け入れを促進させるため、県と市町村が基本の報酬に上乗せをして施設に補助しているものでございます。
対象は現在のところ、議員のお話のとおり、重度の肢体不自由と知的障害があり、医療的ケアを必要とする障害児に限られております。
現行のレスパイト事業の対象になっていない医療的ケアを必要とする障害児の御家族の負担も重いものだと思っております。
このため、早急に受入施設や市町村からの意見も聞いて、事業の対象者の拡大ができるように努めていきたい、このように考えております。

A 小松弥生 教育長
まず、「学校の通学区域」についてでございます。県立特別支援学校では、障害の種別ごとに通学区域を定めており、原則は学区内の学校に通学することになります。
しかしながら、定期的な通院や緊急時の対応など、相当の理由がある場合には、学区外の学校への通学が可能でございます。
議員お話のとおり、医療的ケアの必要な児童生徒は、特に通学やケアの面での保護者の御負担が大きいものと認識をしております。
学校の指定にあたっては、保護者の要望や個々の事情を十分に把握した上で、より一層丁寧に対応してまいります。
次に、「医療的ケア実施ガイドラインのケア範囲の拡大」についてでございます。
現在、県立特別支援学校には、人工呼吸器管理が必要な児童生徒7名が通学をしており、人工呼吸器の管理については、緊急時の対応など安全性の面から、保護者に教室内での待機をお願いしております。
また、痰の吸引や経管栄養など、必要な医療的ケアについても、原則として保護者に実施をしていただいている状況でございます。
保護者にとって登校から下校までの付き添いは、非常に大きな御負担となっているものと認識しております。
こうした状況の改善に向け、平成28年度、人工呼吸器管理が必要な児童生徒のケアについて、保護者以外による実施の可能性を、専門医や校長等からなる医療的ケア運営協議会で検討いたしました。
その結果、人工呼吸器の管理は生命に直結するため、現状の体制では特別支援学校の看護教員が実施することは難しいとの判断に至りました。
一方、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアについては、健康状態が安定し継続して登校できている等の条件が整えば、個別に判断の上、看護教員が行う方向で進めております。
今後も、安全性に配慮しながら、保護者の負担軽減が少しでも図られるよう、他県の先進事例も参考にして検討してまいります。

〇部落差別解消推進法制定をふまえて

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
昨年129日に、与野党を超えた議員立法で提出された部落差別の解消の推進に関する法律、部落差別解消推進法が参議院本会議で可決され、1216日に公布されました。第1条の目的では、現在もなお部落差別が存在するとの認識を示した上で、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とすると、その目的を明確に示しました。国の特別対策であった地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律が2002年に失効して以降、同和問題の解決を直接うたった法律がない時代が15年間続いてきた中で、今回改めて同和問題解決のために法律、それも部落差別解消という問題をストレートに表現した法律が恒久法としてできたことは、問題解決にとって極めて大きな意義を有する出来事であります。今後、この部落差別解消推進法制定の意義を踏まえ、県においても解消法の積極的活用をするべきだと考え、以下5点、お伺いいたします。
1点目、この部落差別解消法の制定を踏まえ、上田知事のこの法律に対する基本認識と御見解を伺います。
2点目、この法律の県民への周知について積極的な取組を進めるべきと考えますが、知事の御見解を伺います。
3点目、学校教育においての部落問題学習について、今後の取組に当たっての基本的見解を教育長に伺います。
4点目、部落差別に係る実態調査に関しては、国への協力を含めて積極的に取り組むべきと考えます。また、今回の法律を踏まえ、県民の人権意識調査を実施するべきと考えますが、県民生活部長の御見解を伺います。
5点目、インターネット上の部落差別情報の掲載については、規制する法律がありません。差別情報を削除するためのモニタリング事業を始めるべきと考えますが、県民生活部長の御見解を伺います。

A 上田清司 知事
この法律に対する基本的な認識と見解についてでございます。
全ての人間は生まれながらに自由かつ平等に生きる権利を有しております。
しかし、人権はもともと認められたものではなく、人類の長い歴史の中で、人々が命を懸け、苦しみを乗り越えて獲得した尊いものでもございます。
また、私たち自身が不断の努力でそれを守り続けていかなければならないものだというふうに認識しております。
こうした中、あえて「部落差別」という言葉を使い、その解消を図る法律ができたことは大変意義深いことであり、県政をあずかる私としても一つの決意を持って臨む必要があると考えております。
ともすれば、「部落差別」という言葉を使わずにぼかしていた部分を、あえて今回、このようにはっきりと出しているところに政府にとってもその意識が強くにじみ出ているものだというふうに私は認識しております。
現在でも情報化の進展に伴ってインターネットに全国の被差別部落の一覧が掲載されるといったような事案とか、部落を対象にして差別的な書き込みなどをする事案もございます。
インターネットの匿名性を利用した非常に悪質な行為であり、大変卑劣なものであり人権上も決して許されないものであると思います。
「己の欲せざる所は、人に施す勿れ」ということわざのとおり、自分がされて嫌なことは、他人にもしないことが大事だと思います。
この法律に基づいて部落差別の解消に向けて、人権教育・啓発活動を一層推進してまいります。
次に、この法律の県民への周知についてでございます。
部落差別を解消するには、まず何と言っても学校教育の中でしっかりと部落差別問題を取り上げ、正しい意味を教える必要があります。
そして、県民一人一人にはこの法律の制定された背景や趣旨を十分理解していただくことが重要です。
そのため県ではこの法律の施行後、県民にいち早く知らせるため県のホームページや啓発冊子に法律の趣旨などを掲載させていただきました。
また、県内の経済団体にも直接訪問し会員企業への周知や研修の実施などの要請を行うとともに、今年度の県の人権担当者研修会は同和問題をテーマとして開催いたしました。
さらに、同和問題の正しい理解の普及を図るため、人権同和問題啓発講師を年間140回以上派遣しております。
広くこの法律の趣旨を浸透させるためには、繰り返し、繰り返し啓発することが大切であります。今後も引き続き学校現場をはじめ、地域社会、家庭に対する積極的な周知を徹底していきたいと考えております。 

A 小松弥生 教育長
部落問題をはじめ、あらゆる差別や偏見は、決して許されないことであり、人権を尊重し合える社会を築くためには、教育の果たす役割は極めて大きいと考えております。
県では、いわゆる「部落差別解消推進法」の施行に伴い、各市町村教育委員会教育長や各公立学校長などに対して、この法律を踏まえた適切な対応について、周知をいたしました。
また、「埼玉県人権教育実施方針」の中で、人権課題の一つとして同和問題を位置付けており、児童生徒が部落差別を正しく認識し、差別をなくしていこうとする態度を育成しております。
今後も、県で作成した指導資料を活用して、児童生徒の発達段階に応じて部落問題に関する理解を深めさせてまいります。
さらに、県が開発した児童生徒の人権感覚を育てるためのプログラムについて、日々の学習の中で活用できるよう、教員研修を積極的に行ってまいります。
こうした取組を通して、児童生徒が部落差別をはじめ全ての差別や偏見のない社会を創っていけるよう、人権教育を進めてまいります。

A 稲葉尚子 県民生活部長
国の部落差別に係る実態調査への積極的な協力、県民への人権意識調査の実施についてでございます。
国が実施する実態調査についてですが、この部落差別解消推進法では、「国が地方公共団体の協力を得て行う」こととなっています。
国に確認したところ、「現在、有識者会議を設置し、調査の内容や手法について検討している」とのことでした。
県といたしましては、今後、国からの依頼などを踏まえ、国が実施する調査にしっかりと協力をしてまいります。
また、議員お話しの県独自の人権意識調査の実施につきましては、国の実態調査の内容を踏まえ、その必要性を検討してまいります。
次に、インターネットのモニタリング事業についてでございます。
県がインターネットのモニタリングを行う場合、インターネットの特質上、その監視する対象は全国に、更にプロバイダ等の管理者にいたっては海外に及ぶことも考えられます。
そのため、モニタリングは国において一元的に取り組むことが最も効果的であることから、国に対してその実施を要望してまいります。
なお、人権侵害の情報が県に寄せられた場合には、国の人権擁護機関である法務局と連携して対応してまいります。

〇マンションに関する諸問題について

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
今や、マンションはついの住みかとなりました。直近の埼玉県の把握するデータでは、県内の総住宅数3266,300戸のうち分譲マンション戸数は43858戸で、マンション化率は約13.2パーセント、つまり8戸に1戸の割合で県民は分譲マンションで暮らしているということになります。分譲マンションも今では老朽化が進み、建物の老いと居住者の老いの2つの老いの問題を抱え、また最近では戸建てと同じようにマンションの空き室問題も顕在化してきております。
埼玉県では、平成22年度に国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金約7,800万円を使い、埼玉県分譲マンション実態調査を実施しました。この調査は、県内の既存分譲マンションにおける課題解決に向けた施策を展開するための基礎資料とすることを目的としたもので、この取組で県内の分譲マンションの様々な問題が浮き彫りになりました。この調査で特に問題となったものは、区分所有者の高齢化、管理組合活動に無関心な区分所有者の増加、修繕積立金の不足などでありましたが、総合すると管理組合運営における将来への不安に集約できるようです。今もこのデータが本県のマンション行政のベースとなっており、当時の実施を高く評価いたします。しかし、調査が実施されてからもう既に7年が経過、このようなデータベースとなるものについては、定期的に調査を実施していくことにより新たに見えてくることも多いと思います。そういう意味で、そろそろ再調査をするべき時期が近づいたと考えます。
そこで、都市整備部長にお伺いいたします。
まず、この平成22年度に実施した埼玉県分譲マンション実態調査に対する県の評価を伺います。
次に、時期的にもそろそろ再調査をやるべき時期が近づいてきていると考えますが、埼玉県分譲マンション実態調査の再調査について御見解を伺います。
最後に、今後の管理組合の適正な運営についてお伺いいたします。
マンションが老朽化しても、現実問題として建替えは大変困難です。いかにうまく現状を継続していくかが課題だと考えます。また、戸建てと同様にマンションにおいても空き室問題が表面化してきています。その状況の中で、最も重要になってくるのは管理組合の適正な運営でございます。今後のマンション問題についての大きな課題は、管理組合運営における将来への不安であります。それらを踏まえ、今後分譲マンションの管理組合をどのように機能させていくのか、県としての取組について都市整備部長にお伺いいたします。

A 野川達哉 都市整備部長
まず、平成22年度に実施した「埼玉県分譲マンション実態調査」に対する評価についてでございます。
この調査は、県内の全ての管理組合を対象に実施し、約3分の1の組合が「今後の適正管理」に不安を感じているなど様々な課題が明らかになりました。
この調査結果を踏まえ、平成23年度から管理組合にマンション管理の専門家を派遣する事業を始めるとともに、平成263月に、「埼玉県分譲マンションの管理の適正化の推進に係る基本的な方針」を策定いたしました。
現在、この方針に基づき、県、市町村による行政連絡会議の設置、専門家やNPOなどを活用した相談体制の強化など様々な取組を行っております。
このようなことから、平成22年度の調査は非常に有益なものであったと認識しております。
次に、「埼玉県分譲マンション実態調査」の再調査についてでございます。
県では、平成26年度から3年間にわたり、築30年以上経過した分譲マンションの約2割に当たる363組合を対象に、アンケート調査を実施しております。
その結果は、「マンション管理に無関心な居住者が多い」など、平成22年度の調査における課題と概ね一致しておりました。
このため、「県内全ての分譲マンションを対象とした再調査」につきましては、社会情勢の変化などを踏まえるとともに、市町村や関係団体とも意見交換を行いながら検討してまいります。
次に、分譲マンションの管理組合を機能させていくための県の取組についてでございます。
私有財産である分譲マンションの管理は、管理組合が自己の責任と自助努力で行うことが基本です。
しかし、分譲マンションの管理には専門的な知識を必要とするため、管理組合に専門家を派遣し助言などを行っております。
派遣した156組合のほぼ全てにおいて長期修繕計画の策定など適正な管理に向けた効果が出ております。
また、NPOなどと連携したセミナーや相談会、管理組合同士の情報交換会についても、これまで5,000人を超える参加者があり、参考になったと好評を得ております。
このため、今年度は、分譲マンションが抱える課題に専門家がお役に立てることやセミナーや相談窓口に関する情報も盛り込んだリーフレットを作成いたしました。
このリーフレットは、既に送付を開始しておりますが、送付直後から、「組合員に配布したいが余りはあるか」などのお問合せをいただいております。
今後、10月末を目途に全ての管理組合に送付するとともに、市町村を通じて周知を図ってまいります。
併せて、市町村や関連団体、専門家の方々との連携強化を図り、分譲マンションの多くの管理組合において適正な運営が図られるよう積極的に取り組んでまいります。

〇パブリックゴルフ場の活性化と活用について

Q 木村勇夫議員(民進・無所属)
これまで、パブリックゴルフ場は手軽に安くゴルフをできる場所を提供してきました。しかし、景気や高齢化などの要因でゴルフ場全体の経営状況が厳しくなる中で、民間ゴルフ場も価格を下げ、パブリックゴルフ場のアドバンテージも少なくなってきています。今後、ゴルファーが減っていくことを考えると、メンバーシップのゴルフ場ではできないパブリックならではの取組が必要だと思います。そして、生涯スポーツの裾野を広げるという役割がパブリックゴルフ場にはあると思います。
現在、埼玉県が所有する大麻生、吉見、妻沼、また上里町が所有する上里の4つのゴルフ場については、県及び町が資産を貸付けして株式会社さいたまリバーフロンティアが管理運営をしており、利用者数は伸びてきているものの、売上高、営業損益ともに減少傾向にあります。営業損益については、平成28年度は吉見、大麻生、上里は利益を出しておりますが、妻沼の経営状況はここ5年間で慢性的な赤字が続いており、28年度は約2,000万円の赤字となってしまっております。県が資産を株式会社さいたまリバーフロンティアに貸付けし、リバーフロンティアが実質的な経営をしていることは十分承知をしておりますが、パブリックゴルフ場としての姿勢を示すのが県の役割であるという観点から、公営企業管理者に3点、質問させていただきます。
1点目、パブリックゴルフ場を取り巻く環境については今後も厳しい状況が続いていくことが予想されます。そのような状況の中で、今後パブリックゴルフ場が担う役割と今後の方向性について御見解を伺います。
2点目、集客力の劣る妻沼、上里についてはターゲットを絞って特化し、パブリックゴルフ場でしかできない試みを実施するべきだと考えます。お隣の群馬県の県営のあるゴルフ場では、インターネットに力を入れ、一人予約や一日中回り放題というプランも用意しており、大変好評であります。このようなプランは初心者、ジュニア、女性に対しても裾野を広げる意味で有効だと考えますが、御見解を伺います。
3点目、妻沼については平成3210月以降に堤防の補強工事が予定されており、それ以降は用地の一部を国に返すため、ゴルフ場用地を縮小せざるを得ないというお話をお聞きしました。このままでいくと、現在の18ホールを維持していくのは厳しいのではないでしょうか。新たなゴルフ場の利用方法についても柔軟に考えていくべきだと考えます。ゴルフ場は生物も多く、自然が豊富であり、里山の役割も果たしています。これからはゴルフ場を公園として捉え、県民に開放し、ゴルフだけにとどまらず、世代を超えて誰でも楽しめる、例えばパークゴルフのようなゴルフ以外の利用法も考えるべきだと思いますが、用地縮小後の妻沼ゴルフ場について今後どのように利用していこうとお考えなのか、今後の県としての方針について伺います。

A 立川吉朗 公営企業管理者
まず、今後パブリックゴルフ場が担う役割と、今後の方向性についてでございます。
株式会社さいたまリバーフロンティアが運営しております4ゴルフ場の利用者は、ゴルフ人口の減少を反映して平成22年度には16万人台まで減りました。
この状況を受けまして、企業や商工会、ゴルフ練習場などへの営業や料金体系の見直しなどにより利用者を増やし、平成28年度には21万人を超えるところまで回復いたしました。
会員制ではないパブリックゴルフ場は、低価格で初心者でも気軽にコースデビューできるなど、スポーツによる健康づくりに大きく寄与するものでございます。
特に若年者やジュニア層などが、高齢になっても行える生涯スポーツの代表格であるゴルフに早くからチャレンジできる場として、非常に価値が高いと考えております。
今後も幅広い世代にわたる健康づくりの役割を担いつつ、初心者や若年層を取り込みやすいという特性を活かし利用者の拡大に努めてまいります。
次に、ゴルファーの裾野を広げる取組についてでございます。
ジュニア層の開拓や、若年ゴルファーの集客強化、女性の利用促進などは重要な課題であり、各ゴルフ場でも積極的に取り組んでいるところでございます。
具体的には、「親子で楽しむゴルフ教室」や、小中学生を対象とする「テレ玉カップジュニアゴルフ大会」など、ジュニア層向けのイベントを行っております。
また、レディースコンペの開催や、レッスンプロによる女性向けのゴルフ教室に加えまして、今年度から新たな取組として、ラウンドレッスンを実施しました。
お話にございました一人予約につきましても、インターネット予約を活用し、積極的に取り入れております。
平成28年度は、利用者全体の約7%に当たるおよそ15,000人が、一人予約により御利用いただいている状況でございます。
今後も、更なる取組に向けて新たなアイデアを追求し、ゴルフ人口の拡大に積極的に努めてまいります。
次に、妻沼ゴルフ場の利用方針についてでございます。
妻沼ゴルフ場では、昼食付きで平日は6,000円、休日でも1万円でプレイできる低価格設定を行っております。
また、公式ハンデの認定を受けられるコースとし、競技志向のゴルファーのニーズにも対応しております。
その結果、平成28年度には、年間の利用者数が株式会社さいたまリバーフロンティア設立以来最高の43,000人台に達し、収支も今年度黒字化が見込めるところまで改善してきております。
お話のございました国の堤防強化事業により利用可能な河川敷幅が狭まる中で、コースレイアウトの変更が可能か、採算性が確保できるのかなどの検討を現在行っております。
現状の低価格、本格指向のゴルフ場としての利用の継続に加え、御提案の利用者拡大を図る取組なども含めて、今後の妻沼ゴルフ場のあり方について幅広く検討を進めてまいります。

平成29年予算特別委員会

〇非正規雇用者の正社員化プロジェクト事業について

◆木村勇夫委員 
 民進党・無所属の会の木村勇夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員長のお許しをいただきましたので、早速質問に入ります。
 まず、平成29年度当初予算案における主要な施策の2ページの非正規雇用者の正社員化プロジェクト事業についてお伺いいたします。
 この事業は、希望する人が安定した職と収入を得て生活できる社会を実現するため、就職氷河期世代など非正規雇用者の正社員化を支援することを目的とする事業であります。非正規雇用の問題は、大変大きな社会問題であり、これに対応していくのは政治の責務であると思います。
 そこで、まず、県内の非正規雇用の現状について伺いたいと思います。人数、年齢別、男女別、業種別、企業の規模別の現状、また、トレンドとしては非正規雇用は増えているのか減っているのかについて伺います。

◎産業労働部長 
 県内の非正規雇用者でございますが、平成24年度の就業構造基本調査によりますと124万8,000人でございます。非正規の割合は39.6%になります。産業別でございますが、1次産業では非正規が56.5%、2次産業では24.1%、3次産業、サービス産業等でございますが38.4でございます。1次産業の農業については、スポット的にやる方もあると思いますので、問題は、第3次産業の38.4かと思います。
 あと年代、非正規の総数が124万8,000と申し上げましたが、そのうち、20代が21万2,900、30代が21万9,300、大体同じぐらいです。40代が25万8,400、50代が21万4,600、60代25万2,800、70代3万8,900でございます。

◆木村勇夫委員 
 あと、その非正規雇用がトレンドとして増えているのか減っているのかについてお願いします。

◎産業労働部長 
 非正規につきましては、データが平成14年、19年、24年となっておりますが、非正規は数、また割合ともに増えております。

◆木村勇夫委員 
 今、景気が回復基調にあるという中で非正規雇用が減らないと、むしろ増えているといった現状に対する原因についての御見解を伺います。

◎産業労働部長 
 非正規が増えているというのは非常に問題だと考えております。非正規の場合、将来、経済的弱者につながっていくわけでございますので、社会的に大きな損失になってくるんだと思っております。
 その原因は何かと我々考えるには、やはり雇用情勢が悪化した就職氷河期と言われる時期に正社員で就職が決まらなかった方たちが、やむを得ず非正規になったというケースがございますし、一度非正規になりますと、なかなかキャリアアップするチャンスがめぐってこないというのが現状でございます。それで非正規を繰り返していくというケースがあります。また、大卒であっても、3年間で3割程度が離職をいたします。そういう方々が、次のステップでまずは非正規というケースもありますので、そういったいろんな要因が、やはり不本意ながら非正規の方々。また、不本意でなくて、ちょっとしたパートで、少し時間がとれたので働きたいという人もありますので、様々な要因で、こういう社会情勢の中で増えているのかなと思います。

◆木村勇夫委員 
 非正規が増えるのは、先ほどのお話でありますけれども、定年退職者の再雇用とか、また、女性が希望する時間で働きたいなどの理由で、積極的に非正規を望む人がいて、そのために非正規が増えてきているというのも理解できるところであります。
 問題は、不本意非正規雇用の問題だと思います。その中でも、特に県内の不本意非正規雇用者への対応について伺っていきたいと思うんですけれども、今回の非正規雇用者の正社員化プロジェクト事業では、就職氷河期世代などの非正規雇用者の正社員化を支援するということですけれども、まず、就職氷河期世代の定義について、また、就職氷河期世代の非正規雇用者は県内でどのぐらいいると把握しているのか伺います。

◎産業労働部長 
 就職氷河期世代は2つございまして、第1次がいわゆるバブル崩壊後の1993年から2005年頃にかけて就職した世代でございまして、現在30代から40代前半でございます。それから、第2次がリーマンショック後、2010年から2013年にかけた世代でございますので、20代後半でございます。その中で、30代が3万4,000、20代が3万3,000でありますので、ざっくりいいますと6万人ぐらいが就職氷河期の方々だと思われます。

◆木村勇夫委員 
 それでは、事業内容について何点か伺いたいと思います。
 この資料の中では、約78万5,000円かけて非正規雇用実態調査をやるということですけれども、その具体的な調査の取組について伺います。

◎産業労働部長 
 実態調査、まずは様々な統計を見ましても、非正規に対するまとまった調査というのがありませんので、県としてまず取り組みたいと思って調査を行います。額にして700万ほどかけさせていただいておるところでございますが、まず、企業500社に対して調査を行います。また、非正規雇用者1万人を対象に調査を実施する予定でございます。
 企業に対しましては、非正規雇用者の就業形態、また正社員への登用制度があるかどうか、そしてまた非正規への教育訓練制度があるかないかを企業に聞いてみる予定でございます。
 また、従業員に関しましては、非正規雇用の方々ですが、非正規を選んだ理由、仕事の満足度、正社員化の希望の有無、そういったものを把握したいと思っております。
 繰り返しになりますが、企業500、非正規雇用の方1万人を対象にやっていきたいと思います。

◆木村勇夫委員 
 目標設定を、年間3,000人の非正規雇用者を正社員に転換とした、3,000人のその根拠について伺います。

◎産業労働部長 
 初めての取組でございますので、どれぐらいの規模感でやるかというのは非常に難しいところがあったんですが、国のキャリアアップ助成金で把握できる数が年間1,500から2,000でございます。埼玉県の取組によって1,000を上乗せして、3,000というのを目標としようと。まずは初年度そういった目標で取り組んでみて、調査と相まって、その状況を踏まえて今後のことを検討していきたいと思います。

◆木村勇夫委員 
 正社員化の取組で重要になってくるのは、企業の受入体制の整備だと思います。そういった意味では、企業への取組支援には何らかのインセンティブを与えることが必要になってくるかと思いますけれども、それに対する御見解を伺います。

◎産業労働部長 
 非正規雇用を正規化するというのは、企業にとっては単純には労務コストが上がりますので、一瞬ちゅうちょせざるを得ないケースもある、それは現実でございます。ただ、今、人手不足が言われております。単純に労務コストを心配しても、こういった人手不足の中で、その企業でしっかりしたそういった制度ができることは企業の魅力アップになりますので、そういった意識を企業の経営者に受け付けていただきたいと思っているところでございます。まずは、正規化のそういった取組をしていくことによって人材が確保できますよと。それから、それがひいては離職防止にもつながっていくと。つまり、中小企業を含めて人材不足で悩んでいる企業の一つの解決策になるんだというところを、我々行政の立場じゃなくて、会社経営の立場の方々が理解していただくことが大事だと思いますので、そういった企業に対する意識啓発をしっかりやっていきたいと思います。

◆木村勇夫委員 
 就職氷河期世代への支援は、景気が回復基調になっている今を置いてほかにないと思います。本県の不本意非正規雇用者がゼロになることを目標に取り組んでいただきたいと思います。

〇埼玉版ハローワーク推進事業について

次の質問に移ります。
 次に、主要な施策の3ページ、埼玉版ハローワーク推進事業について伺います。
 ハローワーク浦和・就業支援サテライトは、ハローワーク特区を活用して、平成24年10月に武蔵浦和に設置されました。当初は、たしか3年間という予定だったと記憶しています。ハローワークが行う就業支援に加えて、県が就業支援、就業相談などを行うことで、より質の高い就業支援を行い、就職に結び付けるということでした。
 そこで伺います。特区ということで埼玉県独自モデルであったと思いますけれども、このハローワーク浦和・就業支援サテライトがスタートした平成24年からこれまでの取組と実績、また、それに対する評価について伺います。

◎産業労働部長 
 委員御指摘のとおり、平成24年10月からハローワーク特区を活用しまして、武蔵浦和駅のラムザタワーの中に就業支援サテライトを開設したところでございます。これまで職業相談から職業紹介、そして生活、住宅の相談、そういったワンストップでできるというのが売りでございます。また、利用しやすい駅前のビルだということもありますし、平日は19時までやっておりますので、使いやすさ等を非常に整備してきたところでございます。
 それにおいて、これまで延べ23万人が利用されております。そして、実績として約1万8,000人の方々の就職に結び付いております。こうした取組が評価されまして、昨年8月に、地方自治体が独自に職業紹介できる地方版ハローワーク制度やハローワーク特区の全国展開につながったということですので、一つの大きな成果になったんじゃないかと考えているところでございます。

◆木村勇夫委員 
 成果が出たと、一応成功したということだと思います。成功モデルになったということですけれども、この県の取組で、どのような取組がこの成功の要因になったと分析をしていますでしょうか、お伺いします。

◎産業労働部長 
 この特区の取組というのは、職業紹介は国がしますが、それに付随した相談とかきめ細かなものは県がやって一体化で対応すると。ワンストップで、県民、市民から見れば、別に国であろうか県であろうが市でも関係ない。それを一緒になって1つの窓口でやれるということが、非常に意味があったと考えております。

◆木村勇夫委員 
 この質問、最後ですけれども、最終的にはこの事業で求人と求職者のマッチングをして就職に結び付け、県内企業の人材確保を行うことが目標だと思います。その目標に対して、目標数値は設定しているのか、また、設定しているようであれば、その数値について伺います。

◎産業労働部長 
 29年度新たに埼玉県のほうで企業開拓をし、求職者とのマッチングをやるわけですが、正に地方版ハローワークということで、県が就職をあっせんするという形になります。その成果目標といたしまして、新規求人開拓数を、今1万5,000人ほどなんですが、2万に増やす。さらに、新規開拓の求人の充足数を3,000人から4,000人にしようというのを目標に1年間取り組んでまいりたいと思います。

〇埼玉県のうどんについて

◆木村勇夫委員 
 次の質問に移ります。
 次は、主要な施策の24ページ、既存資源の徹底活用と観光基盤の整備の中の新規事業であります全国ご当地うどんサミットin熊谷開催事業について伺います。
 まず、このイベント、どのようなイベントなのか、また、過去の開催地における実績について伺います。

◎産業労働部長 
 全国ご当地うどんサミットでございます。これは平成23年からやっておりまして、今年で第6回、1回から3回までが滋賀県東近江市、4回目から今年まで、26、27、28が今度は愛知県の蒲郡市で開催をしております。うどんは全国的に様々なものがありますが、香川が一番、讃岐うどんで有名かもしれませんが、全国各地のうどんが集まって、それぞれうどん店が出店し、約30店舗なんですが、そこで1位、2位、3位という順位付けをして盛り上がって、うどんの消費拡大に努めるイベントでございます。

◆木村勇夫委員 
 このイベントですけれども、今回の予算に入っていて、いつ、どこで、誰が主催で開催する予定なのか伺います。

◎産業労働部長 
 このうどんサミットでございますが、3年間、埼玉で開催をいたします。まずは11月を目標に今進めております。開催する主体は実行委員会でございまして、実行委員会には埼玉県、本県も入りますが、地元熊谷市、熊谷市観光協会、熊谷小麦産業クラスター研究会、商工会議所、そういったところで実行委員会を形成しまして、そこが主体となって開催をするものでございます。

◆木村勇夫委員 
 来場者の見込みを教えてください。

◎産業労働部長 
 過去の開催実績からは、1日2万人ぐらいになっていますが、近年また増えていますので、それ以上の目標を、今後、実行委員会でそういった目標も定めますが、それ以上の高いレベルを目指すつもりです。

◆木村勇夫委員 
 2万人を超えると。2日で4万とか5万ということで大変すごいイベントだなと思いますけれども、このイベントに県のほうで手を挙げた理由、やろうと思った理由。また、なぜ熊谷でやろうと思ったのかという理由を教えてください。

◎産業労働部長 
 うどんサミットを県内で開催するということでございますが、そのきっかけは、やはり埼玉県内、様々な地域で特色のあるうどんがあるということが1つでございます。なおかつ、ちょうどラグビーワールドカップが2019年にありますが、去年までが蒲郡で3回やりましたので、ちょうど次の開催地を探しておりました。ちょっと突っ込んで話をさせていただきますと、物産観光協会の会長さんが非常に関心を示しまして可能性を探ったところ、開催ができるということになりましたので、ちょうどワールドカップ開催まで3か年それを是非開催して、機運の醸成につなげていきたいと思います。

◆木村勇夫委員 
 大変タイムリーなイベントだと思います。
 予算についてなんですけれども、県のほうが300万円、予算額出すということなんですが、これはどのようなところに支出をするのか、また、このイベントにおける県の役割について伺います。

◎産業労働部長 
 負担金300万円でございますが、先ほど申し上げました実行委員会に対して、言ってみれば色のついていない状態で、実行委員会の経費として負担金を提供いたします。ちなみに、熊谷市が補助金として550万円拠出します。トータルでは約1,800万ぐらいの金額を見込んでおります。
 埼玉県の役割としましては、熊谷で開催するということですので、私も開催が決まってからいろいろ調べたんですが、それこそ麦栽培の中興の祖と言われる麦王、権田愛三氏が熊谷の東別府の出身だと。そういったことで、熊谷は実はうどんの聖地だというのをアピールして、それを広くPRするのが特に県の役割かなと考えているところです。

◆木村勇夫委員 
 実は私、うどん県の香川県の出身でありまして、大変小さい頃からうどんに親しみまして、離乳食もうどんを食うぐらいの文化が向こうは残っていますので、それで育ってきたんですけれども、その香川ですけれども、うどん県で今大変ブレークをしていますが、ブレークしたのは30年ぐらい前かなと思いまして、きっかけがありまして、1冊の本が出て、「恐るべきさぬきうどん」という本なんですけれども、その本が出た影響で、今まで地元の人しか行かなかったセルフの店とか製麺所とか、そこに県外の観光客の人が集まってくるようになったわけでございます。
 そういった意味で、埼玉県内においても、いろんな地域にいろんなうどん文化が残っているというのは、全国でもけうな県だと思います。それを情報発信していくのが県の役割、また、その情報をトータルでコーディネートしていきながら、観光産業につなげていくのが埼玉の役割かと思います。このサミットを通じて、埼玉県のうどん文化を食の観光資源として埼玉観光にどのようにつなげていくのか伺います。

◎産業労働部長 
 うどんの文化、埼玉に息づいております。埼玉県はうどんの生産量が第2位でございます。なので、目標としましては、西の香川、東の埼玉ということで、うどんを売り込んでいきたいと思いますし、委員御指摘のとおり、1つテーマ性を持ったツアーの造成というのは非常に好まれるところがあります。埼玉の、正に武蔵野のいろんなうどんをめぐるようなツアー、そこで観光とリンクさせてツアーを造成し、埼玉の観光振興の一つのアイテムとして使っていきたいと思います。

◆木村勇夫委員 
 是非是非、よろしくお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

〇担い手確保と儲かる農業

◆木村勇夫委員 
 民進党・無所属の会の木村勇夫でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 委員長のお許しをいただきましたので、早速質問に入ります。
 担い手確保ともうかる農業という視点から、質問させていただきます。
 まず、平成29年度当初予算における主要な施策の1ページ、埼玉農業フロンティア育成事業について伺います。
 委員会資料として配付されました農林業センサスの資料でも見られますように、県内の農業人口は平成22年に7万1,791人から、平成27年には5万8,575人と減っており、また農業者の平均年齢は平成27年で66.9歳と高齢化をしています。正に埼玉農業の担い手が不足し、担い手確保は喫緊の課題だと考えますが、県内の担い手不足の現状と担い手不足から今後出てくる具体的な影響についての御見解をお伺いします。

◎農林部長 
 農業従事者の高齢化によるリタイアによりまして、将来的に遊休農地が発生する可能性があるというふうに思ってございます。今のデータですと、2015年農業生産数でございますけども、75歳以上の基幹的農業従事者、1万6,579名ございまして、基幹的農業従事者の33%を占めているという状況でございます。
 今後、こうした農業従事者がリタイアいたしますと、先ほど言ったとおり、なかなか難しい状況になってまいりますので、農地をいかに有効に活用していくかというのが我々農林部の課題だと思ってございます。
 担い手の育成と併せまして、先ほど来答弁させていただいておりますが、農地中間管理事業を活用いたしまして、しっかり農地を集積して、担い手に託していきたいというふうに思っております。

◆木村勇夫委員 
 新規就農者について伺います。
 現状の新規就農者は、年間で何人程度いるのか、そのうち農家の後継者や農家以外からの就農者はどれくらいいるのか、伺います。

◎農林部長 
 新規就農者は、平成27年でございますけれども、286人ということでございまして、そのうち農家の後継者が194人、農家以外からの就農者92人ということになってございます。

◆木村勇夫委員 
 全部で286人ですね。
 将来的に今教えていただいたその人数で、県内の埼玉農業について、足りるのか、足りていくのかと、また人数がもし将来的に不足をするのであれば、生産性を上げて、その人手不足をカバーするとか、先ほど御答弁にもありましたけれども、農地の有効活用ですか、これをやりながら、人数不足の面がカバーできるのかどうか、伺います。

◎農林部長 
 おっしゃるとおりでございまして、ビジョン、先ほどちょっと申し上げましたけれども、昨年度議会で御審議いただきました埼玉農林業・農山村振興ビジョンで、新規就農者の数を平成32年に330人という目標を設定してございます。
 そういったのが我々の中で理想形だというふうに思っておるわけですけれども、そうした人数が足りなくならないように、まず担い手の確保というものをしっかりしていかないといけないと思っていますけども、併せて委員御指摘のとおり、農地中間管理事業も活用して集積をしていきますし、あと生産性向上、そして省力化、機械などもどんどん活用して、省力化などを図っていきながら、農地を有効に活用していきたいというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 人数的に、将来的には足らないという認識だと思いますけれども、いろいろと現状について伺ってまいりました。その中で、県として埼玉農業の担い手となります新規就農者の確保や、また育成について、どのようにお考えか、伺います。

◎農林部長 
 新規就農者の確保、育成、支援していくためには、まず就農に当たる御相談、そして技術の習得、そして農地や住宅の確保というものを総合的に行っていく必要があるというふうに考えてございます。
 このため、農林振興センターほか11か所に就農相談窓口を埼玉県は設置してございまして、就農意欲の高い就農希望者に相談を行っているということでございまして、平成27年の実績は1,071件御相談がございました。また、平成22年度から、明日の農業担い手育成塾というものを創設してございまして、市町村や農協などと連携して、技術の習得ですとか、農地や住居の確保、販路開拓についても、サポートをさせていただいているところでございます。
 さらに、就農後も普及指導員がマンツーマンで、就農した後の御相談もさせていただいているということでございます。

◆木村勇夫委員 
 埼玉農業フロンティア育成事業の内容について、ちょっと具体的に伺っていきたいと思います。
 埼玉農業フロンティア育成事業の目的は、農業高校生の就農への動機付けを図るということですけれども、現在の就農状況はどうなっているのか、農業高校、県内に8校あるというふうにお聞きをしておりますけれども、その農業高校と農業大学校、それぞれについて教えてください。

◎農林部長 
 農業高校は9校ございますけれども、平成27年の卒業生は1,123人おられまして、そのうち就農されている方は19人というふうに承知してございます。
 また、農業大学校は27年度の卒業生81人ございますが、就農した方は52人なんですが、先ほど答弁したとおり、明日の農業担い手塾に入られて、将来就農される予定の方が6人おりますので、合計で58人、就農又は就農見込みという状況でございます。
 農業大学校は、条例で農業だけじゃなくて、関連産業の担い手の育成もしていくということをうたってございまして、そういった意味で、農協ですとか、民間の企業ですとか、農業関係のところにも8名就職していただいているという状況でございます。

◆木村勇夫委員 
 数字を伺いました。農業高校のほうでは1,123人が19人ということでしたけれども、就農しなかった理由について、お分かりでしたらお願いします。

◎農林部長 
 承知してございません。

◆木村勇夫委員 
 承知していないということですけれども、何で農業の学校行っていてその分野に就農しないのかというのは、結構ポイントとなる点かと思うんですけれども、何らかの原因、理由をつかみながら、対応していくことが必要だと思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。

◎農林部長 
 委員御指摘のとおり、農業高校を卒業された方がどうして就農しないのかという理由付けも整理していかないといけないと思っていまして、今回のこの事業によりまして、農業高校ですとか、農業大学校ですとか、農林振興センターの皆様が一堂に会して打合せをするような会議も行うことにしておりますので、そういった会議体の中でも、農業高校の関係者の方々にお話を聞きながら、農業高校の方々の就農促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 これまでの取組がございました。これまでの取組の中で、宿泊研修、これがこの事業の私は肝なのかなというふうにも思っているんですけれども、この宿泊研修をやってきたということですけれども、これまでの実績、その効果、また参加した生徒からの評価を伺います。

◎農林部長 
 平成28年は8月1日から3日までの3日間、2泊3日でございますが、農業大学校を主会場といたしまして、29名の農業高校生の方に参加いただきました。
 研修の内容でございますけれども、卒業生とか在校生の講義に基づきます就農までの流れの把握ですとか、先進的な農業に関する演習や講義、農業大学校の各専攻における農業実習、加工実習、参加者間の相互交流などを行ったところでございます。また、研修期間中の1日につきましては、農業の優良経営を行っております法人等の視察を行っていまして、具体的には上里町の企業ですとか、あとは横瀬町の企業というのか、農園ですとか、川島町の農場などを訪問したという状況でございます。
 研修終了後にアンケートを取ってございますが、97%の方が農業大学校や農業を知る上で非常に参考になったという回答もいただいておりまして、結果として3年生19人のうち9人が農業大学校に入学いただく予定となってございまして、就農確保のためにも一定の成果があったのではないかというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 次に、この事業の中で新規事業がございます。埼玉県農業経営塾ですか、この農業経営塾についての取組を具体的にちょっと教えていただきたいと思います。

◎農林部長 
 今お話いただきました埼玉農業経営塾でございますけれども、優れた経営感覚を備えた、稼げる農業人材を育成するという観点から、受講者が営農しながら経営ノウハウを学べる講義などを行って、農業者の経営力向上と経営発展を支援する目的で、平成29年度からスタートするものでございます。
 受講対象は、県が主導しております農業青年組織に加盟しております農業後継者の方、そして明日の農業担い手育成塾の卒塾生の方、そして青年就農給付金の受給者などが対象となってくると思ってございます。
 募集方法でございますけれども、農林振興センターを通じまして、市町村や農協などにも働き掛けをしつつ、県のホームページなどでも周知をいたしまして、受講を希望する農業者が応募できるようにしていきたいというふうに考えてございます。
 具体的な講義の内容でございますが、経営管理ですとか、マーケティングですとか、労務管理ですとか、財務管理といった4分野を踏まえたパッケージといたしまして、その他必要とみなされる講義や先進地視察なども、併せて実施していきたいというふうに考えてございます。
 主な会場は農業大学校を想定してございまして、研修の運営は民間企業に委託いたしたいと思ってございます。募集人員は30人といたしまして、受講者からは1万円を受講費として徴収いたしたいというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 この農業経営塾ですけれども、一般の農家さんとか、農業経営塾だけを受講したい人も受け入れるのかどうか、伺います。

◎農林部長 
 特に排除することは考えておりませんので、御相談いただければと思っております。

◆木村勇夫委員 
 この事業で、最終的に目標数値を設定しているのでしょうか、あれば教えていただきたいと思います。

◎農林部長 
 特段設置してございません。

◆木村勇夫委員 
 そうですか。
 最後になります。
 この事業で、目的の中で優れた経営感覚を備えた稼げる人材の育成ということがございます。
 人材の育成というのは、私も思うんですけれども、短期間での取組では、なかなか結果や効果は出ないと思います。長い時間がかかると思うんですけれども、この事業を継続して行っていくと考えてよろしいんでしょうか、またどれくらいのスパンでこの事業を継続して行うと考えているのか、お伺いします。

◎農林部長 
 事業を本年度からスタートするということでございまして、なかなか今からいつまでやるのかというのを答弁しにくいところでございますけれども、この事業を通じて、どういった成果が農家の方とか新規就農者の方とか、どういう効果があるかというのを分析いたしまして、可能な限り長期的にできるようにというふうに考えてございます。

〇儲かる観光農業について

◆木村勇夫委員 
 次の質問に移ります。
 主要な施策の14ページであります。
 もうかる観光農業支援事業について伺います。
 先ほどの担い手確保育成にも関わってまいりますけれども、新規就農者を増やしていくためには、もうかる農業にしていくことが何よりも大切だと考えます。その中で、埼玉県の立地条件を生かし、都市住民や訪日外国人が楽しめて、農家の所得向上に直接結び付く摘み取りなどの観光農業は、今後有効で、期待できると思います。
 そこで、まずこれまで県内の観光農業の振興にどのように取り組んできたのか、伺います

◎農林部長 
 これまでということでございますが、観光農園、イチゴとかブドウとか、いろいろな品目ございますが、品目ごとに栽培方法に応じた適切な栽培管理指導を行っているというのがまず1点ございます。
 また、併せて観光農園とか、農業体験とかのイベント情報をポータルサイトで発信するという取組をしておりまして、いろいろな体験する場所を紹介したパンフレットも作成して、配布しているところでございます。また、鉄道会社と連携をさせていただいておりまして、観光農園のPRを行っているところでもございます。

◆木村勇夫委員 
 これまでも、先ほども御答弁のように、観光農業の支援に取り組んできたと思います。これまで取り組んできた観光農業ですけれども、なぜ今またもうかる観光農業の支援に取り組むのか、またこれまでの観光農業支援は、今回のこの事業と何が違うのか、お伺いをいたします

◎農林部長 
 県政サポートアンケートなどを見ますと、観光農園など、農業体験をしたいという方が結構出てきているというのがまず実態としてございます。また、2019年、2020年に向けて、埼玉県はラグビーワールドカップの大会ですとか、オリンピック・パラリンピックなどもございまして、外国人の方が埼玉県にお越しいただく機会が増えてくるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういった中で、観光農園というものを一つの体験型の柱として位置付けていきたいということでございまして、そういった意味で、この事業を立ち上げているところでございます。
 今までは、情報発信が先ほど答弁いたしましたが、事業の中心でございましたが、今後はそういう外国人に対応するですとか、いろいろなことに対応できるような観光農園となるように、対応していきたいということで、この事業を仕組んだものでございます。

◆木村勇夫委員 
 この事業では、県内の観光農園を対象に、経営力や集客力を向上させる戦略プランを作成する、集合研修ですか、これを実施するということになっているようでございますけれども、集合研修についてお伺いをしたいと思います。
 具体的にはどのような研修を行っていくのか、対象農家の数とか、研修回数とか、その辺をお伺いします。

◎農林部長 
 具体的には、まず全国の観光農園の優良事例を調査したいというふうに思ってございます。調査した上で、経営に知見を有する専門家などを活用するような形で、収入力アップをするような研修を立ち上げたいというふうに思ってございまして、最終的にはこれは思い切った目標なんですけれども、所得1,000万円を目指せるような観光農園を作っていきたいということで、経営戦略プランというものを作っていただきたいというふうに思ってございます。
 プランの作成に当たりましては、旅行会社ですとか、金融機関などのアドバイザーの方をお呼びいたしまして、アドバイスを受けながら、計画のブラッシュアップを図りまして、より実効性の高いものにしていきたいというふうに考えてございます。プランを作成した後は、旅行会社の方ですとかと連携をとりまして、県の既存施策なども活用しながら、プランの実行を目指していきたいというふうに考えてございます。
 参加は、来年度ちょっと考えておりますのは、イチゴでやりたいというふうに考えでございまして、実際に想定しておりますのは40名を想定してございます。

◆木村勇夫委員 
 先ほど答弁の中でも出てまいりましたけれども、経営戦略プランを作るということでございますが、どのような取組が経営戦略プランの中に練り込まれていくのか、伺います。

◎農林部長 
 私もこの1年間、全国の観光農園を視察させていただいております。そういった中で、1個の品目だけじゃなくて、ほかの品目と組み合わせて、1年中観光農園に人が訪れるような取組をされている方ですとか、加工とか、そういったものもしながら、お客さんの確保をするですとか、あとは捨ててしまっている積み残しのものとか、捨ててしまっているものも活用しているところですとか、後は先ほど言いました多言語対応されていたりとか、ホームページ上で外国語で表記したりとか、あとトイレを外国人向けに対応したりとか、そういった様々な優良事例がございまして、そういった事例を先ほども言いましたが、まず調査をいただいて、調査した結果、それを御説明しながら、経営戦略プランの中に位置付けていただきたいというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 観光農園はいろいろあると思うんですよね。やっている作物の種類とか、規模とか、いろいろあると思うんですけれども、そういった中で、今回研修をやるということなんですけれども、種類とか規模とか、いろいろ違う中でこの研修をやって、研修の効果というのは、上がっていくんでしょうかということを伺います。

◎農林部長 
 先ほどもちょっと答弁させていただきましたが、埼玉県は確かにイチゴ、ブドウ、いろいろな品種ございますけれども、来年度はイチゴに特化して研修をしたいというふうに思ってございます。これによりまして、他のイチゴ園の刺激にもなりまして、県内のイチゴ農家全体の収益が上がっていくものというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 あと情報発信について、重要になってくると思うんですが、先ほど若干御答弁もございましたが、情報発信について、県がどのような形で積極的に情報発信をしていくのかということをお聞かせください。

◎農林部長 
 先ほども答弁差し上げましたが、県でポータルサイトというものをつくっておりまして、観光の情報を提供してございます。あとSNSも活用してやってございます。また、鉄道会社と連携した観光農園のPRもしていきます。
 これに加えまして、平成29年度に農林公園の整備をすることとしておりまして、そこの中に農業観光の情報を発信する拠点のようなものを整備していきたいと考えてございまして、そこでもしっかり観光農園の情報をPRして、週末などにいらしている方に、その次の週は観光農園に行こうという気持ちになっていただけるように、しっかり対応してまいりたいと考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 最後に伺います。
 このもうかる観光農業支援事業によって、観光農業とその地域にどのような効果を見込んでいるのか、お伺いします。

◎農林部長 
 私も県内の観光農園を幾つか回らせていただいておりますが、とても残念だったなと思って見ておりますのは、摘み取りとかの体験をされて、そのまま東京にお戻りになってしまっているような例とかが結構ございまして、そうではなくて、地元にいらしていただいたら、その後に食事を地元でしていただくですとか、後は買物をして県産農産物を味わっていただくですとか、お許しいただけるのであれば泊まっていただくとか、そういった周りの地域の皆様と連携して、大きな観光農園の波及効果を狙ってございます。
 ですので、いろいろな情報を提供する際には、近隣の情報も含めて提供していくことで、効果的な地域の活性化につなげていきたいというふうに考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 次の質問に移ります。
 主要な施策の9ページでございます。
 新たな農産物需要創出支援事業について伺います。
 少子高齢化の進行によって、今後は農産物の需要が減少することが見込まれます。本県農業の振興を図るためには、農業者サイドから積極的に新たな需要を創出することも必要であり、この事業の目的については理解できるところでございます。
 そこで、お伺いいたしますけれども、この事業で創出しようとする新たな需要とはどういうものか、お伺いをいたします。

◎農林部長 
 潜在的なニーズがあるんだけれども、なかなか供給がなかった分野ですとか、需要は小さいけれども、プレミアムな価値があるものなどを考えてございまして、これはいわゆるニッチと言っておりますが、具体的に品目で挙げますと、例えばレストランなどの需要があるんだけれども、国産品が少ないリゾット米ですとか、パスタ用の小麦ですとか、オリーブですとか、ワイン用のブドウですとか、あと南国の果実、こういったものですとか、あとは健康や美容を切り口とした新たな需要が見込まれるものとして、薬用作物ですとか、ハーブ類のものですとか、後はこれまでにない新たな食材として、例えばオリーブオイルの絞りかすを使った畜産物と、こういったようなものを想定してございます。

◆木村勇夫委員 
 このような取組に、地域的な影響が出てくると思うんですけれども、この事業で対象となる地域はどこになってくるのか、お伺いします。

◎農林部長 
 米とか麦とかを1から全部リゾット米にいただくというのは、なかなか難しいと思っていまして、まずは米農家の皆様に一部リゾット米を作っていただくみたいな形を考えておりますので、例えば米の産地ですとか、既にワイン用のブドウとかのあるようなところにつきましては、地域の制約はございますが、その他の部分につきましては、オール埼玉、どこでもできていくような、そういうような対策を考えてございます。

◆木村勇夫委員 
 終わります。

平成27年6月定例会 一般質問

〇知事4選出馬の経緯と決意について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
上田知事は先日、4期目に向けての出馬の記者会見を行いました。上田知事は、これまでの3期12年間において、行政改革や治安の回復など様々な分野において着実に実績を上げ、県民福祉の向上や県政発展に大きく寄与されたと高く評価をしております。
そして、昨年夏以降、県内の商工団体や町村長会、市長会の有志など、各種団体や多くの県民の皆様から出馬要請を受けて、今回の決断に至ったものと承知をおります。私が御一緒した8年間で感じたことは、知事室に常に施策指標の目標を数字で掲げ、常にそれを意識して課題解決のための取組をしていることであり、その姿勢に強く共感をしているところであります。多くの都道府県知事の取組の中で、これだけ目標値を意識している知事はいないと思いますし、客観的な数値から見て、これほどまでに実績を残している知事はいないと思います。
我が会派は、今年2月の定例県議会で、当時の吉田芳朝代表が行った代表質問において、4選出馬の要請を行っております。また、先日の出馬記者会見を受けて、民主党埼玉県連では友情支援を決定させていただいております。
しかしながら、県民の皆様の間には、3期までと定めた多選自粛条例があるにもかかわらず、なぜ4期目を目指すのか、何か釈然としないという声があるのも確かです。我が会派としては、知事には、こうした県民の声に明快にお答えをしていただいた上で、埼玉の発展に向けて選挙戦に臨んでいただきたいと思います。
そこで、上田知事にお伺いをいたします。
1つ目、御自身で提案をして可決をされた多選自粛条例を守れなかったことに対して、県民の間には「釈然としない」という声があります。禁止条例ではなく、あくまで自粛条例ですが、こうした県民の声にどのように答えていくのでしょうか。
2つ目、一般論としては、巨大な権限を持つ首長の多選には、業界団体との癒着が生まれるなど弊害があると言われています。一方で、全国の首長の中には、期を重ねるごとに円熟味を増し、すばらしい行財政運営を行っている首長もいらっしゃいます。知事は、多選の弊害は防ぐことも可能だとおっしゃっていますが、どのように防いでいくのでしょうか。
3つ目、今回の4期目に向けての出馬の決意は、思いを託せる後継候補者の擁立が難航し、御自身にとっても苦渋の決断であったと推察をいたします。多選自粛条例があるにもかかわらず、なぜ出馬を決断しなければならなかったのでしょうか。この先の県政の課題と、4期目に当選をしたならば成し遂げたいことは何なのでしょうか。
以上、知事4選出馬の経緯と決意についてお伺いいたします。

A 上田清司 知事
まず、「知事4選出馬の経緯と決意について」のお尋ねのうち、多選自粛条例を守れなかったことに対する県民への説明についてでございます。
私が知事に就任する前、不祥事があり県政の信頼が揺らいでおりました。
私は、国会議員時代からの政治信条もあり、多選自粛ではなく多選禁止条例まで踏み込んで県政の信頼回復を図ることが必要だとまで考えておりました。
しかし、禁止条例では「職業選択の自由」など憲法に抵触する恐れ、また、さらに地方自治体の長は住民が選挙で選ぶという民主主義の根幹からしても問題があるという御指摘もいただきました。
そこで、禁止ではなく「連続して3期を超えては存在しないよう努める」という努力義務規定としての「自粛条例」とさせていただいた経緯でございます。
この条例を守るべく、私自身様々な努力を行ってきたつもりでございます。
まずは、一期ごとに成果を出す、そのように努めてまいりました。
そして任期を終えるときには、次の4年間で自分が果たすべき役割があるかどうか自問自答し、その都度自らの進退を判断してまいりました。
また、来るべき知事選挙に向けては、人格、識見、行動力ともに優れた方々に水面下で出馬の働きかけも行ってまいりました。
いろんな、ぎりぎりの努力をしましたが、タイミングや環境という課題もあり、残念ながらかなうことができませんでした。
こうした中、市長会の大多数の有志の方々や町村会のほか、数多くの団体から出馬の要請を受けておりました。
私は、次の4年間というのは普通の4年間ではないと思っております。
10年後の2025年には「団塊の世代」が後期高齢者になり、介護や医療をどうするのか、また生産年齢人口が急激に少なくなっていくときに、「稼ぐ力」をどうするのか、10年後に向けてこうしたことを今から手を打つべく重要な4年ではないかというふうに考えております。
悩みに悩んだ結果、県民の利益のためには、自らの政治信条を、ある意味では自分自身の名誉を傷つけ、あるいは自分自身の美学を貫くことができない、それ以上に「あとは野となれ山となれ」というような形にはなかなかできない、そんな思いで出馬を決意した次第でございます。
自ら定めた努力義務規定の下で出馬することについて、いろいろな御批判をいただいていることについては、私自身が大変重く受け止めております。
全く私の不徳の致すところであり、県民の皆様、県議会の皆様にも心から深くお詫びをするところです。今後私が掲げます公約とこれまでの実績と、この条例下で出馬するという私の姿勢も含め、県民の皆様の判断を仰ぎたいと考えております。
次に、多選の弊害をどのように防ぐかということについてでございます。 
私が当初多選イコール弊害と直ちに結び付けていたことについては、今思えば本当に観念論で、繰り返しますが、当時においても多選で立派な市長さんたちもおられた、こんなふうに思いますので、正に自らの不明を恥じるところでもございます。
ただ、一方で期数を重ねれば、より自重自戒を進めていくことも重要だというふうに思っています。
特にトップは、部下も含めたいろんな意見を聴く努力、このことが必要だと思っています。あるいは御承知かもしれませんが、大きな会場で私、結構1時間ぐらい、会場の中をぐるぐるぐるぐる回っているのを見ておられるかもしれませんが、酔っぱらった勢いでもいろんな意見を聴いておいたほうがいいということで、いたずらに会合を4つ重ねるよりも、2つの会合で丁寧に回るという方を私自身は選択しています。
これも一般の方々の意見を聴くという私自身の考え方によるものでもございます。
また、私自身がそうでなくても、勝手に職員の方が遠慮して、私自身にものを言わなくなることも期数を重ねればあるのかなと思っておりますので、とりわけ常に私自身にいろんな注文をつける人の方が重用されるという空気を作るべく努力を、これまでもしてきましたし、毎日とは言いませんが、毎日のように何らかの形でいろんな意見、苦言、提案をしに来る職員も多くございます。
私自身、毎年新しい年度になれば、各部長とのその年の「課題と目標」について30分程度の意見交換をさせていただきます。また、副部長とは昼食を取りながらざっくばらんに意見交換をさせていただいております。さらに課長とも「その課の課題」についての意見交換をさせていただき、ポイントがずれているとか、妙におもねるような話があったりすれば、ただちにやり直しということで、もう一度議論させていだくこともやっているところでございます。
ただ、こうしたことについても、どこまで最終的に弊害が抑えられるかということについて、私は確信を持てるところではございませんが、いろいろそういうブロックをすることが大事だというふうに認識をしております。
次に、県政の課題と4期目に当選した場合に成し遂げたいことについてでございますが、なんといっても、2025年に75歳以上の高齢者が現在の77万人から120万人になることでございます。
そして、元気な方も多いのも事実ですが、そうした方々の医療、介護、そうしたネットワークをどう作り切れるかというのがこれからの課題でもございます。
地域包括ケアシステム、これも国は言っておりますが、まだ正確に中身が決まったわけでもございません。
そして、国民健康保険制度も、市町村から県に移管されます。この場合、県に移管されますが、窓口はどうしても市町村ということになってまいります。介護保険も市町村です。実務として市町村と県が信頼関係の中で、丁寧にやっていく必要がある。このことが実は、これからの2025年問題の一番重要なポイントではないかと思っております。
まさに一緒にやらなければならないということであります。
もう一つ大事なことは先ほども申し上げました、生産年齢人口が2025年までに約51万人減ります。鳥取県1県分ぐらいが減る形になりますが、この人たちの「稼ぐ力」をどこでカバーするか、こうした部分についても多分にその鍵は、先端産業創造プロジェクトをはじめ、ウーマノミクスプロジェクトだとか、あるいはまたシニアの元気を維持する健康長寿プロジェクトなど今本県が抱えている課題なんかがそうではないかと、このように私は思っております。
さらに首都圏全体の問題として、時には膨大な東京都の課題を、神奈川はそれに近いので、埼玉や千葉がカバーするようなそういった事態もこれから起こってくるのかなというふうに考えるところでございます。これらの問題を解決するそうしたときに、心ならずとも私は自分自身その任に堪えて頑張ろうというそういう思いを持ったところでございます。

〇高齢者がいつまでも埼玉県に暮らし続けられる医療・介護体制について
 ~日本創成会議の高齢者の地方移住への反論~

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
超少子高齢化社会が進展している今、日本は人口減少時代に突入しました。このままでは、低出生率と人口の東京一極集中によって、多くの地域が消滅に追い込まれていくという大きな課題を日本は突き付けられています。
そうした中、民間の有識者で構成し、増田元総務大臣を座長とする日本創成会議は、6月4日、「東京圏高齢化危機回避戦略」と題する提言を発表しました。今回の提言は、昨年5月に発表され、全国896市区町村が人口減少によって出産年齢人口の女性が激減する「消滅可能性都市」であるとした、あのリポートに次ぐ第2弾であります。
この第2弾では、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を含む東京圏では、今後10年間で75歳以上の後期高齢者が平成27年の397万人から572万人になると予測し、増加数は175万人で、全国の3分の1を占めるとしています。このような急激な高齢化のあおりを受け、東京圏においては、医療や介護に十分な対応ができなくなり、その結果、2025年には介護施設が東京圏では約13万人分、埼玉県では約2万4,000人分不足すると推計し、高齢者が病院や施設を奪い合うというような構図まで予測しています。東京圏でそれを補うよう施設などの充実を目指せば、費用が膨らむことに加え、地方から東京圏への人口流出にも拍車がかかると見て、施設や人材に比較的余裕があり、サービス費用も安い地方に移住を促すための環境整備を進めるよう求める内容となっています。
特に本県の試算を見ると、2025年までの増加率は、入院需要では25パーセント、また介護需要に至っては52パーセント増という数字が示されており、これらの増加率は、いずれも東京圏で最も高いものになっています。このような予測が現実化すれば、入院需要、介護需要ともに東京圏内で最も増加する本県は、深刻な医療・介護不足の状態に陥ってしまうことが予測されます。このような本県に対する大変気がかりなデータが示されている中、まず、知事に伺います。
日本創成会議が作成したこの提言において、将来的な医療・介護需要の増加が見込まれる数字が公表され、東京圏の中でも埼玉県は特に高い数字が示されております。また、医療・介護施設の不足が深刻化することも指摘されております。知事は、このような数字をどう受け止められていますでしょうか。本当に正しいものなのでしょうか。今お持ちの現状認識を教えていただきたいと思います。
また、その一方で、対応策として東京圏の高齢者の地方への移住の促進が効果的な手だてとして示されています。私も最初に耳にしたときは、なるほどそうかもなと素直に思ったのですが、今では、やっぱり違うのではとの疑念を抱いています。それは、これまで地域で生活し、社会に貢献してきた高齢者を、今は増え過ぎたから、どこか地方に移住してほしいという考えは余りにも無責任で、冷たいものだということであります。
東京圏に居住する高齢者の地方での受皿として、移住した地方で健康でアクティブな生活を送り、医療・介護が必要になったときには継続的なサービスが受けられるというコミュニティづくりを進める、日本版CCRC構想が期待されているのは存じております。しかし、一個人として立ち返ったとき、その人を支え続けていくのは、家族であるとともに地域であると思います。住み慣れたところで暮らし続けたいと思うのが人情であり、それを支えるのが政治の責任だと思います。
県では現在、市町村と連携した地域包括ケアシステムの構築に熱心に取り組むなど、高齢者に優しい県を目指しているものと受け止めています。本県としては、そうした施策を充実させて、高齢者に是非本県に残ってもらいたいという施策、言い換えれば埼玉県で自立自尊を目指す施策を強力に推し進めていくべきと考えます。
そこで知事に伺います。こうした日本創成会議による提言は一定の理解を示せるものではあります。しかし、高齢者がずっと本県に暮らし続けられるよう、また本県に残りたいと思ってもらえるように、全国一の医療・介護の体制を構築することこそが、真に必要なものだと私は考えますが、知事の御所見を伺います。

A 上田清司 知事
「高齢者がいつまでも埼玉県に暮らし続けられる医療・介護体制について~日本創成会議の高齢者の地方移住への反論~」についてのお尋ねでございます。
日本創成会議の今回の提言は、東京圏の重要な課題という問題意識は同じでありますが、少し雑な議論かなと私は思っています。
特に高齢者の地方移住ということについては、木村議員と同じように全く私の考え方と異なっております。
確かに2025年までの10年間に後期高齢者人口が約1.5倍、先ほど私、120万人と言ったかもしれませんが、118万人になります。
このことから、日本創成会議の提言が示した医療や介護需要の高い伸び率があることは間違いない事実です。
しかも、本県の介護施設のベッド数が約2万4千人分不足するという試算は、2025年の必要ベッド数を現在の介護施設などのベッド数と単純に比較しただけでございまして、その間全く増えないことを前提にしておりますのでこれも乱暴な議論で、増えないわけがないわけでありまして、そういう点では今後の本県の施設整備計画なども全く考慮しない単純な試算でないかということで、この辺についてはむしろ、こういうことは困るなと思っております。
次に、全国一の医療・介護体制を構築することについてでございます。
住み慣れた地域で生きがいを持ちながら安心・安全に生活し続けられることは、高齢者にとって基本的には最も幸せなことではないかというふうに思っております。
このため、医療においては、10年先の医療需要を見据えて地域医療構想を策定し、高度急性期から在宅医療までの切れ目のない医療機能というものを充実させていかなければならないと思います。
今年度からは郡市医師会などに在宅医療連携拠点を整備し、看護師などの専門職を配置のうえ、医師や訪問看護師などの関連職種によるチーム往診で患者を支える仕組みの構築を支援していきます。
介護においては、急速な高齢化の進展を踏まえて特別養護老人ホームの計画的な整備に取り組んできました。
その結果、御案内のとおり一都三県の中では待機者数が一番少ない現況にあります。
今後3年間で、特別養護老人ホームなどの介護施設を約1万5千人分整備してまいります。
先程2万4千人分足りないということですが、この3年だけでも埼玉県は1万5千人分、10年分の中で2万4千足りないということですが、現在の埼玉県は3年で1万5千人分を用意する計画でございます。
加えて、施設だけに頼ることなく、増え続ける医療・介護需要を抑制することも実はそれ以上に大事なことと思っております。
本県の75歳以上の後期高齢者の要介護認定率は現在約28パーセントでございますので、実は7割強の人達が要介護ではなくて元気だ、こんなふうに言えるわけでありますので、まさにこうした元気な人のパーセンテージを増やせないかということをもっと考えていかなければならないと私は思っています。
このために、高齢者の方々にいつまでも元気でいていただけるように、あるいは少々要介護の方も復活してもらうために、健康長寿プロジェクトなどを全県的に展開できるような形にしていきたいと考えているところです。
さらに、在宅医療や在宅介護サービスの充実を図りながら、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる「地域包括ケアシステム」の構築を市町村とともに努めていきたいと考えております。
できるだけ高齢者の方がずっと埼玉で暮らしていく、むしろ埼玉に移住したくなるようなことを私達はできるだけ考えて、それを推進していきたいと考えているところでございます。

〇健康長寿への取組「健康マイレージ制度・埼玉版」について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
健康で長生きしたい、これは誰もが願うことです。健康は、全ての人にとって幸せの源と言えます。高齢化が進行する中で、単に長生きするという寿命の長さではなく、健康で生き生きと暮らせる期間である健康寿命を延ばしていくことが大切だという視点から、昨今、健康寿命が注目されています。この健康寿命を延ばすべく、本県においては、平成24年度から健康長寿埼玉プロジェクトを進めており、これまでのモデル事業の取組の成果を今年度から全県へ普及、拡大し、健康寿命の延伸と医療費の抑制につなげることを目的としています。この3年間で健康長寿への一定の仕組みができたと評価をいたします。今後、国民健康保険が広域化する中で、約300億円ある国保の赤字を減らすことにもつなげていただきたいと思います。
本県における健康寿命は、平成22年のデータでは、男性が70.67歳で全国第18位、女性は73.07歳で同第38位です。まだまだ伸び代があります。今後、積極的に取り組むべきと考えます。そこで重要だと考えるのは、健康無関心層に対する健康長寿プロジェクトへの取り込み策であります。ここで、先日会派で視察させていただいた静岡県の健康長寿の取組を紹介いたします。
御存じのように、静岡県は都道府県として健康寿命1位を誇っており、「ふじのくに健康長寿プロジェクト」と称して様々な取組を積極的に行い、効果を上げています。私が注目したのは、日々の運動や健康診断の受診など健康づくりに取り組んだ住民が各協力店の用意する特典を受けられる健康マイレージ制度であります。その特典とは、市、町が健康づくりを行った住民に対して発行する優待カード(ふじのくに健康いきいきカード)を、ふじのくに健康いきいきカード協力店において提示することで、各店が用意したサービスを1年間利用できるというものです。取組の成果として、カード取得者は約1万2,000人、協力店舗数は740か所になっており、これらを広報費として換算すると11.6億円になるという試算もあるようです。
カード利用者の声としては、「仲間の飲み会でカードを提示したら、全員分の飲食代が5パーセントオフ、みんなに感謝された」(30代男性)や、「いつものスイーツ屋さんでポイントが2倍、ポイントをためる楽しみが増えました」(20代女性)など、若い利用者からも好評のようです。健康無関心層をターゲットとした取組として、また、健康長寿プロジェクトに参加するきっかけづくりとしては、この健康マイレージ制度は大変有効だと思いました。
そこで、保健医療部長に伺います。本県には、パパ・ママ応援ショップという取組があります。平成27年5月現在で協力いただいているお店は1万9,965か所ということです。この取組に参加しているお店に協力していただければ、本県でもスムーズに健康マイレージ制度を導入できるのではないかと思います。健康長寿を実現するためには、若者と健康無関心層の取り込み策が必要です。健康無関心層を取り込むための施策として、健康マイレージ制度・埼玉版を取り入れることを提案したいと考えますが、保健医療部長の御見解を伺います。

A 石川 稔 保健医療部長
健康づくりは、多くの人が長く継続して取り組むことが何よりも重要です。
しかしながら、若者や健康に不安のない方の中には、健康づくりに関心が薄い方が多いのも事実でございます。
健康づくりに無関心な方々に、生活改善を促す仕掛けの1つとして「健康マイレージ制度」や「健康ポイント制度」は有効であると考えます。
健診受診や毎日の歩数などに応じてポイントを貯め、貯まったポイントを地域商品券や地域の特産品と交換したり、景品があたる抽選に参加することなどができます。
日頃のちょっとした運動で景品がもらえるため、運動を始めるきっかけになったり、運動を継続するモチベーションになったりすることが期待されております。
国におきましても、予防・健康づくり事業の柱の1つといたしまして、健康づくりに取り組む個人に対し、各保険者がヘルスケアポイントを付与することができるよう健康保険法などの法律の整備がなされたところでございます。
パパ・ママ応援ショップを活用した健康マイレージ制度についての御提案をいただきました。
パパ・ママ応援ショップを健康マイレージの協力店として活用するためには、改めて健康マイレージ制度の趣旨を協力企業や商店に御理解いただくとともに、健康マイレージカードを交付した後も県民の皆様が健康づくりに継続して取り組み続けられるような制度設計の検討が必要になってくるものと考えております。
一方、「健康マイレージ」の取組は、すでに県内14市町村で始まっております。
例えば、加須市では、健診受診や健康講座に参加することでポイントを貯めて「地域商品券」と交換できる「かぞ健康マイレージ」を平成26年度から実施をしております。
ポイントの貯め方やポイントと交換できる商品や特典などは、地域ごとに特色があり、実施する市町村では、市民の健康づくりが地域に還元されるよう工夫を凝らしています。
今年度から普及を始める「健康長寿埼玉モデル」でも「健康マイレージ」の導入を推奨しております。
モデル市となった20の市や町でも、「健康マイレージ」を取り入れるところがございます。
先ほどお話しましたとおり、法律改正がなされ、来年4月から施行されることから、国民健康保険の保険者である全市町村で健康マイレージの取組を活用した住民の健康づくりがさらに進められていくものと思われます。
県では、市町村がマイレージ制度を導入する場合には、より効果的な制度運営がなされるよう積極的にアドバイスをしてまいります。
また、マイレージ制度にかかる運営経費を健康長寿埼玉モデルの補助対象事業費に加えることで、市町村をしっかりと支援をしてまいります。
さらに、市町村国保のヘルスケアポイントの取組を促すため、県の財政調整交付金による支援も行ってまいりたいと考えているところでございます。
県といたしましては、まずは、このような市町村の多彩で主体的な取組を支援することで、若者や無関心層の健康づくりへの意識を高め、県内全域に健康づくりの取組を拡大してまいりたいと考えております

〇埼玉県の墓地問題について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
健康で長生きする、そして天寿を全うした後は、家族や友人に葬ってもらい供養してもらう。彼岸やお盆に家族でお墓参りをする風習は、大切にしたい日本の風習の1つであります。医療・介護の問題とともに、亡くなった後のお墓の問題も、人生を考える上で非常に大切な問題であります。
しかし、埼玉県の墓地事情は大変厳しいものと認識しております。高齢化の進展で、今後お亡くなりになる方が大幅に増加し、県内の死者数はこれまでの30年間で約122万人だったものが、今後30年間では約260万人と大幅に増加するとのことであります。特に埼玉県では、高度成長期に他県から転入した方が多く、これらの方は県内で新たに墓地を購入する可能性が高いと考えられます。そのため、県内の墓地事情は、人口が集中する県内地域で爆発的に増加すると予測されることなどから、今後30年間の墓地需要予測は県全体で約99万体となっています。しかし、市町村や宗教法人、公益法人による墓地供給予測は約62万体。よって、約37万体の墓地が不足すると予測されています。
また、埼玉県においても少子化、核家族化が進む中、墓の管理、継承がままならないというような問題もございます。私も地元を回っているときに、お墓を持たないため、骨つぼを自宅に置いている方を目にすることがあります。経済的な理由でお墓を持てない、子供や孫がいないからなどがその理由のようです。
そうした背景もあり、本県では、都道府県レベルでは全国でも数少ない、緑ゆたかなメモリアルガーデン事業の取組を始めています。その計画面積は約10ヘクタール規模を想定、公園や緑地を配備、芝生型、樹木葬型、慰霊碑型の3種類のお墓を用意して、価格対応も柔軟になるとも伺っております。また、宗教は問わず、継承者がいなくても安心して眠ることができるよう期限付き利用方式を導入するなど、多様な県民ニーズにも対応した内容になっています。そして、何よりも県が取り組むことで安定的に運営することができ、県民にも安心を与えることができると考えます。私はこの取組に注目し、高く評価しています。埼玉県特有の墓地事情から見ても、都道府県レベルとしては全国でも数少ないこの取組を進めるべきであると考えます。
しかし、平成27年2月定例会における予算特別委員会では、「霊園については、個人の価値観、ライフスタイルによるところが基本であり、県が主体的に行うに当たっては、今後の墓地需要や多様化する県民ニーズを更に精査し、市町村や民間での整備が困難である状況を十分確認して取り組むべき」との附帯決議がつきました。個人の価値観、ライフスタイルによるところが基本であるという附帯決議の内容も理解はできますが、今後発生するニーズを考えると、今から対応するべきだと考えます。医療・介護の問題とともに、お墓の問題も人生を考える上で非常に大切な問題であります。今後、附帯決議の内容を踏まえつつも、丁寧な説明をしながら前向きに進めていくべきと考えますが、これからの取組について公営企業管理者にお伺いいたします。

A 中野 晃 公営企業管理者
超高齢社会の到来により、今後お亡くなりになる方が大幅に増加します。
また、少子化や核家族化の進展、自然志向の高まり、経済的な理由などにより墓地に対する県民ニーズも多様化しています。
企業局としては、こうした状況に対応するため墓地整備の検討を行ってまいりました。
検討にあたっては、本県における墓地の需給状況や墓地に対する県民ニーズを的確に把握することが何より重要であると認識し調査を進めてまいりました。
その結果、企業局でも墓地整備の一端を担うべきと判断し予算計上したところでございます。
平成27年度予算に対して「県が主体的に行うにあたっては、今後の墓地需要や多様化する県民ニーズをさらに精査し、市町村や民間での整備が困難である状況を十分確認して取組むべき」との附帯決議をいただきました。
この附帯決議を受けて、現在、更なる詳細な調査を実施しております。
具体的には、墓地の供給について、市町村や宗教法人による墓地の整備状況などを関係団体の協力もいただきながら丁寧に確認をしております。
また、墓地の需要や県民ニーズについて、墓地の所有状況や取得の意向、さらには芝生墓地、樹木葬墓地などの新しいスタイルの墓地へのニーズを確認するため、あらためて県民へのアンケート調査を実施します。
これらの調査や分析結果を踏まえ、県議会のご理解をいただきながら事業化に向けて取り組んでまいります。

〇投票率向上に向けた取組について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
本年4月の統一地方選挙では、本県における県議会議員選挙の投票率は37.68パーセントでありました。聞くところによると、史上最低の投票率を記録してしまったとのことです。平成25年7月の参院選では、インターネットを利用した選挙運動が解禁となり、若年層の投票率向上が期待されたものの、投票率は依然として向上していないのが現状であり、この状況はかなり深刻なものと受け止めております。具体的な効果を生む取組が必要だと考えます。
開票の速さよりも、投票率の高さを各選挙管理委員会が重要視して、それぞれがもっと工夫し、競い合うべきではないかと私は考えます。そして、投票率が高かった選挙管理委員会に対しては何らかのインセンティブを与えてもよいのではないかとも考えます。県内においても、投票率向上に向けて独自の工夫をしている選挙管理委員会もございます。
さきの統一地方選挙において、私がお手伝いに赴いた越谷市では、公営掲示板に投票率向上に向けた工夫がなされていました。どういったものだったかと申しますと、公営掲示板に期日前投票の告知として、期間、場所、時間の記載があるほか、QRコードを使った統一地方選挙に関する情報が各候補者のポスターと並んで大きく掲示されていました。こんな感じでございます。この部分が、非常に変わっている部分でございます。それは、有権者の視点に立った大変分かりやすいものであり、私自身は他の地域では見たことのないものでした。そして、これは他の市町村の選挙管理委員会の参考になるのではと思いました。今後は、このような投票率向上に向けて積極的に取り組んでいる各選挙管理委員会の取組とその効果を県が調査して、効果があったものは公表し、その事例を積極的に取り入れ、利用、活用するように促すべきではないかと考えます。
そこで、次の2点について、まずお伺いいたします。
投票率向上に向けた取組として、投票率が高かった選挙管理委員会に対しては、何かしらのインセンティブを与えてみてはいかがでしょうか。また、県内で投票率向上に効果があった各選挙管理委員会の取組事例を紹介し、積極的に活用すれば、全県的にも効果があるのではないでしょうか。
以上についてどのような御見解をお持ちか、選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。

A 滝瀬副次 選挙管理委員会委員長
まず、「投票率が高かった選挙管理委員会に対し、インセンティブを与えてはどうか」についてでございます。
県選挙管理委員会では、各選挙の市町村ごとの投票率の状況が一目でわかるような地図を作成し、ホームページで公表しております。
また、国政選挙の実施に際しましては、他の模範となる市町村選挙管理委員会の委員に対して総務大臣表彰が行われております。
本県では、被表彰者の推薦に当たっては、投票率の伸び率を考慮しているところであります。
県選挙管理委員会といたしましては、各市町村選挙管理委員会が投票率の向上に意欲を持つよう、引き続き取り組んでまいります。
次に、「投票率向上に効果があった市町村選挙管理委員会の取り組み事例を紹介し、積極的に活用してはどうか」についてでございます。
議員御指摘の公営ポスター掲示板にQRコードを表示する取組については、県内では久喜市選挙管理委員会が昨年4月の市長・市議の同日選で実施したのが最初の例と承知しております。
越谷市の取組は、さらに職員のアイデアを採用して期日前投票の案内も追加をしたものであります。
県選挙管理委員会では、市町村選挙管理委員会の職員をメンバーとして選挙事務の改善のための研究会を毎年開催しております。
これまで、例えば開票の迅速化を図る取組について事例集をまとめ、また、意思疎通が困難な有権者への投票所での対応方法を整理するなど、優れた事例を各市町村に紹介してまいりました。
選挙管理委員会といたしましては、今後はより多くの取組について市町村に紹介し、活用していただけるよう取り組んでまいります。

〇無投票選挙区における選挙事務の適正化について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
無投票になった選挙区においての無投票が決まった後の各選挙管理委員会の対応についてであります。私が目にしたことをお話ししますと、各市町村選挙管理委員会によって、無投票が決定したその後の対応に差がありました。例えば無投票が決定した翌日には公営掲示板の撤去を始めた選挙管理委員会もありましたし、そうではなく、当初の投開票日である4月12日を過ぎても候補者のポスターを貼ったまま掲示板を残していた選挙管理委員会もありました。一方、候補者に対する指導においては、無投票が決まった後のポスターや看板の掲示、また街頭演説などは、4年後に向けての選挙活動とみなされる可能性があるとのことでしたが、その点から見ても、各市町村選挙管理委員会で対応が違うのはいかがなものかと思います。
そこで、無投票となった場合の留意すべき点について、市町村選挙管理委員会に周知徹底を図るべきだと考えますが、このことについても併せて選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。

A 滝瀬副次 選挙管理委員会委員長
無投票になった場合、公営ポスター掲示板は不要となりますが、撤去については業者の手配の必要などもあり、各市町村の実情に応じた対応をせざるを得ません。
他方、有権者に投票が行われるとの誤解を与えないよう、公営ポスター掲示板に無投票となった旨を直ちに表示することが必要となります。
また、無投票になったことの住民への呼び掛けや指定施設に不在者投票の中止を連絡するなどの対応も必要となります。
候補者の皆様においても、街頭演説や選挙運動用自動車の使用を行わないことや、選挙事務所の看板等を撤去していただくことなどが必要となります。
こうした無投票の場合に生じる事務については、適正かつ迅速に実施されるよう、市町村選挙管理委員会に対し周知を図ってまいります。

〇青少年の健全育成に向けたスポーツ団体の活動について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
お子さんが野球をやっているある保護者から、少年野球の現場に勝利至上主義がまん延し、子供が大人の都合で動かされているといった相談を受けました。具体例を3つ挙げます。1、打球が飛んだ瞬間、対戦相手の子供に向かって「やるよ、やるよ。落とせ、落とせ」といった心ないやじが飛ばされる。2、バッターの子供が高目のボール球を空振りしたりフライを打ち上げたりすれば監督から怒鳴られる。3、1つのプレーごとにベンチから指示が出て、子供は大人の言うとおりにしかプレーすることを許されない。
以上のように、青少年の健全育成といった本来の趣旨とは大きくかけ離れてしまっている光景がごく当たり前のように見られるということです。
こうした現実に警鐘を鳴らしている団体もあります。プロ野球、読売巨人軍の元選手であり、県内在住の佐藤洋さんという方が代表を務めるNPO法人日本少年野球研究所では、県北東部の体育館で小中学生を対象に夜間スクールを開いています。このスクールでは、佐藤さん御自身が現役中、たび重なる故障に悩まされた経験をもとに、野球の技術そのものよりも、小中学生の時期にこそ重要な身のこなし、バランス、柔軟性といった運動能力を高めることに重きを置き、子供たちが将来どんなスポーツを行う上でも役に立つ体づくりを指導しています。
佐藤さんはブログも立ち上げており、その中で、子供に勝利の喜びを味わってもらいたいという指導者や保護者の願いが、勝利至上主義という行き過ぎた方向に進んだ場合の弊害、危険性を繰り返し訴えておられます。子供にたくさんの時間と運動量をこなさせ、大人の都合の良い形にはめ、特定の選手に連投させたりすれば、確かにチームの勝利に結び付くのは容易でしょう。しかしながら、その先には投げ過ぎによる故障につながったり、大人の顔色ばかりをうかがって自分の判断では動けない子供をつくり出してしまうことになりかねません。正に、大人の都合で犠牲になるのは子供たちです。このことをスポーツ団体の指導者や保護者に認識してもらう必要が大いにあると考えます。
一方で、公益財団法人日本体育協会に登録されたスポーツ少年団を調べてみると、指導者及びリーダーの役割、心得がきちんと定められており、しっかりとした組織活動がなされているのではないかと考えられます。
そこで、お伺いいたします。今回は少年野球の現場を例に問題提起しましたが、先ほど申し上げたように、ごく普通のスポーツ少年団で、次世代を担う子供たちの健全な育成とは大きくかけ離れた大人の指導が現に行われてしまっていることに対し、県として何も手を打たないというのはいかがなものかと思います。スポーツ団体の活動が青少年の健全な心の成長、土台づくりにつながるような方策の必要性を県としてどのようにお考えでしょうか。例えばですが、日本体育協会スポーツ少年団での事例、ノウハウがせっかくあるわけですから、そうした望ましい事例を参考にするなどして、スポーツ団体の活動に大人がどう関わればよいかについて、県として発信する取組を行ってみてはいかがでしょうか。まずは指導者の意識改革のきっかけづくりが必要かと考えます。
以上、県民生活部長にお伺いいたします。

A 福島 勤 県民生活部長
子供たちがスポーツに親しむことは、生涯にわたってたくましく生きるための健康や体力の基礎をつくることはもちろん、心の成長にもつながります。
例えば、サッカーや野球などのチームスポーツでは、協調性や仲間を思いやる心が、また、剣道や柔道などの武道では、礼節や相手を敬う態度が育まれます。
お話のありましたスポーツ少年団は、自主的で自発的な活動であること、そして、協調性や創造性を育み人間性豊かな社会人としての成長をもたらすことを活動の基本としております。
スポーツ少年団に限らず子供を対象としたスポーツ団体は、こうした理念のもと、心身ともに健やかな子供たちを育成していくことが大切です。
また、子供たちがスポーツの楽しさ、すばらしさを実感するためには、議員お話のとおり、どのように大人たちが関わっていくかが非常に大切になります。
子供の成長段階を無視した長時間の練習や、主体性を妨げる指導など、目先の結果だけにこだわった勝利至上主義については、生涯にわたりスポーツを続けるという観点からも大変問題があると考えております。
指導者には、スポーツの魅力を伝え、適切な技術指導を行うことはもとより、フェアプレーの精神や協調性など、豊かな人間性を育む温かい指導を行うことが求められております。
また、保護者や地域住民にも、こうした理念を理解していただくことが重要であると考えております。
そこで、県といたしましては、スポーツ少年団に対しては引き続き、統括団体である県体育協会と連携をしながら、指導者研修会などを通じて、スポーツ少年団の基本理念に基づいた指導を行うよう徹底してまいります。
また、それ以外のスポーツ団体に対しましても、好ましい指導方法や保護者との関係づくりなどの事例を提供し、指導者の意識改革について働きかけてまいります。

〇羽田空港機能強化に関する航空経路について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
国土交通省では、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、新たな飛行経路の設定などによる羽田空港機能強化に取り組んでいます。昨年6月の首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめで、羽田空港の日中の離発着回数を増やすために新たなルート案が発表されました。
県内は2本のルートが関係しており、そのうちの私の地元さいたま市の南区を通るルート案では、本県上空は東部の松伏町から進入して越谷上空を通過、その後、さいたま市内に入り、JR武蔵浦和駅付近上空を通過し、荒川付近の上空で左に旋回して都内に入るというもので、大まかなイメージとしては、JR武蔵野線の上空を沿うように本県内上空の航路をとることになります。飛行高度は6,000フィートから3,000フィート、メートル換算でおよそ1,800メートルから900メートル、私の地元さいたま市南区上空での高度は3,000フィートということで、約900メートル上空を旅客機などが通過することになります。時間は午後3時から7時までの最大4時間で、1時間当たり13本が上空を通過するという計画です。約900メートルということからイメージすると、スカイツリーの少し上を1時間に13本の飛行機が飛ぶということになり、地域住民の生活に影響を及ぼすことも予想されます。
将来に向けて、羽田空港の機能強化に伴う今回の新たな航空経路の必要性については十分認識しています。しかし、地域住民の生活に影響を及ぼす今回の新ルートの問題については、地域住民から十分な理解をいただくことが大切です。
そこで伺います。今後、地域住民に対して丁寧な説明をしていく必要があると考えますが、去年6月の首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめの公表以降の国の検討状況及び県の対応状況について、また、今後の検討スケジュールについてどうなっているのか、企画財政部長にお伺いいたします。

A 中原健一 企画財政部長
まず、国の検討状況及び県の対応状況についてでございます。
国は平成26年8月に「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」を設置し、関係自治体や航空会社などとの協議を開始したところでございます。
本県からは県及びさいたま市が出席を求められております。
県では関係12市町の副市長などで構成する連絡協議会を設置して情報を共有し、協議してきたところでございます。
本年1月に開催されました国の協議会においては、本県を含む関係自治体の当面の意見の集約がなされました。
その内容としては
・羽田空港の機能強化の必要性については関係者の理解が深まってきている
・他方で、その実現には住民の理解が必要であり、国に対して住民へ説明することや、騒音・安全に対する懸念への対応をしっかりすることを求める
ものとなっております。
このため、国は住民への説明について、まず本年5月にホームページを設け、住民に向けた情報提供を始めたところでございます。
また、国主催の説明会が本年の7月下旬から9月中旬にかけ、都内10か所と和光市及びさいたま市の県内2か所において開催されることとなっております。
次に、今後の検討スケジュールについてでございます。
国は東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに実現するためには、平成28年度政府予算の概算要求に施設整備に係る調査費などを盛り込みたいとの意向でございます。
また、今後環境対策や運用方法などの対応策についても検討し、住民への説明も行っていく考えでございます。
県としては引き続き住民の安心・安全に配慮し、関係市町の意見も踏まえながら、国との協議を進めてまいります。

平成25年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文

竜巻被害について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
埼玉県内で竜巻による被害が続いています。9月2日に発生した竜巻では、越谷市、松伏町で重傷者7名を含む負傷者63名、建物は全壊15棟、大規模半壊・半壊33棟、一部損壊を含めると1,000棟を超える建物被害が出ました。また、9月16日の台風に伴う竜巻では、熊谷市だけで建物の全壊26棟、半壊30棟、一部損壊を含めると400棟を超える建物被害が出ています。
まず、被災した皆さまに心からお見舞い申し上げます。また、関係部局の皆さまも連日お疲れさまでございます。感謝申し上げます。
わが会派でも即日災害対策本部を立ち上げ、その後、現地視察、ボランティア活動を行いました。実際に現地へ行くとその被害は想像をはるかに超え、これだけの被害を受けながら死者が出なかったのが不思議なぐらいの状況でありました。現地でボランティア活動を行った際に、お手伝いした家のご主人から出た言葉、「屋根の修理だけで1,000万円以上かかると言われた。今後の生活については全く考えることさえできない」が忘れられません。被災者の皆さんは共通して建物の修繕費用について大きな不安を抱えています。
現場で感じたことは、この災害を運が悪かった、気の毒だということで終わらせてはならないということであります。少しでも早くこの被害から立ち直っていただきたい、その思いで質問いたします。
これだけ大きな被害をもたらした竜巻ですが、これまでわが国における自然災害といえば、地震、津波、台風および火山の噴火などであり、竜巻についてはあまり考慮されていませんでした。今回の被害により竜巻への対策が遅れていることが明らかになったわけであります。
まず、竜巻そのものに対する対策について、危機管理防災部長に3点伺います。
1点目は、県の地域防災計画についてであります。県の地域防災計画には竜巻対策が入っていません。まず、早急に地域防災計画に竜巻対策を入れることを検討するべきだと思いますが、お考えを伺います。
2点目は、竜巻注意情報についてであります。竜巻注意情報の予測精度は高くないとされていますが、これをどのように活用するのか、また、竜巻情報を早く正確に伝えるためにどのように取り組んでいくのか伺います。
3点目は、竜巻発生時の対処法についてであります。竜巻発生時にどう逃げるのかといった対処法については、ほとんど知られていませんでした。今後、対処法について検討し、その対処法の周知も必要であると思いますが、どのように取り組んでいくのか伺います。
以上、3点について危機管理防災部長にお伺いいたします。
次に、学校における対応についてでございます。
竜巻から子供たちを守るためには、今後、学校においても竜巻への対処法の指導や防災マニュアルの策定が必要になると考えますが、今後の取り組みについて教育長にお伺いいたします。
最後に、被害に対する支援について知事にお伺いいたします。
被災者に対する生活再建支援については、国の支援制度だけでは不十分だと考えます。被災者生活再建支援法による支援では、今回のように市町村により受けられる支援にばらつきが出てしまいます。それを補うために、県独自の生活再建支援制度の創設を考えるべきではないでしょうか。そして今後、竜巻対策についての包括的な見直しを提起し、県民が安心できる体制を構築しなければならないと思いますが、知事のお考えとご決意をお伺いいたします。

A 上田清司 知事
まず、「竜巻被害について」のお尋ねのうち県独自の支援制度の創設についてでございます。
被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災を契機に地震による広範囲の被害を想定して、平成10年の5月に制定されました。
被害は甚大であっても局地的で、全壊世帯が10世帯に満たない竜巻のような災害は想定されていませんでした。
このため、昨年7月には全国知事会が、竜巻被害にも対応できるように制度の見直しを国に要望しておりました。
また、越谷市、松伏町の竜巻発生に伴い、県では9月9日に内閣府特命担当大臣に対して法律の弾力的運用についての要望書も提出しております。
一方で私も、議員ご指摘のように国の制度を補う県独自の支援制度について検討が必要ではないかと考えております。
過去の災害での対応に加え、今後起こり得るであろう大規模災害の規模や財政負担、また、火災保険などで地道に掛け金を払っている人との整合性なども考えなければならないと思います。
県民相互の扶助制度としてのレベルが、どの程度が適切なのかということについても、市長会や町村会ともしっかりと交渉のテーブルを持たなければならないと思っております。
次に、竜巻対策の包括的な見直しと県民が安心できる体制の構築についてでございます。
竜巻は、その原因がわかっていないため、発生時刻や場所も予想できず、対策を立てることが極めて困難になっております。
竜巻の対策を包括的に見直すためには、発生メカニズムの解明が何よりも必要であります。
発生メカニズムや発生しやすい場所などが分かれば、それに応じた注意情報や住宅改修なども可能になります。
竜巻は気象だけではなく、地形的条件、土地利用やまちづくりなどが幅広く関係しているのではないかというふうに言われております。
このため、県では9月20日に内閣府に対して発生メカニズムの解明のための省庁横断的・学際的な研究や予算措置について要望いたしました。
また、私自身も、そう遠くない時間内で、菅内閣官房長官や古屋内閣府特命担当大臣に直接会ってこうした問題について政府として真剣に取り組んでいただくように働き掛けたいと思っております。
当面、今後も竜巻が起こり得ることを前提にした上で、住宅の新築、改修などについては、耐震のみならず竜巻対策も視野に入れた技術的な方法を、広く住宅メーカーなどに問題提起もしなければならないのかと考えざるを得ない状況です。
一刻も早く、県民が安心できる体制を構築すべく、国とも連携を図って取り組んでまいります。

A 福島 亨 危機管理防災部長
まず、地域防災計画に竜巻対策を位置づけることについてでございます。
県内における竜巻は、最近では平成14年にさいたま市で全壊1棟、同年に深谷市で全壊7棟の被害がございました。
それ以前にさかのぼると、昭和51年に旧岡部町で全壊1棟の被害でございました。
このため、本県では住家が全壊するような竜巻被害はまれにしか起こらないものと認識いたしておりました。
しかし、今回、短期間に竜巻が立て続けに発生し、大きな被害をもたらしたことから、埼玉県は竜巻が発生しやすい環境となっているという恐れもございます。
そこで、今年度に策定する地域防災計画には竜巻災害をしっかりと位置づけ、必要な対策を盛り込んでまいりたいと存じます。
次に、竜巻注意情報の活用と伝達についてでございます。
竜巻注意情報は、竜巻が発生しやすい気象状況になった段階で、気象庁から発表されます。
県では、竜巻注意情報を市町村へ伝達するとともに、防災情報メールに登録した県民の皆さまに通知いたしております。
しかし、この情報は県内全域を1つの単位として発表され、的中率が数パーセントと低く、具体的な竜巻の発生場所を予報する警報とはなっておりません。
このため、竜巻の発生メカニズムの解明など、早期の技術的な改良を国に要望いたしているところでございます。
今後、国と連携して、迅速的確に竜巻情報を県民の皆さまに伝えられるよう取り組んでまいります。
次に、竜巻発生時の対処法の検討と周知についてでございます。
竜巻注意情報が発表され、黒い雲が急速に大きくなって、雷が鳴り、急に冷たい風が吹いたりした場合には、竜巻が発生する可能性が高い状況でございます。
取るべき対処方法としては、頑丈な建物への退避や、窓ガラスから離れる、壁に囲まれたトイレなどに逃げ込むなどが挙げられます。
現在、具体的な竜巻警報が技術的に出せない状況では、このような具体的な対処法を県民の皆さまに分かりやすい形で示し、人的被害を最小限に食い止めるための啓発に取り組んでまいります。

A 関根郁夫 教育長
9月2日に越谷市周辺で発生した竜巻被害については、翌3日までに情報収集や現地調査を行い、同日付けで市町村教育委員会と県立学校に「竜巻発生時における児童生徒の安全確保について」通知をいたしました。
通知では、学校が最新の気象情報を把握するよう努めることや、異常気象が発生した際の児童生徒の安全確保の方法について、屋内、屋外別に示しました。
具体的には、屋内にいる場合は、窓やカーテン・ドアを閉め、できるだけ窓から離れること、屋外にいる場合は、頑丈な構造物の物陰に入って身を小さくし、頭部を守ること、などです。
県といたしましては、各学校の防災マニュアルに、竜巻発生時の対応についての項目を加えることが必要であると考えております。
現在、学校被害の大きかった越谷市を中心に、災害当日、学校が「うまく対応できたこと」や「課題として明らかになったこと」について聞き取り調査を行っております。
文部科学省や気象庁からの新たな情報にも注視し、調査結果がまとまり次第、各学校がすみやかに防災マニュアルに竜巻の項目を加えられるよう、資料提供を行うなど、市町村教育委員会や学校を支援してまいります。
竜巻はいつでも、どこでも発生する可能性があります。今回の経験を踏まえ、日常的に、児童生徒が自ら身を守ることができるよう、全ての学校の防災教育の充実に努めてまいります。

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を受けて

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
私たち日本国民の悲願であった2020年東京オリンピック・パラリンピック開催が決まりました。大変喜ばしいことでございます。オリンピック開催地の選定に当たり、IOC委員の皆さんは安全・安心な日本を選びました。時間通りに電車が出発する、落とし物は警察に届く、心を込めておもてなしをするといった日本人では当たり前のことが、IOC委員の皆さんの心に響いたのだと思います。これでラクビーワールドカップ2019、2020年東京オリンピック・パラリンピックと世界的なスポーツイベントが日本で続くことになりました。
前回、1964年の東京オリンピックを契機に日本社会は大きく変わりました。この東京オリンピックは、アジア地域で開催された初のオリンピックで、敗戦後復活を遂げた日本が国際社会の中心に復帰するシンボル的な意味を持ちました。東海道新幹線や首都高速道路といったインフラも東京オリンピックを契機に整備され、埼玉県内でも大宮公園サッカー場のサッカー、戸田漕艇場のボート競技など5つの競技が開催されています。
2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会が発表した試算によると、オリンピック開催による経済効果は約3兆円で、その内訳は一般飲食業や宿泊・広告などのサービス業が6,510億円、建設業が4,745億円、商業が2,779億円となっています。私たちは、今回もこのオリンピックを契機に新しいコンセプトに基づいた都市づくりを進めながら大会を盛り上げ、東日本大震災後の日本の復興を前に進めることが必要だと考えます。
同時に、私はこのオリンピックの開催を日本国民の心を一つにする復興のシンボルとして、国民が連帯感を持ち、震災から復興して生まれ変わるきっかけとして、未来ある子供たちに夢を与えることが必要だと考えます。
今回のオリンピックでは埼玉県でも幾つかの競技の開催が予定されているとお聞きしておりますが、2020年東京オリンピック・パラリンピックは埼玉県にとっても最高のアピールチャンスであると考えます。
そこで、知事に伺います。上田知事が考える今回のオリンピック開催の意義とは何でしょうか。また、オリンピック開催に向けて、これからの7年間でどのような県民ムーブメントを起こそうと考えていらっしゃるでしょうか、知事のご見解をお伺いいたします。

A 上田清司 知事
「2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を受けて」のお尋ねのうち、今回の開催の意義についてでございます。
1964年の東京オリンピックは戦争で焼け野原になった日本が経済協力開発機構に加盟する大きな力になり、国際社会の表舞台に復帰する象徴になりました。
また、新幹線や高速道路などのインフラ整備も進み、日本人にとってみれば自信と誇りを取り戻した契機になった年ではないかと思っています。
今回は、東日本大震災の復旧復興を2020年までに成し遂げるということを世界に約束をしました。
このことを私は第一の意義にしたい、こんなふうに思っております。したがいまして、開催都市のオリンピックでありますけども、日本オリンピック・日本パラリンピックと呼びたいと思っております。
一日でも早く被災地の全てのインフラを復旧し、新しい家を造り、街並みを復活させなければなりません。
東北の復旧復興を終わらせ、日本は連帯感に結ばれた優しくて強い国だと、そういうメッセージを世界に発信すべきだと思っています。
2つ目は、世界最大、最高のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックでありますから、青少年に夢や希望を与え、努力することの大切さを学ぶ機会になる、このように思います。
大会成功に不可欠な日本選手の活躍に向けたジュニア選手の強化、国際的視野を持った人材や「おもてなし」の心を持った人材の育成などにもつながっていく、このように思います。
3つ目は、我田引水ではありますが、本県への観光客の誘致をはじめ県内経済の活性化にもつなげていくチャンスとしても捉えたいと思います。
東京オリンピックの28の競技のうち、サッカー、ゴルフ、射撃の3競技が本県で行われます。国内はもとより外国から多くの方々が埼玉にも観戦に来られます。
こうした方々に、川越の蔵造りの町並みや長瀞のライン下り、秩父といった埼玉の自然など、本県の魅力を味わっていただくチャンスだと思います。
次に、どのような県民ムーブメントを起こそうと考えているのかについてでございます。
半世紀ぶりに開催されます東京オリンピック・パラリンピックは、国民一人一人の理解と協力なしにはできません。
文部科学省では、「体力・スポーツに関する世論調査」を3年ごとに実施しております。今年1月の調査では、オリンピックなど国際的なスポーツ大会の開催は92パーセントの人に支持されております。
オリンピック・パラリンピックのムーブメントを起こす素地は十分にあると思います。
今後は、来年2月までに立ち上がる大会組織委員会と十分連携しながら、県民、関係者一丸となってオリンピック・パラリンピック開催を盛り上げていくような仕組みを考えております。
そのため、埼玉として、オリンピック・パラリンピックのテーマやシンボルをどうするか。それに向けた県民の結集をどうするかなどの課題があります。
また、2020年までに解決すべき課題や取り組むべき政策についての工程表も考える必要があります。
これらの課題について、県の体育協会をはじめ市町村や経済界などの関係団体ともしっかり打ち合わせする必要もあるかと思っています。
こうしたプログラムを今後、県議会の皆さまにも諮りながら、しっかり取り組んでまいります。

首都機能のバックアップについて

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
政府の地震調査研究推進本部の評価によりますと、南関東でマグニチュード7程度の地震がこれから30年の間に発生する確率が70パーセント程度と想定されています。こうした首都圏における大規模地震に関しては、人口や諸機能の巨大な集積、密集による膨大な被害の可能性と同時に、その被害の全国への波及が強く懸念されてきました。
東日本大震災を機に首都東京への機能集中が改めて問題視され、国土全体での機能分担、首都圏での大災害発生時における首都機能の継続性が課題となっています。今後予想される大災害に対応するため、首都機能の分散が必要との認識が高まり、バックアップ論議も盛んになってきました。
昨年2月の私の一般質問に対して、上田知事は、「本県は、首都圏の中で首都機能のバックアップ体制を担う役割が本来与えられている」との認識を示され、また、6月定例会においては、「さいたま新都心こそ緊急災害対策本部の陣頭指揮の場所にふさわしい」との考えを示されています。
また、昨年5月の九都県市首脳会議では、首都圏の防災力の強化に関する提言が行われ、首都圏を構成する九都県市の集積を生かした迅速に機能し得るバックアップ機能の整備と体制の機能の議論を深めるなど、さまざまな被害状況に的確に対応できる「多層的なバックアップの在り方を早急に検討すること」を国に要望しているところであります。
このように首都機能のバックアップ論議が高まっておりますが、私は埼玉県が首都機能のバックアップを担うにふさわしい県であり、その責務は大変大きいと考えます。報道によると内閣府は、東京が大災害で被災した際、代替拠点とするための都市の選定に乗り出すとのことです。それによると、中央省庁が担う行政機能を金融経済、災害応急対策、防衛、警察など6分野に分類し、災害時に維持する施策を検討するというもので、首都直下地震のような大災害が起きた場合は、行政機能を丸ごと都外に移すことも想定しており、その候補地の一つとしてさいたま新都心も挙げられているとのことです。
私はこの機会を捉え、さいたま新都心を首都機能のバックアップ都市とし、その機能の強化を推進していくべきだと思いますが、知事のご見解と今後の取り組みについてお伺いいたします。

A 上田清司 知事
内閣府が今年3月にまとめた「政府中枢機能の代替拠点に係る基礎的調査業務報告書」でも、さいたま市は候補地の一つに数えられました。
すでに警察庁、経済産業省は、災害発生時の業務継続計画において、さいたま新都心合同庁舎を代替拠点として位置づけております。
私もさいたま新都心が首都機能バックアップの拠点として有望であると考え、機能強化を各方面にこれまでも働き掛けています。
さいたま新都心がバックアップ拠点として優れている点は、次の3点にあるのではないかと思います。
1つ目は、想定される大規模災害における被害が比較的少ない点であります。
さいたま新都心は大宮台地に位置し、しっかりとした地盤が上尾、桶川方面に向かって広がっています。
8月に発表した首都直下地震における新都心の想定震度は5強であり、新都心の高層ビル群やライフラインへの影響はほとんどありませんでした。
東京、神奈川、千葉と比較して、被害が比較的少ないものと考えられます。
南海トラフ巨大地震が発生した場合でも、その想定内においては本県の被害は比較的軽微だという分析が伝えられたところでもございます。
県内の被害を最小限に食い止めた後、即バックアップ体制を取ることができるのが、本県ではないかと思われます。
2つ目は、地の利を生かし、迅速に代替機能を発揮することができる点でございます。
さいたま新都心は都心から約20キロメートルの位置にあり、短期間で機能移転が完了できます。
国の省庁の機関が17ほど集積しており、すぐに代替機能を発揮することもできます。
出先機関を持たない省庁も、周辺に存在する既存のビルやホテル、貸し会議室などを活用することも可能です。
省庁の代替拠点が首都の近くに置かれることで、復旧・復興のための取り組みが迅速に進むことが予想されます。
3つ目は、バックアップ拠点で活動する国の職員の生活基盤の確保が容易であることです。
埼玉県内に居住する国の職員も多く、こうした職員はすぐに代替拠点での活動が可能です。
本県は、代替拠点で活動する要員の住宅など、生活環境の確保についても十分対応できるものだと考えられます。
こうした利点のほか、南海トラフ巨大地震が発生し、東海道方面の道路網が寸断された場合でも、内陸の道路網が確保できます。
首都復興の司令塔として、東北道、関越道、圏央道などの高速道路網を活用し、北日本、西日本からの物資などを首都に送り込むことができます。
さらに、近隣には広大な大宮駐屯地と陸上自衛隊第32普通科連隊があります。
他の候補であります札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡に比べ、さいたま新都心は、首都の復興を指揮するのに優れた立地条件ではないかと思っております。
首都の復興なくして、日本の復興はありません。
そういう意味で今後とも本県の優位性というものをしっかり示して、国に対してバックアップ拠点としての位置づけを明確にするようにお訴えをしていきたいと考えております。

キャリア教育の推進について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
関東財務局の「経済情勢報告」によると、埼玉県に関する景気の総括判断は「緩やかに持ち直しつつある」との判断だということです。しかし、雇用については引き続き厳しい状況が続いています。そうした中で、私たちは若者が働き続けることができる環境を整備しなければなりません。幸いなことに埼玉県には優れた中小企業が数多く存在します。しかし、そうした企業と若者とのマッチングは必ずしもうまくいっていないのが現状です。教育の場から労働の場への円滑な接続を行うための取り組みが必要ではないかと考えます。
その取り組みの一つで、今年度から文部科学省の事業として、2012年6月に策定された若者雇用戦略に基づいて地域キャリア教育支援協議会設置促進事業が実施されています。この事業では、地方自治体、学校、労使団体、NPO等が参加し、地域の実情に応じ学校による就職支援の強化、企業やNPO等による出前授業、職場体験やインターンシップ施策、労働団体等によるワークルール遵守の徹底といった労働教育が行われています。埼玉県においては、独自に若年者へのさまざまな施策が実施されていますが、今後こういった取り組みをさらに強化しなければなりません。
そこで、教育長にお伺いいたします。若者雇用戦略に盛り込まれた施策を着実に実行するために、地域キャリア教育支援協議会を設置し、地元企業や学校とのタイアップを図りながら産学連携教育・共同事業を強化し、県内の良質な中小企業をPRしてその魅力を伝え、職場体験やインターンシップのノウハウを提供して若者と中小企業とのマッチングを支援することが必要だと考えますが、教育長のご見解をお伺いいたします。

A 関根郁夫 教育長
生徒一人一人が社会的、職業的自立に向けて自らの生き方を選択する力を養うことは、大変重要です。
そのためにはキャリア教育を推進し、働くことの意義を理解させ、自己を管理する能力や適切な人間関係を築こうとする態度などを育成する必要があります。
こうしたキャリア教育の推進には、地域・社会・企業等との連携が不可欠です。
本県では、議員お話しの「地域キャリア教育支援協議会」と同様の取り組みを実施しております。
例えば、県内の中小企業等と連携した「職場体験」や「インターンシップ」の実施、経済団体と連携した「企業経営者と生徒・保護者・教員による四者面談会」などを通して、生徒の職業観や勤労観を育成しております。
また、今年度は、教育支援コーディネーターが各高校のニーズを踏まえながら、協力企業の開拓や学校と企業のマッチングを推進する「企業と高校のキャリア教育架け橋事業」を展開しております。
さらに、この8月からは埼玉県経営者協会と提携し、「埼玉県キャリア教育実践アワード」を創設いたしました。
これは、県立高校と企業の連携による優れた実践を表彰し、その事例を発表することで、広く周知するものです。
県としては、これまで培ってきた企業や経済団体等との連携をさらに深めながら、キャリア教育をより一層推進してまいります。

インターネットによる選挙運動の解禁に伴う若者の投票率向上策について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
今年7月の参院選では公職選挙法が改正され、初めてインターネットによる選挙運動が解禁になりました。これは選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るためのものであり、特に若い有権者の投票参加の契機となることを目的の一つにしたものでした。
そこで、初めて行われたインターネットによる選挙運動について検証してみます。
まず、全体の投票率です。埼玉県内の投票率は今回の参院選が51.21パーセント、平成24年12月の衆院選が57.40パーセント、平成22年の参院選が55.83パーセントと、インターネットによる選挙運動が解禁されたにもかかわらず、投票率は下がっています。
また、ターゲットであった20代の若者の投票率は、今回の参院選が30.19パーセント、平成24年12月の衆院選が36.97パーセント、平成22年の参院選が35.91パーセントとなっており、県全体の投票率51パーセントに対して著しく低い結果となっています。つまり、残念ながらインターネットによる選挙運動の解禁が、即投票率の向上には結び付かなかったという結果になりました。
一方で、これまで若者は政治への関心が低いと言われてきましたが、若者の政治への関心が年々高まっているという内閣府による調査結果「世界青年意識調査」もございます。また、一部の動画サイトでは若者によるネット上での討論会が開催されるなど、若者自身が危機意識を持って動き始めていることもうかがえます。
しかし、実際にはそれが投票行動に結び付いていません。その原因は、選挙に自分が行っても政治は変わらないという諦めもあるのかもしれません。しかし、それ以上に、選挙権を得る20歳になるまで政治への関心が低かったり、選挙に参加することの意義を理解するという機会がないために、積極的に投票に行こうという意識が生まれにくいことにあるのではないでしょうか。インターネットから情報を得て活用し、最終的に投票行動へと結実させるためには、未成年の段階からの啓発活動や、あるいは学校における政治教育などによる投票参加への基礎づくりが重要なのではないかと考えます。
そこで、未成年者や若者に対しての啓発が大切だと考えますが、まず、未成年者や若者に対してどのような方針で、具体的にどのような啓発活動に取り組まれているのか、あるいは今後取り組む予定があるのか、選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。
また、教育の現場である学校においては、政治や選挙の重要性を学ぶ体験型カリキュラムが有効であると考えます。例えば今年、神奈川県では県内の全県立高校において政治参加教育の一環として国政選挙の模擬投票を行っており、実施後のアンケートでは、「選挙への関心が高まった」と答えた生徒が過半数を超えるといった成果を上げています。
今後、若者の政治への関心を高めるためには、このような政治や選挙の重要性を学ぶ体験型カリキュラムが有効であると考えますが、その実施の必要性やその実施の可能性について教育長にご見解をお伺いいたします。

A 滝瀬副次 選挙管理委員会委員長
議員ご指摘のとおり、7月の参議院議員選挙における県全体の投票率が51.21パーセントであったのに対し、20代の若者の投票率は30.19パーセントと、非常に低い結果となりました。
このように、各種選挙において、若者の投票率は他の年代と比較して著しく低い傾向にございます。
このため、県選挙管理委員会といたしましては、若者の投票率向上は喫緊の課題であると認識いたしております。
そこで、これまでの啓発の手法を見直し、新たな啓発活動の実施に向けて、平成24年3月に「投票率向上のための調査報告書」を取りまとめました。
この中で、選挙管理委員会からの一方的な呼び掛けにとどまらず、若者自身が啓発活動に参加するなど、自らの体験を通じて政治に対する意識を向上する機会を設けるという取り組み方針を定めました。
具体的には、大学生が選挙啓発活動に参画する「埼玉県選挙カレッジ」を実施し、県内大学に通う大学生が、大学キャンパス内で同世代の若者に政治や選挙の重要性を呼びかけるなどの活動を行ってまいりました。
さらに今回の参議院議員選挙では、学生自らが内容の企画、出演を行った啓発ラジオCMを県内FM局で放送するなどの取り組みを行いました。
このほか、ツイッター、フェイスブックを活用した選挙に関する情報提供や、7月の参議院議員選挙では、スマートフォンから容易に選挙情報を見ることができるようにする取り組みも実施いたしました。
この結果、例えば、参議院議員選挙の公示日から投票日の間に、延べ4,300人以上の方が県選管のフェイスブックを閲覧するなど、選挙に関して一定の周知を図ることができました。
今後の取り組みといたしましては、今回の参議院議員選挙における有権者の投票行動に関する意識調査を行い、インターネットによる選挙運動の解禁の影響や、若年層の政治や選挙に対する意識についても分析をする予定であります。
これらの分析結果も踏まえ、インターネットを利用した有効な啓発の方法や、若者の政治意識の向上を図るための取り組みの在り方などについて検討し、若者の投票率向上に努めてまいります。

A 関根郁夫 教育長
将来の日本を担う高校生が、政治参加の意義や選挙制度について関心を高め、理解を深めることは極めて大切なことです。
現在、高校では、「現代社会」や「政治・経済」といった授業において、主権者としての政治参加の在り方について考察させるなどの学習を行っております。
議員お話しの模擬投票などの体験型カリキュラムについては、高校生が政治や選挙に対して、より具体的に理解を深められるという点で、有効な方策です。
県においては、県立高校の生徒が、国政選挙などで地元の選挙管理委員会に協力して投票所の事務に当たるなどの取り組みが行われております。
参加した生徒からは「選挙権が大切なものだと実感することができた」「有権者になったらしっかりと投票に行きたい」等の感想が寄せられており、体験を通して選挙に対する意識が高まったことがうかがえます。
今後とも、授業や体験型カリキュラムを通して、政治に対する意義や重要性について生徒に理解させ、政治への関心を高める教育にしっかりと取り組んでまいります。

県有未利用地の今後の活用について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
さいたま市南区沼影に県の旧沼影職員住宅がございます。武蔵浦和駅から徒歩12分、沼影市民プールの向かいという好立地で、土地面積が2,100平方メートル、建物面積は2,165平方メートルというものです。この沼影職員住宅は昭和47年に建てられたもので、平成20年3月末で職員住宅としての役目を終えました。現在は未使用のまま鉄筋コンクリート造り5階建ての建物が建っており、県が草刈り等をしながら管理している状況です。周辺の空き地が減少する中で、この未利用の旧沼影職員住宅は異彩を放っており、地域からも今後どうなってしまうのか、防犯上も心配、売却されてマンションが建ってしまうのではないかという不安の声が上がっています。
この物件は、立地条件の良さと土地の形、広さも十分であることから、民間に売却すれば資金力を持つゼネコンが落札し、その後マンションになることは明らかであります。それらの点も踏まえて、今後この旧沼影職員住宅については公的活用が必要であると思います。県で今後利用の計画がないのであれば、地元さいたま市で活用してもらうのが最適であると思いますが、この用地の現在におけるさいたま市からの要望の状況と今後の県の処分についての考え方について総務部長にお伺いいたします。

A 三井隆司 総務部長
県有未利用地の活用につきましては、従来から公的な活用を最優先としております。
また、活用方法を決定するに当たっては、まず、県自らが活用できないか全庁的な検討を行います。県としての活用がない場合には、地元市町村に活用の意向を確認しております。
旧沼影職員住宅につきましては、平成20年3月に廃止後、県による活用を検討してまいりましたが、具体的な活用には至りませんでした。
そこで、地元さいたま市に対し購入希望について打診したところ、市からは、敷地の一部を保育施設として活用したい、との回答をいただきました。
今後、公的活用が図られるよう、さいたま市と具体的な協議を速やかに進めてまいります。
県営住宅について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
これは平成24年度の外部監査でも指摘されたことでありますが、私自身も疑問を持ちましたので質問させていただきます。それは、さいたま市内の公営住宅において県営住宅の割合が極端に高く、県の負担が多いのではないかということであります。平成25年3月31日現在、埼玉県内における公営住宅の管理戸数は4万3,559戸で、このうち県営住宅は2万6,690戸、埼玉県内の公営住宅の中で県営住宅の占める割合は約6割となっています。それと比較して、さいたま市内にある公営住宅管理戸数は1万2,143戸で、このうち県営住宅は9,560戸であり、さいたま市営住宅の戸数2,583戸と比較すると、さいたま市内において県営住宅の占める割合は78.7パーセントとなっています。また、県営住宅の実に36パーセントがさいたま市内にあることになります。
これらの県営住宅を維持管理するにはかなりの費用がかかりますが、家賃収入などでそれを賄っていることは理解いたします。しかし、現状では、さいたま市内の公営住宅に占める県営住宅の割合が約8割と非常に高く、全国的に見ても偏りがある状況で県の負担がかなり大きくなってしまっています。公営住宅は住まいのセーフティーネットとして重要な役割を果たしていると認識しています。また、地理的な条件や歴史的な背景があり、県南部に公営住宅が集中していることは十分理解できます。加えて、さいたま市内の県営住宅の応募倍率は依然として高く、まだまだ公営住宅の需要は高いと言えます。
以上のことから、今後の公営住宅の需要の増については、政令指定都市であるさいたま市が主体的に取り組むようさいたま市に求めるべきではないかと考えますが、都市整備部長のご見解をお伺いいたします。

A 南沢郁一郎 都市整備部長
議員ご指摘のとおり、さいたま市内には県全体の約1月3日の県営住宅がございます。
この背景ですが、昭和30年代から40年代にかけて県南部の人口が急増いたしました。当時の浦和、大宮、与野、岩槻の地元行政は道路や上下水道、学校などのインフラ整備に追われ、公営住宅の建設までは、なかなか手が回らない状況にございました。
このため、公営住宅の整備は、県が主体的に行わざるを得なかった経緯がございます。
公営住宅法には、県と市の役割分担の規定はありません。
しかしながら、さいたま市内の公営住宅の需要増に対しましては、政令指定都市であるさいたま市が主体的に取り組むべきものと考えております。
既に昨年5月に設置した「埼玉県・さいたま市公営住宅協議会」において「今後のさいたま市内における公営住宅の適正配置については、市が主体的に判断し、対応する必要があることを県市で確認」いたしました。
今後も、引き続き、この協議会を通じて、さいたま市にしっかりと働き掛けてまいります。

マンション管理組合のネットワークづくりについて

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
平成22年度に埼玉県が実施した埼玉県分譲マンション実態調査では、マンションに関する諸問題が明らかになりました。その中での問題の一つは、マンション管理組合の問題でした。私の前回の一般質問では、マンションに関する諸問題の解決には管理組合が有効に機能することが大変重要であり、そのためには管理組合同士の横のつながり、情報や問題点の共有ができる仕組みづくりが必要だと指摘させていただきました。その際、都市整備部長より「今後、管理組合同士の意見交換の場の取り組みを拡大する。地域協議会のような各地域における管理組合同士の情報交換の場は重要であると考えるので、今後は県南の市を中心にその立ち上げを働き掛ける」との答弁をいただきました。
しかし、その後も管理組合同士の横のつながりがほとんどない状況は変わっていません。お聞きするところでは、マンション居住支援ネットワークなどのセミナーの後で意見交換の場の設定をしているとのことで、参加者からも好評のようです。この意見交換の場をさらに広げるとともに、この動きを拡大し、情報交換、意見交換、問題点の協議を行える場、例えば地域協議会などのようなものの設置については、まずどこか一つでも立上げに働き掛け、それをモデルケースの一つとして今後マンション管理組合のネットワークづくりを広げていくべきと考えますが、都市整備部長のご見解をお伺いいたします。

A 南沢郁一郎 都市整備部長
分譲マンションは、一つの建物を多くの区分所有者が共同して維持管理を行うといった特性があり、合意形成の難しさなどからさまざまな問題が発生しやすいと考えています。
そのため、県では、市町村や専門家団体などと連携し、県内各地でマンションの適切な維持管理に関するセミナーなどを開催しています。
また、このセミナーの開催に合わせ、管理組合同士の情報交換の場を設定するよう働き掛けてきました。
平成24年度には、県内で開催されたセミナーにおいて、管理組合同士の情報交換会を10回、開催いたしました。
この情報交換会は、意見交換だけでなく、専門家を交えた問題の協議なども行っております。
これらの取り組みを進める中で、わかってまいりましたことは、地域における共通課題よりも、マンションの規模の大小、経過年数などの特性に応じ、大規模改修工事などそれぞれの管理組合で取り組むべき固有の課題が多いということであります。
県といたしましては、情報交換会において課題やニーズを捉えたテーマを設定するなど取り組みのさらなる充実を図ることにより、多くの管理組合の参加を促し、ご質問の管理組合のネットワークづくりへとつなげてまいります。

建設業の若手労働者の確保について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)
東京オリンピックの開催決定、復興需要などにより厳しい状況が続いてきた建設業界に光が見えてきました。しかし、建設業界を取り巻く環境は、これを手放しでは喜ぶことができない状況であります。現在、建設業界では就業者の高齢化が進んでいます。私がそれを痛感したのは、以前お世話になったクレーン業界の方に現状を聞いたときのことであります。その方の話によると、仕事はあるが運転手、オペレーターが足りない。特に大安・友引など日柄のいい日は仕事が重なり、オペレーターが確保できないので仕事が受けられない。オペレーターも職人も減っていて、これから大変なことになるとのことでした。
このように技能を持った職人の高齢化、若者の入職者の減少、離職率の高さにより建設労働者が不足し、機械があってもそれを動かすオペレーターが不足しているというのが建設業界の現状であります。また、現場を管理する技術者についても人手不足や高齢化が進んでおり、発注量が増えても技術者がいないために入札に参加できない状況になりかねないとの懸念も聞いております。今後、オリンピックや被災地の復興需要などにより建設需要の増大が見込まれますが、一方で、現場を管理する技術者を含めた建設労働者の逼迫(ひっぱく)という問題がすぐそこまで来ています。
平成22年の国勢調査では、県内の建設業就業者数25万8,660人のうち、65歳以上の割合は22.3パーセント、5万7,638人、今後も引退による労働者の減少は続き、それに対して29歳までの若者の割合は11.3パーセント、2万9,168人であり、今後も高齢化が進み、就業者数も減る傾向が顕著になっています。
この高齢化、就業者数の減少の問題の一つに、建設現場、災害現場で働く大型建設機械を動かすオペレーターの減少問題があります。クレーン、油圧ショベルなどの大型建設機械は誰でも動かせるわけではありません。免許を取り、現場を経験しながら一人前になるまで5年はかかると言われていますが、現在主力で働いているオペレーターは60歳前後と高齢になってしまっています。この層が今後一気にリタイアの時期を迎えます。機械はあってもそれを動かすオペレーターがいないという状況が現実のものとなろうとしています。このままでは近い将来、災害対応やインフラの維持、更新にも影響が出かねません。
そのため、私は県として建設業の若手労働者の確保に取り組む必要があると考えます。若年者が建設業への入職を避ける一番の理由は、全産業の平均を約26パーセントも下回る給与の水準の低さにあります。この問題を解決するためには、まず建設労働者に対する適切な賃金の支払いが喫緊の課題だと思います。国もこの問題に危機感を持っています。今年3月に公共工事設計労務単価が全国平均で約15パーセント、埼玉県では約18パーセント引き上げられました。また、国土交通省から建設業団体や発注者に対し、「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」という要請が行われ、「ダンピング受注の激化により、そのしわ寄せが末端労働者の賃金低下、若年入職者の大きな減少をもたらし、将来の建設産業の存続が危惧される」と述べ、政府、経済界、労働界が大局的な観点から一致協力して取り組むとの認識が示されています。
私は、これを機に若手労働者を確保することで構造的な問題の解決ができると考えます。そのことが将来的に災害時の現場対応やインフラの維持、更新に役立つはずであります。そこで、今後の建設需要の増加の観点からも、また、災害時の対応の観点からも現場を管理する技術者を含めた若手労働者の確保は喫緊の課題であると考えますが、建設業の若手労働者の確保対策についてどのように考え、また、どう取り組んでいくのか、県土整備部長にお伺いいたします。

A 柳沢一正 県土整備部長
建設業界では、長年にわたる建設投資額の減少などの影響により、型枠などの作業を行う技能労働者や、工事現場の施工管理を行う技術者が減少しております。
また、他の業種と比較して若者の入職が少なく、高齢化が進行しております。
建設業は道路などの社会インフラの整備や維持管理、災害時の初動対応や復旧作業などに大きな役割を担っており、それを支える若手労働者の確保は極めて重要と考えております。
まず、技能労働者の確保対策でございますが、お話にありました設計労務単価につきましては、本年4月1日以降契約する工事に適用いたしました。
県といたしましても、この設計労務単価の引き上げが、支払われる賃金に反映されるよう、県内建設関係団体に要請を行ったところでございます。
さらに、技能労働者が安心して働けるよう、建設業の許可申請時などの機会を捉え、社会保険に未加入の企業に対し加入を促す指導を行っております。
次に、現場の施工管理を行う技術者についてでございますが、県では入札制度などにおいて若手技術者の確保を支援する取り組みを行っております。
まず、総合評価方式による入札では、インターンシップとして学生を受け入れている企業を加点評価しております。
さらに、平成25、26年度の建設工事の入札参加に必要となる資格審査において、若手技術者の新規雇用の実績を新たに評価項目に加えるなど、若手技術者の確保に積極的に取り組む企業を後押ししております。
また、この4月からは、工事にベテラン技術者と若手技術者をペアで配置した場合に、若手技術者にも施工実績を認める制度をスタートいたしました。
この制度により施工実績が得られることで、若手技術者の意欲の向上やベテランからの技術の継承の一助になるものと考えております。
引き続き県内企業の受注機会の確保に努め、関係団体と協力しながら、建設業の若手労働者の確保対策に取り組んでまいります。

平成24年2月定例会一般質問

Q.危機に備えた今後の首都機能と埼玉県への影響について

木村勇夫議員
 都市の寿命は四百年と言われています。我が国の首都である東京も、一六〇三年、徳川家康により江戸幕府が置かれてから四百年が経過しました。東京は、世界から見ると、いびつな都市であります。国土の〇・六パーセントの面積に人口の一〇パーセント、大企業本社の五〇パーセント、政治・行政のほぼ一〇〇パーセントが集中、集積しています。
 東日本大震災では、鉄道の不通による大量の帰宅困難者の発生や、通信が殺到し携帯電話がつながらなくなる。また、計画停電により市民生活、経済活動が混乱するなど、首都圏では様々な課題が発生いたしました。今後、東京を首都直下地震が襲えば、東日本大震災以上の被害が発生し、国全体に大きな打撃となる可能性がございます。
 大震災を契機に日本人の価値観は大きく変わり、エネルギー政策の在り方やインフラの耐震化など、危機管理に関する様々な議論が起きています。その中に、首都機能分散論や移転論など一極集中を是正しようとする動きがございます。昨年九月に日本世論調査会が行った国土の在り方に関する全国世論調査では、首都機能の分散や移転に「賛成」、「どちらかといえば賛成」とする人が合計七五パーセントに上りました。大震災を経験して、日本人が改めて首都機能の在り方を考えるようになったという結果が出ていると思います。
 これまで埼玉の成長は、東京の成長とともにありました。多くの人が東京に通勤し、また買い物などで出かけています。経済活動においても市民生活においても、東京と深く結び付いています。しかし、今後も日本という国家、社会が繁栄を続けていくためには、大災害やテロなど、どのような危機が起ころうとも、国家機能が停止せず耐えられるように、現在、一極集中になっている国家の機能を分散等させることが必要だと考えます。
 そこで、首都機能分散論や移転論、またバックアップ論など様々な意見がある中で、知事の御見解はいかがでしょうか、お伺いいたします。また、その場合、埼玉県にはどのような影響があるとお考えでしょうか、お伺いをいたします。

A.上田清司知事 
 首都機能移転については、平成四年に国会等の移転に関する法律が成立しました。これは国の立法、司法、行政の東京への一極集中を抑制し、東京から地方に移転させようという構想でございます。しかし、東京への一極集中については、経済界などから、ビジネスを展開する上で効率的であるなどの声がありまして、また首都機能移転について莫大な費用がかかることから、バブル経済が崩壊し、国の財政状況も悪化したことなどから、近年、首都機能移転について事実上検討がとまっている状態でございます。
 しかし、昨年の東日本大震災で十万人を超える帰宅困難者が発生するなど、都市機能がまひしたことによって首都のぜい弱性が改めて指摘されたところでもございます。こうした状況を踏まえると、首都機能の分散や移転という議論ではなく、首都の機能が失われたときにカバーできるような体制ができるかどうか、このことが問われる必要があると思います。
 一つは、首都の代替機能を持つ副首都という考え方がございます。二眼レフ構想とも言われます、いわゆる大阪などに一つの副都を設けるという考え方で、橋下市長などもこうした考え方について手を挙げておられるところです。
 もう一つは、首都の近くで、いざというときにバックアップ機能ができる方法がないかという、この論点であります。ニューヨークが九・一一のテロに遭ったときに、いち早く企業が立ち上がったところは、全部近場の都市などにバックアップ機能を用意したところでありましたので、以来、近場でバックアップをする機能を持つことの重要性というのが、比較的世界的には要請されるような状況ができたのではないかと思っております。
 そういう観点から、埼玉県への影響でありますけれども、本県は首都圏の中で首都機能のバックアップ体制を担う役割が本来与えられているというふうに思っております。それは、十七省庁の地方支分局が新都心に集まっていることが一つでありますし、内容的にもそうした中央官庁が被災したときにバックアップ機能をおのずから想定している、そういうところもございます。具体的には、国土交通省関東地方整備局が様々な災害対応機能を持っております。官邸が駄目になったとき、立川の防災基地が駄目になったとき、こちらに移って陣頭指揮をとるというようなことなどが想定されていると言われています。また、警察庁が機能を失ったとき、新都心の関東管区警察局が代替施設の候補の一つとして挙げられているそうでございます。こうした基本的な、公的なところもございますし、さらにさいたまスーパーアリーナは多くの避難者の受入れが可能でありますし、防災活動の拠点にもなり得る役割も持っております。また、もともと災害拠点病院でありますさいたま赤十字病院が第八-一A街区に移転立地されると、正に被災者の迅速な救護活動や災害時の医療を提供することもできます。
 このように比較的コンパクトな空間の中に、公もしくはそれに準ずるようなバックアップ機能がさいたま新都心にあるということでございますので、こうしたさいたま新都心の基盤を生かして、仮に首都東京の機能が失われた場合には、埼玉県がこうしたバックアップの機能を果たせるように副次的に支援の体系をとっていけば、ある意味では大変重要な役割を埼玉県が担うことになるのではないかというふうに思っておりますので、こうしたことも意識してですね、今後危機管理防災部のほうで更に磨きをかけていきたいと思っております。

Q.災害廃棄物の受入れについて

木村勇夫議員
 先日、上田知事は、東日本大震災で発生した災害廃棄物を埼玉県で受け入れ、処理することを表明いたしました。この災害廃棄物とは、岩手県北部で発生した木くずでございます。現在、岩手、宮城の両県では、全力で災害廃棄物の処理を行っていますが、処理施設の不足で思うように進んでいません。その量は、岩手県で通常の約十一年分、宮城県で通常の約十九年分にも達しています。一日も早い復興に向けて、災害廃棄物の早急な処理は不可欠でございます。今回受け入れる災害廃棄物は、放射性セシウム濃度が不検出又は低く、安全性が確認されたものに限るとのことですが、その安全性に不安を抱く県民もおり、受入処理することにも賛否があるところです。
 しかし、被災地にとって災害廃棄物の処理は復興の大前提でございます。被災地の災害廃棄物を受け入れることは、県内の自治体が被災地の痛みを分かち合うことであり、被災地の復興を大きく後押しすることにつながる重要な事業と捉えます。また、今後本県で大震災が発生し、大量の災害廃棄物が発生した場合には、他県に処理を依存しなければならず、今回と逆の関係となります。本県は、安全の確保を大前提としながら、被災地の災害廃棄物処理を積極的に受け入れる必要があると考えます。
 これまでの事例を見ると、災害廃棄物の受入れを否定的に考える県民の声でひるんでしまうケースが多く見られます。県や市町村は、その必要性をしっかりと説明しなければならないと考えます。東京都では、既に三年間で五十万トンの受入れを表明しておりますが、今後、埼玉県として市町村と連携してどのような方針で受け入れるのか、知事にお伺いをいたします。


A.上田清司知事
 災害廃棄物の処理が進んでおりません。被災した三県全体の災害廃棄物のうち、処理が行われた割合も、一年後の今でも合計五パーセントにしか過ぎないという状況でございます。災害廃棄物は、復旧・復興の妨げにもなっておりますので、その処理を進めることは、被災地の復旧・復興の第一歩でもございます。本県は積極的に受け入れ、被災地の負担を分かち合いたいという考え方を持っております。被災地と受入施設の地元市町村との橋渡し役を県としては担いたいという希望を私自身持っております。
 受入方針ですが、民間と市町村の処理施設において、岩手県から木くずを二年間で五万トン処理をするという考え方に立っております。木くずの受入基準は、四月から適用が予定されている一般食品の放射性物質濃度と同じ一キログラム当たり百ベクレル以下とします。繰り返しますが、一般食品と同じ厳しい基準であることを課した形で受入れをしたいというふうに考えております。受入れに当たっては、県が責任を持って被災地や受入場所で大くくりで七段階、細かく言うと十一項目の測定を行いながら進めていきます。
 その段取りですが、まず、被災地の搬出元で仮置き場の空間線量や木くずの放射性物質濃度などを測定いたします。次に、木くずを積み込んだコンテナ一台一台の空間線量を測定し、安全なものだけを搬出いたします。県内の処理施設においても同様に、到着したコンテナごとの空間線量などを測定し、安全なものだけを荷下ろしいたします。その後も、木くずの放射性物質濃度、ストックヤードの空間線量を測定いたします。さらに、焼却炉に投入した後についても排ガスの放射性物質濃度などを測定し、安全を確認いたします。
 これまでに、民間処理施設のうちセメント事業者が受入れの可能性を表明しましたので、現在セメント工場で資源化するための調整を進めています。私は内気ですので、石原都知事みたいに「黙れ」と言って終わらせるようなことはできませんので、今後は実証実験を行った上で安全性を確認して、その結果を地元住民の皆様に丁寧に説明をいたします。その後、各市長や町長の同意を得て、できるだけ早く受入れを開始したいというふうに段取りを考えているところでございます。
 また、市町村の処理施設について、受入れに向けた検討をお願いしていますが、まだ具体化しておりません。セメント工場で安全に処理できることを示すことで市町村の処理施設での受入れが可能になる、また、そうした支援の輪をつくっていただけるのではないかというふうに考えているところでございます。

Q.難病(HTLⅤ-1)対策について

木村勇夫議員
 HTLⅤ-1は、日本語ではヒトT細胞白血病ウイルス1型といいます。このウイルスは、一九八〇年代に発見されましたが、もともと縄文時代からあるウイルスで、人の進化、歴史とともに生き続けてきました。人のリンパ球に潜在しており、母乳を介して母親から子へ、あるいは性交渉を介して伝染します。実際には母子感染が約六割以上を占めており、感染者は女性や高齢者に多い傾向が見られます。感染後四十年から六十年の潜伏期間を経て、五パーセントの方が白血病を、〇・三パーセントの方が神経障害を発病すると言われています。これらの病気の有効な治療法は確立されておらず、対策が急がれているところでございます。一般にはなじみのないウイルスですが、浅野元宮城県知事が闘っている病気と言えばお分かりになる人もいると思います。
 日本での感染者は約百八万人と推定され、その数は、約一・五万人と想定されているエイズウイルスよりも格段に多いのが現状です。キャリアの分布には地域性があり、日本ではもともと西日本に多いのが特色でした。しかし、近年の人口流動化により、他の地域、特に大都市圏において感染者が増えています。平成二十年度に実施された全国疫学調査によると、関東に十八万人いるとも言われており、埼玉県内にも多数のキャリアがいると思われます。感染者の実数は不明ですが、この病気で日々苦しんでいる大勢の方がいらっしゃいます。患者さんやその御家族、患者の会の皆さんの努力が政治を動かし、内閣総理大臣の指示により特命チームが設けられ、平成二十二年十二月二十日にHTLⅤ-1総合対策がまとめられました。その御努力に心より敬意を表するものでございます。
 HTLⅤ-1の感染予防対策としては、特に母子感染を防ぐことが重要であり、国の総合対策でも重点対策の一つとして妊婦健診での抗体検査の実施が掲げられています。本県でも、平成二十三年四月から県全体において妊婦健診で検査を実施するようになりました。しかし現状では、健診でキャリアと診断されても、医師の知識不足でフォローが十分なされていない、対応が不十分であるという声を聞いております。キャリアと診断されても、現時点では決定的な治療法もなく、自分でコンディションを保つしかないという状況であり、患者さんの不安や悩みは非常に大きなものがございます。不安を解消するためには、HTLⅤ-1に関する教育や研修を受けた医師や看護師、保健師などの医療関係者による医療体制や、ピアカウンセリングも含めた相談体制の整備とその情報提供が必要と考えます。また、妊婦以外の方の検査体制についてですが、検査目的で献血を行うことを防ぐためにも、妊婦健診以外の検査体制も充実させるべきと考えます。
 そこで、お伺いいたします。国の総合対策を受け、本県でも埼玉県HTLⅤ-1母子感染対策協議会が平成二十三年七月二十一日に開かれていますが、その中でどのような議論が行われたのか。また、キャリアと診断された患者さんへの不安を解消するための体制整備と妊婦健診以外の検査体制の充実について、今後県はどのように取り組んでいくのか。
 以上、保健医療部長にお伺いいたします。

A.降田宏保健医療部長 
難病(HTLⅤ-1)対策についてお答えを申し上げます。
 まず、埼玉県HTLⅤ-1母子感染対策協議会での議論についてでございます。
 妊婦健診で陽性者が発見された場合でも、適切な授乳を行えば、かなりの確率で子供への感染を防ぐことができます。このため、保健指導の在り方について検討がなされました。その結果、医療機関が母乳の中止など感染予防のための指導を行うこと、保健所や市町村が母親に対する継続的な相談支援を行うこととされました。また、この感染症への理解を深めるため、医師や保健師などに対する研修の実施についても意見をいただいたところでございます。
 次に、感染者の不安解消のための体制整備と検査体制の充実についてでございます。
 このウイルスに感染し、成人T細胞白血病や脊髄症などを発症した場合に医療が必要となります。成人T細胞白血病は血液のがんであり、がん診療連携拠点病院などの血液内科で診療に対応しています。HTLⅤ-1関連脊髄症は、国が指定する神経難病の一つであり、難病相談・支援センターを置く国立病院機構東埼玉病院などの神経内科で診療を行っております。
 国は、昨年十二月から、診療の質を向上するため全国各地で専門研修を始めたところでございます。県といたしましては、今後こうした情報を医師会や医療機関に提供し、一人でも多くの医師や看護師などが専門知識を修得できるよう努めてまいります。
 また、感染された方や御家族にとって、どこで相談できるかは大切な問題となります。このため、県では昨年二月に国が作成した相談の手引を保健所や市町村に提供し、相談体制の強化を図ったところです。この手引には、患者や家族同士で悩みを語り合うピアカウンセリングの情報も掲載されております。今後は、相談や診療が可能な県内の医療機関のリストを市町村等に配布し、県民に周知してまいります。
 感染原因としては、母乳による母子感染が最も多いとされておりますが、一部性感染などもあるため、妊婦以外の方の検査体制をどうするかが今後の課題となっております。陽性が判明した場合、発症を防ぐための有効な方法がないため、説明内容や精神面でのフォローアップなども問題となります。こうした点を踏まえ、今後保健所で検査を実施することについて検討をしてまいります。

Q.マンションに関する諸問題について

木村勇夫議員
 本県では、平成二十二年度に埼玉県分譲マンション実態調査を実施いたしました。この調査は、県内の既存分譲マンションにおける課題解決に向けた施策を展開するための基礎資料とすることを目的として行われたもので、本県では初めて実施したものです。調査結果は、県内マンションにおける問題点の把握に極めて有効であり、県の取組を評価したいと思います。
 この調査では、幾つかの大きな問題が明らかになりました。居住者の高齢化の問題、建物の老朽化の問題、管理組合の運営問題、修繕積立金の不足問題などでございます。以前より言われていた建物と居住者の老いが明らかになったと言えます。
 まず、居住者の高齢化の問題です。調査では、六十五歳以上の高齢者のみが居住する世帯が「おおむね一割から三割程度」との回答が二六・九パーセントあります。また、高齢化により問題となると思われることについて、「管理組合における役員のなり手不足」、「単身高齢者の孤独死」などが挙げられています。また、管理組合運営における将来の不安の中でも、「居住者の高齢化」がトップとなっております。居住者が限定されるマンションでは、一般の居住環境よりも問題が深刻であると考えます。お聞きするところでは、平成二十年度において六十五歳以上の単身高齢者の自宅で死亡した数は、自殺された方も含め一千七人とのことです。これから高齢化のスピード日本一を迎える埼玉県です。高齢者の孤独死を防ぐためにも、地域での高齢者支援のためのネットワークづくりが必要だと考えますが、その対策について福祉部長にお伺いをいたします。


A.荒井幸弘福祉部長 
マンションに関する諸問題についてお答えを申し上げます。
 居住者の高齢化の問題についてでございます。
 マンションや団地といった集合住宅では、住民同士の交流が希薄で、住民が孤立しやすいといった側面がございます。日頃から手助けが必要な方を地域住民が把握し、異変を察知したときには専門機関に通報するといった地域での見守り体制づくりが孤独死の防止につながるものと考えております。県では平成十七年に、高齢者の家庭を訪れる機会の多い電気やガスの事業者、新聞配達、金融機関などで構成する要援護高齢者等支援ネットワーク会議を立ち上げました。この会議を中心に、各市町村で高齢者への声掛けや見守りの体制づくりを進め、現在五十七の市町村でネットワークが設置をされているところでございます。これまでに、配食サービス事業者が異変を察知し、ベッドで動けない高齢者を発見して救急対応した結果、一命を取り留めたというような事例もございます。
 また、本年度からは高齢者を地域で見守る体制をより強固なものとするための仕組みづくりを進めております。例えば、五十から百世帯ごとに支援を必要とする高齢者などを地図に落とし込み、誰が誰を見守るかを明確にする支え合いのマップの作成などに取り組む市町村に対し、その経費の助成をいたしております。既に二十一の市と町でその作成が進められております。こうした支え合いマップによる見守り支援は、高齢化が進むマンションにおいても有効に活用していただけるものと考えております。県といたしましては、今後もこうした取組を進め、ネットワークの全市町村への普及を図り、従来からの民生委員による活動に加え、高齢者を地域で見守る体制の充実に努めてまいります。

Q.建物の老朽化と管理組合の問題について

木村勇夫議員
 一点目として、建物の老朽化についてです。今後十年以内に築三十年以上のものが三割を占め、その中でも耐震性の確認が必要とされる昭和五十六年以前の旧耐震基準で建設されたものが七百五十棟で一三パーセントあります。調査では、そのうちの約六割が「耐震診断の予定がない」と回答しており、今後予想される震災を考えると恐ろしい限りです。今後、老朽マンションの耐震化を早急に進める必要があり、県として取り組んでいく必要があると考えます。
 二点目に、管理組合の運営問題です。調査によれば、マンションの約一割で管理組合が機能していません。管理組合が機能しなければ、さきに挙げたいずれの問題も解決することは困難です。管理組合が有効に機能するよう、県として取り組んでいく必要があると考えます。
 三点目ですが、管理組合の運営で大切なのは、管理組合の自立でございます。現在、管理組合同士の横のつながりは全くない状況と伺っていますが、管理組合同士が情報交換、意見交換できる場、例えば地域協議会のようなものを設け、管理組合同士の情報共有を通じて管理組合の自立を推進する取組を県が行うべきだと考えます。
 以上三点についての見解と、さらに今回の調査を実施したことに対する評価、また今後の取組について、都市整備部長にお伺いいたします。


A.岩崎康夫都市整備部長
 まず、老朽マンションの耐震化についてでございます。
 平成十九年三月に策定した埼玉県建築物耐震改修促進計画において、分譲マンションを含む個人住宅の耐震化推進は市町村が担うこととなっております。現在は、県南の多くの市町で分譲マンション耐震化に対する補助制度が設けられております。県といたしましては、これら耐震化補助制度の普及が重要と考えております。このため、県ではホームページやパンフレットなどにより市町村の耐震化補助制度を紹介するとともに、地震対策セミナーの開催などにより、耐震に関する意識の向上に努めてまいります。
 次に、管理組合が有効に機能するための取組についてでございます。
 分譲マンションの管理は、基本的には居住者自らの責任で行うものですが、専門的知識を必要とすることや合意形成の難しさなどから、行政として一定の支援が必要であると考えております。県では、これまで管理組合への支援を目的に市町村やNPO、専門家団体などと連携し、県内各地でマンションの適切な維持管理に関するセミナーや相談会を開催してまいりました。また、平成二十三年度からは、機能していない管理組合を対象に専門知識を持つマンション管理士などを派遣し、機能強化のために必要な助言、指導を行う事業を開始いたしました。これに加え平成二十四年度からは、専門家による長期修繕計画など個別課題の診断に取り組むこととしております。
 次に、管理組合同士の情報交換などについてでございます。
 県では、マンションの維持管理に関するセミナー開催に合わせ、平成二十三年度に二回、管理組合同士の意見交換の場を設けましたところ、参加者から大変好評でございましたので、今後もこの取組を拡大してまいります。
 次に、実態調査に対する評価と今後の取組についてでございます。
 今回の調査により、建物の老朽化や入居者の高齢化問題、修繕積立金の不足や管理組合の機能不全の問題など、多くのマンションに共通する課題があることが判明いたしました。今後の取組といたしましては、調査結果を踏まえたテーマを積極的にセミナーで取り上げるとともに、マンション管理士などの専門家の派遣により管理組合が有効に機能するように努めてまいります。また、お話しの地域協議会のような各地域における管理組合同士の情報交換の場は重要と考えますので、今後は、分譲マンションが多く立地している県南の市を中心に、その立ち上げについて働き掛けをしてまいります。

Q.東日本大震災で判明したマンション特有の問題について

木村勇夫議員
 東日本大震災では、エレベーターの停止や断水など戸建て住宅とは異なるマンション特有の課題も判明したかと思います。まず、県内の状況はどうだったか。次に、被災地ではどうだったのか。そして、これらの状況を受けて、今後本県としてはどのように取り組んでいくのか、都市整備部長にお伺いいたします。


A.岩崎康夫都市整備部長
 本県では目立った被害は報告されておりませんが、東北の被災地では、建物が無事でもエレベーターや給排水設備の機能喪失により避難を余儀なくされた事例などが報告されております。実態調査によれば、本県では防災避難などのマニュアルの整備や防災訓練の実施状況は必ずしも十分ではありません。今回の震災を機に、管理組合の防災に対する意識向上が望まれるところであり、ホームページやセミナーを通じ、防災マニュアルの整備など防災対策に関する情報提供に積極的に取り組んでまいります。

Q.若年者の就業支援として、雇用のミスマッチを解消する方策について

木村勇夫議員
 今年度も若年者の就職が厳しい状況です。就職内定がとれないで困っている若者がいる一方で、県内の中小企業では人が採用できないで困っているところがございます。そういうミスマッチの問題を解消するため、県にはヤングキャリアセンター、埼玉県大学連携就職支援事業があり、また国では、経済産業省のドリーム・マッチプロジェクト、厚生労働省の新卒応援ハローワークがあり、それぞれ合同企業面接会、説明会、就職セミナーを行っています。また、インターネットでの情報提供サービスとして、県では彩の国仕事発見システムを運営しており、国の二事業でも類似の情報提供サービスを行っています。人を採りたい中小企業がこれらの制度を利用する場合、県、国それぞれの事業に全て別々に登録しなければなりません。これは、特に人の少ない中小企業にとって大変な負担だと思います。
 そこで、産業労働部長にお伺いいたします。求人側についても、制度を利用するための手続をワンストップにできないでしょうか。せめて県事業だけでも統合できないでしょうか、お伺いいたします。また、県内にある特徴を持った中小企業を就職希望者に対して分かりやすくPRするために、県として今後どのような取組を行っていくのか、併せてお伺いいたします。

A.松岡進産業労働部長
雇用のミスマッチを解消する方策についてお答えを申し上げます。
 まず、求人側が制度を利用する手続をワンストップにできないか、せめて県事業だけでも統合できないかについてでございます。
 インターネット上の求人情報システムには、県の彩の国仕事発見システムのほか、経済産業省のドリームマッチナビ、厚生労働省の大卒等就職情報WEB提供サービスがあります。求職者は、これらの求人情報をパソコン上で全て見ることができます。
 しかし、求人企業においては、それぞれの求人情報システムが独立していることや登録条件の違いがあることなどから、求人側がワンストップで全てのシステムに登録することはできません。県事業につきましては、求人企業側から彩の国仕事発見システムへの求人情報の登録とは別に、大学連携就職支援事業での面接会や説明会への参加登録の必要もあり、その都度登録が必要となっております。今後は、少なくとも県事業につきましては、求人企業がワンストップで登録できるように改善してまいります。
 次に、中小企業を就職希望者に分かりやすくPRする取組についてでございます。
 雇用のミスマッチを解消するためには、県内中小企業の良さをもっとよく知ってもらうことが重要です。しかしながら、中小企業では自らPRすることが難しいのが実情です。このため、県職員が直接中小企業を訪問し、収集した求人情報を大学や短大などに提供し、求人情報を学内で掲示してもらうとともに、大学で行う合同企業面接会などを通じて、今後積極的にPRに努めてまいります。さらに、インターネットを活用した県内企業魅力紹介システムにより、県内中小企業の情報を発信してまいります。

Q.県事業の外部委託に伴う県のノウハウの蓄積について

木村勇夫議員
 埼玉県大学連携就職支援事業は、株式会社インテリジェンスに委託されて行われています。また、緊急雇用対策基金事業として行われた彩の国仕事発見システムの事業所登録、求人登録の開拓は、株式会社東京リーガルマインドに委託されて行われています。県が事業ノウハウを蓄積し、行政能力を高めるという観点で見た場合、県の事業を外部委託すると、県に統計数字や結果が来るだけで、具体的なケースの情報、具体的問題点の情報が蓄積されず、事業のレベルアップがなされないおそれもあると思います。そこで、県の就職支援事業に関するノウハウの蓄積についてどのような方策をとっているのか、産業労働部長にお伺いいたします。


A.松岡進産業労働部長
 県では、若者、女性、中高年など、特性に応じた就業支援拠点を設置しております。就職支援業務は、民間事業者への委託により運営しておりますが、コーディネートは県が主体となって行っています。各支援拠点には県職員が駐在し、利用者のアンケートや利用者のデータを分析して、支援内容の改善を図っております。個別事例につきましても、職員と委託先のキャリアカウンセラーが参加して定期的に開催する勉強会を通じ就職につなげた事例や、支援が困難な事例などの情報を共有することで、ノウハウの蓄積に努めております。今後も就業支援のノウハウを蓄積し、質の高い支援サービスが提供できるよう努めてまいります。

Q.部活動の推進について

木村勇夫議員
 学校生活において、体育と並んで子供たちが運動、スポーツの楽しさに触れる場は、放課後に行われる運動部活動です。私自身も中学時代は野球部、高校時代は応援部に所属しておりましたが、技術や体力を身に付けるだけでなく、友人をつくり、先輩、後輩の上下関係を学び、授業以外で先生と触れ合うなど、部活動から多くの貴重なことを学びました。ほかにも部活動は、活動している本人だけでなく、周囲の生徒にも良い影響を与えます。このように、子供の健全な育成に運動部活動は大きな役割を果たしています。平成二十四年度から実施される中学校の新学習指導要領で、部活動は教育の一環として位置付けられ、従来の教育外課程というグレーな位置から脱することになります。これを機に、部活動を更に推進していかなければなりません。
 本県の現状を見てみますと、平成二十三年五月時点の運動部加入率は、中学で七五・一パーセント、高校で四五・五パーセントとなっています。この数字は近県と比較しても高いもので、評価できるものです。部活動の数ですが、例えば中学校では、平成十九年から平成二十三年の五年間で男子バレーボール部が二十八部、女子ソフトボール部が二十七部減少しています。高校では、同じく五年間で女子剣道部が六十八部、男子バレーボール部が三十六部減少するなど、全体で二百七十四部の減少となっています。減少の理由ですが、少子化による部員の減少のほかに、顧問の先生の転任、異動による休廃部も大きな要因の一つとなっていると考えます。
 以上を踏まえて、部活動推進の立場から質問いたします。
 まず、運動部活動を支える人材についてでございます。公立学校の運動部活動は、指導者の存在が鍵であります。顧問教師が転任、異動しても部活動が継続できるように、大学生など外部指導員を取り入れること、そして休日返上で頑張っている顧問教師の努力に報いることが重要と考えます。東京都では、平成十八年に東京都立高校の管理運営に関する規則を改正しました。この規則では、部活動について明確な根拠規定を定めて、校務として位置付けるとともに、部活動の指導業務を行う者の範囲を拡大し、地域のスポーツ経験者などに顧問を委嘱できるようにしました。併せて条例を改正し、休日に部活指導を行う場合の手当の大幅な引上げを行っています。本県でも部活動を校務として位置付けているものではありますが、今後指導者不足を解消して部活動を推進するためには、外部指導員を積極的に採用するとともに、顧問教師の待遇を更に改善すべきと考えますが、教育長の御見解をお伺いいたします。


A.前島富雄教育長 
 まず、外部指導員の積極的な採用と顧問教師の待遇を改善すべきについてでございます。
 生徒の自主的、自発的な参加によって行われる部活動については、学習指導要領の改訂により学校教育の一環として明確に位置付けられました。部活動が生徒に及ぼす影響は大きく、忍耐力や人間性豊かな人材を育てる上で大変重要な教育活動でございます。本県では、専門的指導力を有する地域の外部人材を運動部活動に活用する事業に取り組んでおり、平成二十二年度の指導者派遣は、中学校において六百五人、県立学校においては八十人でございます。さらに、今後は教員を志望する大学生をボランティアとして中学校や高校に派遣し、スポーツの持つすばらしさを伝え、青少年の健全育成や部活動の充実、活性化を図る取組を検討しております。
 顧問教師の待遇についてでございますが、現在、放課後や土日、休日に多くの教員が指導に当たっており、充実した部活動は、このような熱心な教員に支えられていると認識しております。教員に支給される部活動手当につきましては、平成二十年十月からそれまでの額を倍増する改善を実施したところでございます。今後も国や他県の動向に留意しながら、顧問教師の待遇改善に努めてまいります。

Q.普通の子供が運動部に入れる環境づくりについて

木村勇夫議員
 最近の子供に見られる特徴として、早期のアスリート化に伴う体力、技術の二極化があり、中学から新しいスポーツに挑戦しようと考える生徒が入部をためらってしまう状況があると聞いています。生涯スポーツに親しむための入口となる運動部活動に、それまで運動経験のない子供がスムーズに入れる環境づくりが必要と考えますが、見解と取組について教育長にお伺いいたします。


A.前島富雄教育長
 本県は、関東近県と比較しても運動部の加入率は、中学校、高校ともに高く、運動経験のある生徒とない生徒が同時に入部してくる状況も見受けられます。このことから、県では運動部活動のための指導資料や講演会で、個人の技能や体力を踏まえた練習計画を作成することや、夢を持って入部した生徒が楽しさを味わい、無理なく活動することができるよう指導しております。今後とも運動経験のない生徒がスムーズに運動部に入れる環境づくりに努めてまいります。

Q.部活動と勉強の両立について

木村勇夫議員
 部活動に時間をとられて勉強に専念できないと心配する親も多いと聞きます。私は、部活動を通して生徒自身に自信がついたり、集中力が高まったり、受験勉強に対してもプラスに働くと思っています。部活動と勉強の両立について、教育長の御見解と今後の取組についてお伺いいたします。


A.前島富雄教育長 
 将来を担う子供たちが部活動と勉強の双方に励み、培った集中力や体力で自らの目標にチャレンジすることは、生徒自身の大きな力になると考えております。県では指導資料の中で、生徒の集中力や意欲を引き出し、効率の良い、質の高い活動を行うことによって部活動と学習の両立を図り、充実した学校生活を送ることができるよう指導しております。また、学校においては文武両道の精神を目標に掲げ、学力向上と部活動の両面に成果を上げている学校もございます。今後とも部活動が果たしてきた意義や役割を踏まえ、部活動と勉強にバランス良く取り組む教育を推進してまいります。

Q.パークゴルフの振興について

木村勇夫議員
 近年、生涯スポーツの取組が広がっています。様々なスポーツが行われていますが、ここ最近、世代を超えて楽しめるコミュニティスポーツとして注目されているものがございます。それがパークゴルフです。パークゴルフは、一九八三年に北海道で誕生したスポーツです。公園などの芝に覆われた場所にコースを作り、専用のクラブでボールを打つ、正にゴルフの縮小版です。集団競技であるゲートボールに比べ、パークゴルフは完全な個人競技であり、気軽に楽しむことができます。そして、何よりも緑の芝生の上でプレーできることが人気を呼んでいます。高齢化によりゴルフ人口が頭打ちになる中、高齢者を中心にして愛好者が急激に増加し、今では百万人を超えていると推定されています。競技人口の増加に合わせてパークゴルフ場も増加し、現在、全国で一千二百か所ほどあるようです。県内には七か所のコースがあり、うち二か所が公認コースです。また、県営公園の吉見総合運動公園にも全十八ホールのコースがございます。競技人口の増加にハード面が追いついていないのが現状で、予約が取れないことも多いと聞いています。
 このスポーツの特徴として、五百円程度というプレー費の安さとゴルフ場が近く、いつでも気軽にできることが挙げられます。正に、近年の消費トレンドである安・近・短の条件を満たしています。パークゴルフが普及することで地域住民同士の交流拡大、適度な運動による健康増進と老人医療費の減少、人の移動による消費拡大など、様々な効果が考えられます。今後、日本は高齢化が進み、これに伴い様々な課題が発生しますが、パークゴルフは複数の課題を同時に解決できるスポーツです。これから一気に高齢化を迎える埼玉県でも、生涯スポーツとしてパークゴルフの普及推進を図ってはいかがでしょうか。
 そこで、お伺いいたします。県パークゴルフ協会連合会は歴史が浅く、まだ県レクリエーション協会に未加入の団体ですが、今後協会に加入した場合、県レクリエーション協会を通じた助成によるパークゴルフの普及推進ができないか、教育長にお伺いいたします。


A.前島富雄教育長 
 県では、スポーツ・レクリエーションの普及推進のため、県レクリエーション協会を通じて、加盟する団体が実施するスポーツ・レクリエーションの活動に対し助成をしております。県レクリエーション協会に加盟すると、県レクリエーション大会の参加費などへの一部助成があります。このレクリエーション大会は、県教育委員会がレクリエーション協会と共催で毎年開催しており、今年度は延べ約四千人の方に参加していただきました。約二十五のレクリエーション種目を実際に体験することができるなど、各種目の普及に大変大きな役割を果たしております。したがいまして、県パークゴルフ協会連合会も県レクリエーション協会に加盟し、この大会に参加していただければ、パークゴルフを多くの方々に知っていただく絶好の機会となり、パークゴルフの普及、推進が図られると考えております。


Q.木村勇夫議員
 また、ハード面の整備として、吉見総合運動公園以外にも既存の県営公園のスペースの活用などの方法でパークゴルフ場の整備を行うことはできないか、都市整備部長にお伺いいたします。これからパークゴルフの大きなブームが来ると確信しています。是非、埼玉をパークゴルフのメッカにしていただきたいと思います。


A.岩崎康夫都市整備部長
 パークゴルフ場は、芝生のコースにグリーンやバンカーなどを備えたゴルフ場の縮小版と言える施設でございます。現在、県内には民間施設が一か所、市町村施設が五か所、県営公園で一か所、合計七か所ございます。県営吉見総合運動公園のパークゴルフ場は、指定管理者が旧吉見ゴルフ場の一部を有効活用し、自主事業として整備、運営しております。年間約一万七千人の利用があり、九ホールの増設が予定されております。
 既存の県営公園にパークゴルフ場を整備することについてでございます。県営公園は、古墳公園や水郷公園などそれぞれのコンセプトに基づいた整備が図られ、全ての公園がパークゴルフ場に適しているものではございません。また、整備に当たっては、専用の芝生コースとして広い面積が必要なこと、多額の整備費、維持管理費を要すること、利用者が確実に見込めるかなど課題もございます。このため、パークゴルフ場の整備につきましては、今後競技人口の推移、民間や市町村による施設整備の動向、吉見総合運動公園における増設後の利用状況など、様々な方向から総合的に検討してまいります。

Q.インターネットによるいじめやトラブルから子供たちを守るためのネットパトロールの拡大について

木村勇夫議員
 県では、現在、緊急雇用創出基金を使い、専属職員三名を雇用し、学校非公式サイトなどを監視させ、悪質な書き込みの削除要請などを行っています。この取組ももう三年になり、この三年間でのノウハウの蓄積で、簡単な作業は一般の人でもできるようにマニュアル化されたようです。これは、県にとって貴重な財産です。今後は、このマニュアル化されたネットパトロールに関する貴重な財産を更に有効に活用するべきだと考えます。
 そこで、このネットパトロールを、県がコントロールタワーとなって情報やノウハウ、事例データなどを各市町村やPTAなどに提供しながら拡大し、地域の防犯パトロールのような県民ムーブメントにするべきだと考えます。親世代が自らネットパトロールに参加することによって、ネットの安心・安全への関心も高まることと思います。教育長の御見解をお伺いいたします。


A.前島富雄教育長 
 県では、インターネットによるいじめやトラブルから子供たちを守るため、平成二十一年五月から、さいたま市を除く県内公立中学校や高校などを対象にネットパトロールを実施しております。緊急雇用創出基金を活用して三名の非常勤職員を雇用し、平成二十四年一月末までに約二百十三万件のサイトを監視し、問題のある書き込み四千二百九十件を削除することができました。また、平成二十三年九月には、これまでに県で蓄積した危険サイトの発見方法や削除依頼などのノウハウを、教員用の指導資料「ネット上の見守り活動の手引」としてまとめ、各学校に配布しました。十月には、県立学校や市町村教育委員会を対象に、その手引を活用した研修会を実施し、ネットパトロールの体制づくりを支援してまいりました。さらに、フィルタリングの徹底や相談窓口などを示した保護者啓発用のリーフレットを作成し、保護者会等で活用できるよう県内の各学校に配布しております。
 こうした取組を行ってまいりましたが、なお監視対象となるサイトは数多く存在しており、学校や市町村教育委員会などが主体的にきめ細かくネットパトロールに取り組む必要があると考えております。そこで、平成二十四年度は中学校八校と高校二校をモデル校に指定し、効果的なサイト監視の方法等の実践的な研究を行い、インターネットによるトラブルなどを防止する取組を広く普及していきたいと考えております。
 また、インターネットの持つ危険性から子供たちを守るためには、保護者が正しい知識を持つことが重要であることから、サイトの監視や削除依頼の方法などを扱った保護者向けの研修会を予定しております。多くの大人がネットパトロールに参加し、できるだけ多くの目で子供たちを見守ることを通じて、子供たちをインターネットによるいじめやトラブルから守る取組を積極的に推進してまいります。

Q.地産地消のPRについて

木村勇夫議員
 埼玉県は、食材の宝庫です。深谷ねぎやホウレンソウ、コマツナなどは全国的にも有名です。これ以外にもまだまだございます。最近では、地鶏のタマシャモ、彩の国黒豚、深谷牛、秩父のしゃくし菜などが注目されています。また、本県には多くの酒蔵があり、全国第四位の清酒出荷量を誇る酒どころでもございます。
 しかし、この埼玉県産の食材の豊富さ、すばらしさが、埼玉に住む県民、特に大人の世代に余り知られていません。埼玉県の平成二十一年度の食料自給率は、カロリーベースで一一パーセント、生産額ベースで二三パーセントとなっており、過去十年間ほとんど変わりません。また、生産された野菜のうち、県内市場に出荷されるのは約三分の一ほどとなっています。地元で採れた新鮮な食材の多くが大消費地である東京に出荷されてしまうという大変残念な状況でございます。
 ところで、私は、県外から来た友人をさいたま市内にある地産地消の飲食店によく案内します。深谷ねぎの一本焼き、タマシャモもも肉の炭火焼き、ぶっかけ地粉うどん、これらはそのお店で出されるメニューの一部ですが、お酒を飲む大人の世代の方も、興味と食指をそそられるメニューがそろっています。このようなお店をきっかけに県産品の良さを知れば、消費が増え、また、産地を訪れてみようと考える人も増えるのではないでしょうか。
 しかし、多くの県民は、埼玉県と聞いてイメージする食べ物が少なく、他県の人を連れていく埼玉らしいお店の情報を知らないのではないでしょうか。郷土に伝わる伝統料理と県産食材を組み合わせた料理を出す店を様々な形でPRし、大人の世代の地産地消を推進するべきです。県は、手軽に県産農産物を利用した料理が食べられるよう、県産農産物を積極的に取り扱っているお店を県産農産物サポート店として登録する制度を設けています。また、これは県の制度ではありませんが、カロリーベースで国産食材の消費量が五〇パーセントを超えるお店に緑のちょうちんを掲げる緑提灯という仕組みがあり、県内で百十七店舗が登録されています。先ほど御紹介したお店も県産農産物サポート店であり、また緑提灯を掲げるお店でもございます。
 そこで、農林部長にお伺いいたします。地産地消を大人の世代に広げるために、また埼玉の食べ物のおいしさと安全性をPRするためにも、県産農産物サポート店や緑提灯を掲げる店舗を積極的にPRしていくべきと考えますが、それに対する御見解と具体的方法についてお伺いいたします。


A.海北晃農林部長 
 本県では、恵まれた気象条件と西部の山間地から東部の平たん地まで変化に富んだ地形などを生かし、様々な農産物が生産されています。県産農産物をいろいろなお店で味わっていただくことは、地産地消の推進に大変有効です。このため、県では県産農産物の相談窓口を設け、飲食店などに野菜や肉などの産地や生産者を紹介しています。さらに、生産者や飲食店などの利用者が一堂に集う農商工連携フェアでの商談会や、レストランのシェフなどを対象とした産地見学会などのマッチングも行っております。これらをきっかけに、三郷市のベビーリーフ生産者とさいたま市内のレストランとの取引や、小川町の有機農産物生産組合と地元のお店との取引が始まっています。そのほか、彩の国黒豚やタマシャモの生産者と県内の居酒屋などとの取引も定着しています。
 議員お話しの県産農産物サポート店は、現在一千六百八十九店の登録があり、そのうち五百六十一店がレストラン、居酒屋などの飲食店です。県では、サポート店に看板を配布するとともに、県のホームページや埼玉農産物ブログサイト「SAITAMAわっしょい!」などで紹介しています。また、県の地産地消に御協力いただいているビール会社でも県産農産物サポート店のページを設け、居酒屋や和食のお店が紹介されています。今後とも県産農産物サポート店の増加に向けマッチングを進めますとともに、サポート店がもっと目立つようポスターやのぼりを工夫するなどして、より一層その情報発信に努めてまいります。

平成21年定例会一般質問

Q.地域主権の実現について

木村勇夫議員
 私ども民主党は、地域のことは地域が決める地域主権を高く掲げ、国民の皆さんの理解と共感を得て、さきの衆議院選挙に勝利いたしました。新政権は去る十一月十七日、鳩山首相を議長とする地域主権戦略会議を設置することを閣議決定し、地域主権の確立を政治主導で実現する姿勢を明確にしたのであります。
 それでは一体、新政権の目指す地域主権とは何か。私は、地域のことは地域に住む住人が決める、そして自ら暮らす地域の未来に責任を持って活気に満ちた地域社会をつくることと理解しています。これまでの地方分権から地域主権に、国と地方の関係も上下関係から、対等、協力の関係に変わらないといけないと思います。
 かつて鳩山首相は、民主党幹事長の時代に地域主権についてこう語られています。「地域主権とは補完性の原理と連結性の原理、この二つが備わったものである。すなわち基礎自治体でできることは基礎自治体で行い、それが駄目なら広域自治体、それでも駄目なら中央政府がといった考え方が重要である。そして、それは権限に伴って財源も保障するという連結性の原理と一体でなければならない」この言葉は、正に地域主権の真髄を言い当ててはいないでしょうか。地域のことは住民の身近な地域が権限と財源を持って決定し実行する。このことによって、住民の声を生かした行政サービスの提供が可能となるでありましょうし、地域の事情に応じた産業政策、福祉政策を柔軟かつ迅速に展開できるようになります。さらに、地域主権の実現の下で、それぞれの地域が自立し、独自性を出し、地域に活力を起こし、地域を元気にする。そして、地域の力が集結して日本経済を再生させる。このことを私は大いに期待したいのであります。
 民主党は明治以来の中央集権体制から脱却し、霞が関を解体、再編し、地域主権を実現する具体的な政策をマニフェストで明らかにしました。地方にできることは地方に移譲する、地方の自主財源を大幅に増やす、国の出先機関を原則廃止する。国と地方の協議の場を法律に基づいて設置する。これらの政策の実行を国民の皆様にお約束いたしました。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 新政権の掲げる地域主権について、知事はどのように評価されていらっしゃるでしょうか。地方分権の旗手として、全国自治体の先頭に立って改革を進めてこられた上田知事の御所見をお聞かせください。

A.上田清司知事 
 これまで住民本位の地域づくりを目指し、地方分権を実現しようとする地方の前に常に立ちはだかったのが、実は中央の各省庁でございました。そういう中に、鳩山政権は地方分権ではなく、更に一歩踏み込んだ地域主権という概念を理念として掲げていただいております。正に権限や権利を分権するのではなくて、むしろ地域にその主権があるんだという、そういう考え方について踏み込んでいただいているということに、私たちは大変力強いものを感じております。
 去る十一月十六日に法制化を待つことなく国と地方との協議の場を設置し、また、十七日には地域主権戦略会議の設置を閣議決定するなど地域主権を実現するための仕組みを非常にスピーディに整えつつあるというふうに印象付けております。また、知事会はじめ各地方六団体とも、総務省とも、あるいは内閣府ともいろいろ非公式に様々な打ち合わせをやっておりまして、国と地方との協議の場の法制化の作業もですね、今着々と進んでおることも含めて、私は基本的には本気だなと、このように思っております。地域のことは地域が決めると、ニアイズベターと、こういうことについて極めて本気だなというふうに思っております。
 まずは私たちは百四条の義務付け、枠付けを見直ししてほしいという形で、地方分権推進委員会から出したものについてほとんどが中央省庁はノーの回答をしておりますので、これを改めて見直すべきだということを主張しております。年内に政府は地方分権改革推進計画を取りまとめますが、これらの中にこういった部分をですね、全面的に見直していただいて、正に改革の段階から地方主権をしっかりと位置付けていただきたいというふうに考えております。
 今のところ必ずしも鳩山総理の政治的なリーダーシップが見えないようなところもないわけじゃありませんが、少なくとも地域主権に関する考え方、これは地方六団体はじめ大方のところ理念として反対する人はいない、大変すばらしい考えではないかと私は思っております。
 また、地域主権を財政面からしっかり支えていくということが極めて大事でありますので、来年度に向けた地方財政対策でも地方交付税の法定率の引上げを含む地方自主財源の充実強化や直轄事業負担金の廃止を確実に盛り込む必要がある。これは原口総務大臣などが熱心に取り組んでいただいておりますが、財政当局などや、あるいは必ずしも閣内での足並みが今のところ十分そろっておりませんので、鳩山総理や菅副総理などにはこうした部分についてですね、きちっと取りまとめていただきたいと思っております。
 たまたま私がプロジェクトチームのリーダーになっておりますが、国の出先機関の原則廃止プロジェクトチームでも、ただ私たちもですね、都合のいいところだけ移管をしろと言うつもりもありません。これ少なくともメンバーの合意になりましたが、あえてつらい部分だって引き受けるよと。その代わりきちっと移管してくれよと、財源も含めてですね、そういうことを我々委員のメンバーで申合せをしました。我々も覚悟を決めて、極力移管する財源についてつまみ食い的なことはしないと。ただ、例えば社保庁に見られるような不良社員というんでしょうか、そういう人は無理ですよと。そういうことを含めて私たちもしっかり、いったん地方の出先機関原則廃止という以上ですね、受皿づくりについても私たちもやはり責任を持ってやっていかなければならないということを、何とかチームの中で取りまとめたいと私自身も思っております。
 また、そうしなければ誰も本気にしないんじゃないかな、単純に国と地方の分捕り合戦みたいに思われてしまうんじゃないかなと、そんなふうに思っておりますので、今後新政権が本当に財務当局や、あるいは他の省庁からの横やりに負けることなくしっかり地域主権という、いわば私はこれは幹だと思うんですね、民主党の政策の。ある意味では子ども手当だとかそういったものは枝葉だと思うんですね。この幹の部分だけは崩さないでいただきたいと、このように考えておりますので、よろしく御支援のほどお願いします。

Q.新型インフルエンザが学校教育現場に及ぼす影響と対策について

木村勇夫議員
 今年の十月以降、新型インフルエンザの患者が急増しています。本県では十一月五日に新型インフルエンザ流行発生警報を発令するとともに、ワクチンの前倒し接種を行うなど対応に努めていると伺っています。新型インフルエンザの患者の約九割は二十歳未満の子供であり、県内では約二割の児童生徒が感染しておることから、特に教育現場への影響が懸念されます。
 県では今年八月から一学級内において、同じ日にインフルエンザA型陽性者が三名以上で学級閉鎖、休業の期間は四日間以上という目安を定めておりますが、本県の公立学校の九月一日から十一月二十九日までの累計では延べ一万四百七十九校が臨時休業措置をとっており、県内で学級閉鎖したクラスの児童生徒は延べ人数で約四十九万人にも上っています。最近ここまで教育現場に影響を及ぼしたことがあったでしょうか。
 県内ではあるクラスの学級閉鎖が解除になった後、今度は別のクラスの学級閉鎖により学年閉鎖となって、再び休業となったケースもあります。また、新聞によれば兵庫県のある県立高校では、秋以降全生徒の約二割が新型インフルエンザの疑いになり、学校閉鎖、学級閉鎖で計二週間以上休んだ生徒もいると報道されています。県内の学校においては、一日の授業時間を増やしたり、冬休みを短縮したりして対応する予定の学校もあり、授業時間の確保に苦慮している学校が出始めています。
 そこで、教育長に三点お伺いいたします。
 一点目、本県の場合、学級閉鎖や学年閉鎖などによって、授業への影響が発生しているのかどうか、また、今後新型・季節性を含めインフルエンザが更に流行した場合、授業時間をどのように確保していくのかお伺いいたします。
 二点目、現状では、二巡目、三巡目の学級閉鎖になっている学校もあります。親も大変です。特に仕事を持っている親は仕事にも行けません。また、学校生活の大切な思い出づくりに欠かすことのできない修学旅行、部活動など様々な学校行事も中止や延期といった影響が出ています。また、地域においては地域行事への参加を学校の基準を参考しているところが多く、地域行事にも影響があります。少し過剰反応になってしまっているのではないでしょうか。
 本県では、新型インフルエンザが発生した場合の休業期間は四日間との目安になっていますが、鳥取県や長崎県では三日間と一日少なくなっています。私は、安全性を考えながらも季節性の休業基準も考慮して、今後臨時休業基準と休業期間の基準の緩和を行ってもよいと考えますが、県として緩和する予定はあるのかお伺いいたします。
 三点目は、入試への対応です。
 来年二月、三月には高校入試が行われます。新しい制度で公立高校の入試が行われる最初の年です。受験生、親にとっては新型インフルエンザの影響が心配されるところでございますが、公立高校入試における新型インフルエンザ対策をどのように行うのかお伺いいたします。

A.島村和男教育長
 一点目の学級閉鎖等による授業への影響と授業時間をどのように確保していくのかについてでございます。
 県では今年五月、県内で新型インフルエンザの感染が確認されたことを受け、市町村教育委員会及び県立学校に対し、学級閉鎖等による臨時休業に備え休業中の家庭学習の内容についてあらかじめ検討しておくよう通知をいたしました。感染が拡大した九月から十一月二十九日までに学級閉鎖など臨時休業措置を実施した学校は、公立小中高等学校及び特別支援学校の九五・六パーセントに上り、議員お話しのように学校によっては学級閉鎖等が繰り返され、年間計画どおりに授業が進められていないといった状況も出ております。このため臨時休業した学校では、一日の授業時間を増やす、行事を見直す、冬休みを短縮するなど授業確保に努めているところでございます。今後とも児童生徒の学習の機会を確保するとともに、併せて過重な負担とならないよう適切に対応してまいります。
 次に、二点目のインフルエンザによる臨時休業措置の基準の緩和についてでございます。
 今回のインフルエンザA型に関する臨時休業措置の目安については、保健医療部や埼玉県医師会と協議し、一学級三名以上の欠席があった場合は四日間の学級閉鎖をするよう定めております。また、現在の状況は、十一月五日にインフルエンザ流行発生警報が発令され、以降警報レベルが五週連続継続しております。このため臨時休業措置の目安の緩和につきましては、今後インフルエンザ流行発生警報の解除など状況に変化があった場合に、保健医療部、埼玉県医師会と協議の上、変更してまいりたいと考えております。
 三点目の公立高校入試における新型インフルエンザ対策についてでございます。
 来年二月に実施されます平成二十二年度入試では、前期と後期の二回の募集があり、前期募集で不合格になった場合でも、後期募集で再度受検できる制度になっております。また、試験当日病気などでやむを得ない事情により学力検査を受検できなかった場合でも、調査書等を資料とし合否を判断することにしており、既に中学生に周知をしております。このためインフルエンザの感染状況が現在の程度であれば、受検校一校当たりの欠席者も約四人程度と推測されますことから、新たな対応は必要ないものと思われます。
 しかしながら、今後新型インフルエンザの流行の拡大が心配されますことから、その状況を注意深く見守るとともに、追試験の実施についても検討をしているところでございます。検討結果につきましては、受検生に混乱のないよう、一月中旬までに決定し周知してまいりたいと考えております。

Q.県立学校における給食の安全対策について

木村勇夫議員
 現在、県が提供する学校給食は、県立学校のうち特別支援学校二十八校、定時制高校で三十校において実施されています。学校給食は児童生徒の健全な発達を支える重要なもので、そこで提供される給食には特に安全性が求められます。しかし、残念ながら県立学校で異物混入などの事故が目立ちます。昨年度は特別支援学校で十一件の異物混入が発生し、また、今年度に入っても三件の異物混入が発生しています。幸い事前に発見され、児童生徒の被害は発生していません。しかし、今年二月に事故を受けての異物混入についてのマニュアルが作成されたにもかかわらず、マニュアル作成後も異物混入が起こっております。
 さらに、重要な安全性があります。異物混入や食中毒といった目に見えてすぐ分かる安全性よりも、むしろ微量ずつ毎日取り込むことよって体に知らず知らずのうちに蓄積される発がん性物質や、何年も経た後に健康被害をもたらす危険性を否定できない環境ホルモン、遺伝子組換作物のような人工物質に対する安全性、さらには環境に対する影響を考えて食べ物や食器を選ぶことの大切さを含んだ安全性です。特に未来を担う子供たちにはこれらの安全性を最重要視し、食材の選定、給食の調理には細心の注意を払うべきです。
 そこで、まず食材の選定、給食の調理などに関する県立学校の学校給食の安全性の審議は誰が、いつどこで、そしてどのような判断基準で実施しているのか、教育長にお伺いいたします。
 次に、学校給食用食器についてでございます。
 現在、多くの県立学校五十八校のうち五十四校ではプラスチック食器が使われています。最も多いのがメラミン二十八校、次にポリプロピレン二十一校、耐熱ABS樹脂十四校です。メラミンは昨年秋の中国産乳製品に混入し、中国では乳児に深刻な健康被害が出て、我が国にも混入加工品が出回って話題となったもので、メラミン食器はこのメラミンとホルムアルデヒドが原料の食器、ABS樹脂はアクリルニトリル、ブタジエン、スチレンが原料で、これらはともに発がん性が疑われるなど有害性の高い物質です。昔からずっと使われている漆器や強化磁器食器が学校給食用に改良され、全国的にも広がりを見せている中で、なぜあえてプラスチック食器を多用するのでしょうか。
 プラスチックは、その原料採取、生産、使用、廃棄に至るまで様々な有害物質を環境へ排出します。廃棄時の処理に係る膨大なコストや環境対策費を軽視した比較の仕方はもはや通用しません。県の進めるグリーン購入にのっとり、県教委も学校給食用の食器購入に際しては、環境を損なわない商品の選択、購入をすべきだと考えますが、教育長の御見解をお聞かせください。
 平成十七年六月定例会の一般質問において、当麻議員から学校にプラスチック製の食器を使用する場合には、すべての原料及び添加物が表示され、それぞれの添加物の食品添加物としての安全が確かめられたものでなければならないとする埼玉県独自のガイドラインを作成するよう質問いたしました。教育長の答弁は、関係部局とも十分協議の上、今後の対応について検討してまいりたいとのことでございました。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 給食用の食器のガイドラインについて、その後どの部局とどのような協議がなされましたか、また、ガイドラインは作成されたのでしょうか、また、県立学校では食器はどのように選定しているか、その基準とプロセスをお伺いいたします。
 次に、給食に関する情報公開についてお伺いいたします。
 本来であれば、県民がホームページなどを通じて各学校における献立や使用する食器、委託業者などの情報を得られるべきだと考えます。しかし、県教委の発行する「埼玉の学校給食」には、市町村立小中学校には書かれている食器や業務の外部委託状況、調理員の配置状況さえ県立学校については載っていません。県の食の安全・安心条例第六条では、「県民は、県の施策に対し意見を表明する等自ら参画して食の安全・安心の確保に積極的な役割を果たすよう努めるものとする」とあります。県の施策に対し意見を表明するためには、給食の食材に関する情報が公開されていなくてはなりません。
 そこで、今後給食に関する安全情報の収集と発信を含め、給食に関する情報の公開をどのように進めていくのか、また、県民が意見表明、参画する場を具体的にどのように設定し推進していくのか、教育長にお伺いいたします。


A.島村和男教育長
 まず、県立学校の食材の選定や調理などに関する安全性の審議や判断基準についてでございます。各学校の給食の運営につきましては、国の通達により養護教諭や学校栄養職員などからなる給食委員会等を設け、学校給食衛生管理基準に基づき食材の選定を含め給食調理の安全性について協議しております。
 次に、学校給食用食器についてでございますが、まず食器の購入に際しては、環境に優しいものを選んで購入するというグリーン購入の趣旨に配慮することは大切なことと存じます。現在各学校おける食器選定の際には、メーカー側から有害物質に関する試験検査成績書を徴取するなど安全確認に努めております。
 次に、給食用食器のガイドラインについてでございます。平成十七年六月定例会後における検討につきましては、保健医療部等とガイドラインの必要性を含めた調整を行いましたが、国が定めた詳細な基準がありますので、県がつくる必要はないという結論に至りました。平成十八年三月には国の基準が改訂されており、こうした動向に注意し、国や関係機関からの情報収集に努め、各学校に周知してきております。また、各学校の食器選定につきましては、食器の耐久性や経済性、取扱いやすさや安全性などについて児童生徒の状況を考慮し、総合的に判断をしております。
 次に、給食に関する情報の公開でございますが、県立学校において児童生徒や保護者に給食だよりや献立表を配布しており、また、ホームページ上に献立を公開している学校もございます。県教育委員会が発行する「埼玉の学校給食」の冊子は、施設設備をはじめとする衛生管理状況など学校給食の現状データを掲載し、給食の普及と充実を図るためのものでございます。この中の県立学校に関する情報について、今後充実に努めるとともに、県教育委員会のホームページで公開してまいります。また、県民の意見表明、参画の場につきましては、現在各学校の給食委員会等の中にPTAの代表を加えているところもございます。今後、各学校の給食委員会等に保護者の代表が参加するよう指導してまいりたいと存じます。

Q.大学生の就職支援について

木村勇夫議員
 リーマンショック以降の世界同時不況の影響で、大学生の就職状況が大変厳しくなっています。厚生労働省の調査によると来年春に卒業予定の大学生の就職内定率は、平成二十一年十月一日現在六二・五パーセントと前年の同じ時期からの下げ幅が七・四ポイント落ちて過去最大となりました。これは就職氷河期並みの特に厳しい水準となり、二〇〇〇年前後に広がった氷河期が再びやってくるのかとも言われています。今の段階で内定のない学生が来年四月に就職できるかどうかについては、大変心配であります。なぜならば、ほとんどの企業は平成二十二年卒の採用活動を終えているからです。
 今年内定をもらえなかった学生はどうなってしまうのでしょうか。卒業してしまえば既卒者扱いとなり、新卒としてのエントリーは難しくなる。そうなると留年して就職活動を続けることになります。しかし、確かに新卒としてエントリーはできるが、今年採用されなかった学生を来年あえて積極的に採用する理由は企業にはありません。つまり学生は留年という大きなハンディを抱えた上に、平成二十三年卒の学生と限られた採用枠を争わなくてはならなくなってしまうのです。さらには、平成二十三年春の新卒採用枠も平成二十二年とほぼ同様の採用数と予想されています。景気の回復次第ではありますが、来年も就職氷河期が継続するおそれがあります。
 前回就職氷河期と言われたときは、派遣という当時は新しい働き方が雇用を吸収しましたが、現在派遣法改正が検討されていることもあり、派遣社員も大幅減少が続いています。就職できない学生が増えると社会全体への影響も懸念されます。労働者全体のスキルを向上させる機会が失われるとともに、社会の活力が低下することになり、日本経済が成長する上で大きなリスクとなっていきます。
 大学生の就職支援は、大学の就職部などでも行っています。しかし、特に経済状況の悪化した今、就職氷河期に匹敵する厳しい環境の中、第二のロスジェネ世代を生まないためにも、県も積極的に大学生の就職支援に関与し、関係者が危機感を共有し、就職支援を強化するべきであると考えます。経済、社会の各分野で新たな人材を生かすのは国づくりの土台です。
 そこで、県は大学生の就職についてどのように支援の強化を図っていくのか、産業労働部長にお伺いいたします。


A.浅賀康夫産業労働部長 
 経済情勢の急速な悪化や昨年の内定取消問題などにより、企業が新たな雇用について慎重になっており、大学生の就職状況は大変厳しい状況でございます。こうした状況の下、学生が未就職のまま卒業し就職ができないことは、本人はもとより社会にとっても大きな損失であると認識しております。県としても大学や埼玉労働局など関係機関と連携し、大学生の就職支援に積極的に取り組んでおります。
 若者の就業支援機関であるヤングキャリアセンター埼玉では、キャリアカウンセリング、企業情報の提供、ハローワークと連携した職業紹介など、県内の大学と連携して大学生の就職支援を行っております。平成二十一年度は厳しい就職環境を反映し、十月までの大学生等の利用者が一千五百十六人と前年同期と比較して五割の増加となっております。センターでは施設内での支援に加え、県内の大学や短期大学からの要請に基づき、三つの大学にキャリアカウンセラー等を派遣し、三百二人の学生を対象に就職支援セミナーを実施いたしました。また、大学等の就職担当の職員を対象に進路指導の技法等に関する研修会を開催し、二十五大学の四十四人の方に参加いただきました。
 大学生を就職につなげるためには、大学生と企業とのマッチングの強化が特に重要になってまいります。県では埼玉労働局や埼玉県雇用対策協議会と連携して合同就職面接会を開催しておりますが、今年度は昨年より一回増やし、合計六回開催することにいたしました。今後、来年の二月までに三回開催し、内定が得られず不安を抱える大学生が三月までに就職が決まるよう企業との出会いの場を提供いたします。
 また、内定が得られず自信を失っている学生が意欲を持って面接会に臨めるよう、三日間の集中セミナーを一月から二月の上旬にかけ四週連続で開催したいと考えております。さらに、国がヤングキャリアセンター埼玉に配置した大卒就職ジョブサポーターとともに大学との連携体制を強化し、きめ細かな就職支援に努めてまいります。
 今後とも大学や埼玉労働局など関係機関とも連携し、一人でも多くの大学生が就職できるよう全力で就職支援に取り組んでまいります。

Q.農業を雇用の受皿にについて

木村勇夫議員
 先日、第十二回全国農業担い手サミットin埼玉に参加いたしました。全国から集まった農業の担い手が、農業の現状や課題について認識を深めつつ相互交流を行っており、先進的に前向きに農業に取り組む農業者の事例を見させていただきました。農業に対する期待が高まり、キャッチフレーズのとおり「農の時代」がやってきたことを実感いたしました。今、プチ農業、ノギャル、雑誌の農業特集など農業に関する話題があちこちに見られるようになり、農業に対する関心の高まりを感じています。若い女性が減農薬、減化学肥料栽培のシブヤ米を栽培することなど一昔前では考えられなかったことです。特に農家出身ではない非農家の団塊の世代や若者が農業に関心を持っているようであります。今、農業に対する視線も確実に変わってきております。また、雇用条件も大変厳しい状況が続いておりますが、農業に対する確実なニーズはございます。
 私は、農業を雇用対策の側面から考えることも重要であると思います。例えば長野県の農業生産法人トップリバーについて御紹介をいたします。トップリバーは、レタスの栽培、販売を中心に新規就農や独立を目指す人の農業研修や農家支援育成事業を行う農業生産法人です。年商約十億円。そこで働く従業員は正社員三十五人、ほとんど農業経験がありません。他業種から飛び込んできた若者たちばかり。トップリバーでは農作業のつらさに会社をやめる若者の一方、これぞ自分の進む道と確信して日々生産技術の向上に励む若者もいます。会社の経営は順調とのことで、私はこのような例を目の当たりにして、農業が雇用の受皿になると改めて認識いたしました。
 そこで、農林部長に二点お伺いいたします。
 一点目、私の周りに聞いてみると農業をやってみたい、興味はあるが農業へのかかわり方、入り口が分からないとの声をよく聞きます。県では新規就農者に対する相談活動を行い、農業大学校などで担い手の育成に取り組んでおりますが、残念ながらまだ余り知られていません。
 そこで、農業に携わりたいと考える人への入り口をどのようにしているのか、また、農業への入り口を県民にどのようにPRしていくのかお伺いいたします。
 二点目、埼玉県は大消費地である東京に隣接し、埼玉農業の価値はますます高まっていくことが予想されます。そこで、先ほどのトップリバーのように埼玉農業を雇用の受皿としてどのように推進していくのかお伺いをいたします。


A.西崎泉農林部長 
 まず、農業に携わりたいと考える人への入り口をどのようにしているのか、また、農業への入り口を県民にどのようにPRしていくのかについてでございます。
 県では、平成十六年度から農林振興センターなど十三か所に農業に携わりたいなど希望を持つ方の相談に応じる窓口を設置しています。相談者は年々増加し、平成二十一年八月までに延べ四千八百七十二件の相談が寄せられました。相談内容は様々ですが、例えば農業技術や知識の習得には農業大学校や農林公社での研修を紹介しております。また、農地の相談は農業委員会に、就農に必要な資金の借入れは農協などの金融機関につなぎ、また、農作業体験から始めたいという方には市民農園を開設している市町村を紹介するなどしております。
 県として特に力を入れていることは、真に農業に就きたいという相談者へのフォローアップであります。そうした継続的支援を行いました結果、これまでに法人への就職を含め百十七人が就農いたしました。農業への入り口として、まず就農相談につなげることが重要であります。このため、農業大学校の募集案内をはじめ県、市町村のホームページや広報誌などを利用するほか、関係団体と協力し、各種イベントでの相談コーナーの設置、テレビ、雑誌への情報提供など積極的なPRに努めてまいります。
 次に、埼玉農業を雇用の受皿としてどのように推進していくかについてでございます。
 農業が雇用を受け入れるには、受け入れる側の農業生産法人などに高い経営力が求められます。県内に八十二の農業生産法人がありますが、このうち四十九法人が九百八十三人を雇用し、一法人平均二十人の雇用となっています。県といたしましては、こうした受皿となるべき経営体に対し経営規模の拡大や需要の開拓、また、いわゆる六次産業化への経営発展などを支援し、希望者が一人でも多く農業に携われるよう環境整備に努めてまいります。

Q.インターネットの適正利用について

木村勇夫議員
 まず「ケータイ」と情報リテラシー教育についてでございます。
 本県の携帯普及率は、県が今年十一月に行った調査では小学六年生が二九・五パーセント、中学二年生が五九・九パーセント、高校二年生九六・四パーセントとなっています。また、文部科学省が今年五月に行った調査では、高校二年生の一日の携帯電話の平均利用時間はおよそ一時間以上が四〇パーセント、一日のメール回数三十回以上が約二〇パーセントとなっています。携帯依存も深刻化しています。メールが来たら五分以内に返事をしないと仲間外れにされるといった子供独自のルールもあり、大人の常識が通用しない想像を超えた世界が存在しています。
 子供たちのコミュニケーションツールとしてはもはや欠かせないものとなった携帯ですが、一方ではネットでの出会いなどをきっかけとした性犯罪、暴力、詐欺の被害に遭うケースが多発しています。これらに対処するためには、フィルタリングが有効と言われてきました。しかしながら、余り利用されていないのが現状です。県では青少年におけるフィルタリング利用を原則義務化し、フィルタリング解除の条件を国の法律よりも限定するため、埼玉県青少年健全育成条例の改正の準備を進めていると伺っています。これによりフィルタリングの普及が図られることから、このような取組は大変評価できるところであります。しかしながら、今回義務化するフィルタリングはこれから新規に携帯を持つ子供に対してであり、今、既に携帯を持っている子供に対する規制はありません。つまり現状ではほとんどの中学生、高校生に対しては有効に機能しません。
 そこで、重要になってくるのは携帯をいかに使わせるかということでございます。子供にとっていまや欠くことのできないコミュニケーションツールとなった携帯、しかし、現状では子供に使い方、危険性を教えず、ナイフを持たせているようなものです。携帯を凶器にしないために、私は持たせる持たせないではなく、携帯をいかに使わせるかが大切だと考えます。その観点から最近情報リテラシー教育が注目されています。情報リテラシーとは、情報を使いこなす能力のことです。情報リテラシーを高めていくには、学校現場において子供たちが様々な情報をいかに正しく判断し、いかに主体的に行動できるかがポイントになります。
 そこで、教育長に二点お伺いいたします。
 一点目として、情報リテラシー教育についてどのようにお考えか、御見解をお伺いいたします。
 二点目として、携帯の安全な利用について、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。


A.島村和男教育長
インターネットの適正利用についての(一)「ケータイ」と情報リテラシー教育についてお答え申し上げます。
 一点目の情報リテラシー教育についてどのように考えるかでございます。
 情報化社会の急速な進展の中で、学校教育において情報を収集、処理、表現するとともに、効果的にコミュニケーションを行う能力を育成することは極めて重要なことであります。と同時に、児童生徒がネット上のトラブルに巻き込まれないためには、情報化が及ぼす影の部分をよく理解させ、携帯電話等の情報機器の適切な活用について学習することが必要であると考えます。
 二点目の携帯の安全な利用について、今後どのように取り組んでいくかでございます。
 昨年度県が実施した調査では、ネットいじめについては中高校生全体で一二・六パーセントが被害に遭い、また、サイトの利用料金の架空請求を受けた生徒は同じく一一・六パーセントに上っております。そのため県では昨年度「ネットいじめ等の予防と対応策の手引」を作成いたしました。各学校ではこの手引を利用するとともに、県警察本部や携帯電話会社の協力を得て、ネット犯罪の危険性や安全な使い方に関する講習会を実施しております。また、本年十月に開催された子ども人権フォーラムでは、中高校生が自ら考え作成したネットいじめ撲滅のための子ども人権メッセージを宣言いたしましたので、今後その活用に努めてまいります。併せて家庭での教育が重要でありますことから、ネットトラブルの予防と対策をまとめた啓発資料を保護者に配布し、フィルタリングサービスの利用などネットトラブルの未然防止に努めてまいります。

Q.ネット上の見守り活動について

木村勇夫議員
 県では、インターネット上の悪質な書き込みによるいじめに対し緊急雇用創出基金事業を活用し、ネット上の見守り活動に当たっています。具体的には非公式サイトやブログなどの見守り、学校等への情報提供、問題のある書き込みの削除依頼などの業務です。先日、私も北浦和の現場を視察してまいりました。三人の方が一日中パソコンに張り付き、県内の各学校に関係するサイトを巡回し、地道に作業をやっていらっしゃいました。お聞きしたところでは、一日に巡回するサイト数は約一千五百件、大変な作業です。書かれている内容もグロテスクなものもあり、精神的にも負担が大きい仕事だと認識しました。見つけ出して不適当なものを摘み取る、これは大変単純で気の遠くなるような作業ですが、実はこれが一番効果があるといわれていいます。私は見守り活動は大変有効で、大人が監視しているということ自体が子供への抑止力になると考えます。
 そこで、教育長に三点お伺いいたします。
 一点目として、五月から実施してみてどのような効果があったのか、また、課題は何かお伺いいたします。
 二点目として、現場で話を伺ったところでは、現状の見守り活動でカバーできているのは、県内の学校の約一割ほどということでした。私は見守る範囲を更に広げるべきと考えますが、カバーする範囲をどのように広げていくのかお伺いいたします。
 三点目として、私は見守り活動は今後も続けるべきであると考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。


A.島村和男教育長
次に、(二)ネット上の見守り活動についてでございます。
 一点目の五月から実施しての効果でございますが、十月末までに十八万一千九百七十一のサイトを監視し、そのうち誹謗中傷や飲酒喫煙など問題のある書き込み二百五十一件を削除することができました。こうした問題のある書き込みについては、学校や市町村教育委員会に情報を提供しており、生徒への指導が早期に行われ、深刻な問題に発展することを防ぐことができたものもございました。また、ネット上の見守り活動は、安易な書き込みを思いとどまらせるという抑止効果があると考えております。
 課題は何かについてでございますが、誹謗中傷などの問題のある書き込み削除をサイト管理者に依頼しても、実際に削除されたケースは約五五パーセントの状況であります。また、子供たちは監視の目から逃れるため会員制サイトを利用したり、パスワードを設定するなど発見がより難しくなっている状況もございます。
 二点目の見守る範囲をどのように広げていくかについてでございますが、これまでに蓄積した危険サイトの発見方法や削除依頼のノウハウを学校や市町村教育委員会に提供し、各学校の見守り活動の充実を図り、より多くのサイトを監視できるよう努めてまいります。また、児童生徒や保護者の問題のある書き込みを発見した場合は、情報を提供していただくよう引き続き呼び掛けてまいります。
 三点目の今後どのように取り組んでいくのかについてでございますが、県警察本部のサイバーパトロールと連携を図るなどネット上の見守り活動を充実するとともに、問題のある書き込み削除をサイト管理者に粘り強く働き掛けるなど、ネットいじめ等の撲滅に努めてまいります。

Q.期日前投票について

木村勇夫議員
 期日前投票を行う人が増加をしています。本年八月に行われた総選挙では、小選挙区において全投票者数の一九・四二パーセント、五人に一人の人が期日前投票を行ったというデータがあり、今後更に増加すると予想されます。しかしながら、便利さゆえの安全面での不安もあります。
 そこで、選挙管理委員会委員長に三点お伺いいたします。
 一点目、期日前投票に関する広報の仕方が市町村によって差があるということです。
 例えば選挙期間中に設置される公営のポスター掲示板には、期日前投票の案内、投票場所の案内、時間などが書かれてある市町村と全く書かれていない市町村があります。期日前投票を有権者に知らせる広報紙についても同様であります。私は、選挙についてはどこの市町村に住んでいても同一の情報が受けられるべきだと考えています。
 そこで、市町村選挙管理委員会によるこのような差をどう考えるか、また、どう是正するかお伺いいたします。
 二点目、本年五月に行われたさいたま市長選において、さいたま市の南区選挙管理委員会は有権者ではない男性一人に誤って期日前投票をさせた事件が発生しました。同姓同名の有権者がいたため、区の職員は投票を認めたとのことでございます。投票を行った後に住所などを確認したようですが、余りにも初歩的なミスであります。さいたま市の選挙管理委員会は、今後このようなことがないよう確認作業を徹底したいと述べているようですが、期日前投票は自分の都合の良いときに投票ができるという便利な反面、身分証明書の提示などを義務付けていないことから、いわゆる成り済ましが横行する危険が大きいと考えられます。
 そこで、この事件についてどのように考えるのか、また、期日前投票における安全性、確実性をどのように担保するのかお伺いいたします。
 三点目、各投票所は成り済ましや二重投票を防止するためネットでつながっているとのことでございます。私は、不正投票防止のため効果が高いと考えますが、一方、個人情報の流出などの危険もあります。
 そこで、各投票所間を結ぶネットの安全性をどのように確保しているのかお伺いいたします。


A.加藤憲選挙管理委員会委員長 
 まず、期日前投票に関する市町村選挙管理委員会の広報についてでございます。
 八月の衆議院議員総選挙において期日前投票に関する広報をポスター掲示場に掲示したのは一団体、また、広報紙に記載したのは五十二団体でございました。ポスター掲示場は候補者のポスターを掲示するために設置されるものでありますので、広報の基本は広報紙にあると考えております。一部の団体では解散総選挙のため、広報紙の編集スケジュールが間に合わず、やむを得ず対応できなかったものと聞いております。各市町村選管では、このほか投票所入場券への記載やホームページへの掲載、ポスターやチラシの配布など様々な方法を組み合わせて期日前投票の広報を実施したところであり、全体としては必要な情報の周知が図られたのではないかと考えております。
 今後も選挙に関する正確な情報を有権者の方に適切に周知するよう、各市町村選挙管理委員会に働き掛けてまいります。
 次に、さいたま市長選挙において、有権者でない者に誤って投票をさせてしまった件についてございます。
 私ども選挙の管理執行に携わる者にとって、投票を行おうとする者が選挙人名簿に登録された本人であるか否かの確認は、最も基本的かつ重要な事項の一つであります。期日前投票の際には、選挙人は住所、氏名、生年月日、性別を記載した宣誓書を提出する必要がございます。各投票所では宣誓書と選挙人名簿の記載事項を照合し、それが一致していることを確認するとともに、本人の年齢や態度、様子などを観察して本人確認を行うこととしております。さらに不審な点がある場合には、改めて生年月日や住所などを口述させるなどの方法により本人確認を行っております。
 ところで、御指摘の件については、氏名が一致することのみをもって、他人に投票を認めてしまったもので、選挙の管理執行上の極めて基本的な注意を怠ったミスであると考えております。県選挙管理委員会では、今後の各種選挙に当たりましてもこうしたことが二度と起こらないよう、市区町村に対して注意喚起を徹底してまいります。
 最後に、各投票所間を結ぶネットワークの安全性についてでございます。
 選挙人の二重投票などを防止するため、各市町村では投票所間で情報を共有化する期日前投票システムを導入しております。このネットワークは各市町村の庁内LANなどを使った専用回線であり、インターネットとはファイアウォールによって隔てられているなど、安全性確保のため必要な措置が講じられておるところでございます

Q.JR埼京線の最終電車の時間延長について

木村勇夫議員
 埼京線は、大宮駅、武蔵浦和駅を経由し新宿方面に至る本県の鉄道交通の大動脈であり、埼玉県民にとって大変重要な路線でございます。JR東日本においては埼京線の輸送力増強に努めていただいておりますが、課題もあります。最終電車の問題です。埼京線の最終電車が京浜東北線の最終電車よりも早く、私も駅頭活動中に、埼京線の利用者から最終電車をもう少し遅くできないかとの指摘をたびたび受けます。
 終電の時間を調べて見ました。赤羽駅、大宮方面で見ると平日の場合、埼京線が零時八分川越行きが最終で、京浜東北線は零時五十三分の大宮行きが最終です。埼京線と京浜東北線で何と四十五分の差があります。地元では過去に県から要望書がJR東日本に出されていると伺っています。特に埼京線の武蔵浦和駅周辺では再開発が進み、今後乗降客も一気に増えることが予想されます。
 そこで、埼京線の最終電車の時間延長を行うよう早急に改善を求めていくべきと思いますが、企画財政部長の御見解をお伺いいたします。


A.池田達雄企画財政部長 
 JR埼京線は、首都圏において屈指の輸送力を有する大変な重要な路線でございます。県ではこれまでも更なる利便性の向上のため、JR東日本に対しまして輸送力増強によるラッシュ時の混雑緩和、スピードアップ、運行時間の延長などを要望してまいりました。その結果、埼京線と平行する湘南新宿ラインの増発などにより一定の混雑緩和が図られるとともに、埼京線からりんかい線への直通運転が終日行われるなど快適性や利便性の向上が一定程度図られております。
 しかしながら、御指摘のように最終電車の時刻という点では、京浜東北線と埼京線で四十五分もの差がございます。埼京線の運行ダイヤを見ますと赤羽駅零時八分の川越行き最終電車の後に、新宿から参りまして赤羽駅止まりの電車が四本ございます。県といたしましては、これらの列車を県内まで運転してもらうなど最終電車の時間延長について、JR東日本に対して引き続き粘り強く働き掛けてまいります。

平成20年6月定例会一般質問

Q.ネットいじめについて

木村勇夫議員 
 「クラス替えで一緒になりたくないのは誰々」「あの子は援交しているよ」「うざい」「マジダサイ」「ぶっ殺す」、これはある学校裏サイトに書かれてあったもの、いわゆるネットいじめの現状です。このように、最近目立つのは携帯電話を利用し、インターネットサイトへの個人を特定したひぼう中傷を書き込むなどのネット上のいじめであり、これが子供たちの間に急速に広がっております。
 文部科学省の調査では、学校裏サイトの数は三万八千件、しかしこれも氷山の一角であると考えられます。なぜなら、裏サイトには学校名がつけられることはほとんどなく、大人が検索しようとしても見つけるのは難しいのです。私も、パソコン、携帯電話を使ってアクセスしようとしましたが、核心の部分にはなかなか行き着くことはできませんでした。それだけ大人の知らないところで陰湿ないじめの世界が展開されているということです。ネットによるいじめは、学校側で把握し、指導するのが困難な状況にあります。
 いじめのパラダイムシフトといわれるように、今のいじめはネット社会に伴って大きく変化し、その対応策も大至急求められており、今後急速に増えるおそれがあります。しかし、大人、教師がこの状況についていけていません。今、携帯電話は電話というより、メールができる小型の携帯コンピュータという認識。大人と認識がまるで違います。この認識の違いがネットいじめという不幸を生み出しています。
 子供たちがネットいじめに走る最大の原因は、大人が携帯電話を与えっ放しで、使い方や危険性を指導してこなかったことにあると感じております。ネットいじめを根絶させる特効薬はありません。しかし、できることはある。携帯電話は、大人が思っているよりも危険なことを大人が熟知することが、まずは第一ではないでしょうか。また、親としては、ネットいじめにどう対処したらいいか分からないというのが現状で、行政に対する期待は大きいと思います。埼玉県が先進県に、ネットいじめ撲滅に関してなるべきだと考えますが、このようなネット社会の広がりに伴う弊害について、教育委員会委員長の御所見をお伺いいたします。
 続いて、教育長にお伺いいたします。
 このように、いじめの態様が従来の暴力や言葉によるものだけにとどまらず、インターネットの世界にまで拡大している中、いわゆるネットいじめに焦点を当てた対策と、併せて子供たちの心や感性を育てる根本的対策が必要だと考えます。今後、県としてどのように取り組まれるのかお伺いをいたします。


A.高橋史朗教育委員会委員長
 インターネット社会の急速な進展は、児童生徒の健全育成にとりまして、いわゆる影の部分の影響も非常に大きなものがあると考えております。特に、学校裏サイトなどを通じたネットいじめや出会い系サイトなどを通じたネットトラブルなど、子供たちへの影響や弊害は計り知れないものがあり、早急に対応すべき重要課題であります。このような状況を招いた最大の要因は、議員御指摘のように私たち大人の油断と知識不足にあると感じております。インターネットの持つ利便性と併せ、その裏側にある危険性を保護者や教師など、大人自身がしっかりと認識し、子供たちにその両面をきちんと伝えることが重要であります。
 国においても、本年六月には有害サイト規制法を制定するなど、対応が進んでおりますが、フィルタリングサービスの利用の最終的な判断が保護者にゆだねられるなど、子供を守る第一義的責任は親にあります。親が自ら必要な知識を身に付け、被害者にも加害者にもさせないように有害情報などから子供を守ることが何よりも大切であります。
 家庭の教育力が低下している今日、学校を核として家庭と地域が一体となって子供を育てるという視点が重要であります。教育委員会といたしましても、学校教育において子供たちに対する情報モラルの指導だけでなく、保護者に対する情報提供や啓発活動を積極的に行い、教育行政に対する期待にこたえていく必要があると考えております。
A.島村和男教育長
 いわゆるネットいじめには、匿名性とともに時間や場所の制約を受けないなどの特徴があり、深刻なトラブルにつながる危険性も高いことから、早急に対応すべき課題と考えております。県では本年度、ネットいじめに関する検討委員会を設置し、アンケート調査による実態把握やネットいじめへの対処方法などについて検討をすることとしております。
 また、ネットいじめも根本的には情報機器を扱う人の問題であり、情報モラルに関する指導と併せて、他者を思いやる心や感性をはぐくむ教育の充実が重要であります。このため、県では携帯電話のトラブルを扱った事例を盛り込んだ小中学生向け道徳教材なども作成し、相手の立場に立つ思いやりやマナーの大切さなどについて指導をしております。
 また、知識としてだけでなく、実体験を通して学び考えさせるために、討論やロールプレイングなどを行う人権感覚育成プログラムを平成十九年度に作成し、小中高等学校での活用を推進しております。
 今後とも、児童生徒の発達段階に応じた情報モラルに関する指導と子供たちの心や感性をはぐくむ教育に積極的に取り組んでまいります。

Q.県立学校における情報管理について

木村勇夫議員
IT化に伴い、情報管理が求められている時代です。社会の各方面でウィニーを介したり、USBメモリーからの情報流出も起きています。利便性と危険性は背中合わせであり、様々な情報が集まっている県の機関は、情報管理に細心の注意を払う責務があると思います。
 先日の新聞報道で、県立学校の個人情報の持ち出しについて、三分の一の学校が「ある」という調査結果が載っていました。幸いなことに、パソコン自体の盗難事件以外で実際に情報流出しているケースはないとのことでしたが、生徒の氏名、住所、成績等の大切な個人情報を扱う対応としては疑問が残ります。三分の一という数は非常に多いと思いますが、学校現場の状況を聞くと、現在、学校に整備されている教師用パソコンは六六パーセントとのこと。つまり、教師には一人一台パソコンがありません。これが大きな原因の一つと考えられるのではないでしょうか。
 他県では、広島、岡山、香川などでは一〇〇パーセント、教員数の多い東京都でも七四・三パーセントとなっています。これを見ると、情報化の時代にこたえていないという状況と言わざるを得ません。そのため、どうしても私物のパソコンを学校に持ち込んで仕事をせざるを得ず、学校で終わらなかった仕事は自宅に持ち帰って作業をするといったことになります。そして、そのときに自宅から情報が流出することが考えられます。
 今の教育現場の多忙さを考えると、仕事を自宅に持ち帰って処理するということは、そもそも教師用のパソコンの絶対数の不足が起因しているのではないでしょうか。そこで、教育長にお伺いいたします。
 個人情報をやむを得ず持ち出す場合には、持ち出しの手順、ペナルティを含んだルールの遵守など、情報管理の徹底はもちろんのこと、学校で教師が私物のパソコンを持ち込まずに済むような体制が必要だと考えますが、いかがでしょうか。


A.島村和男教育長
情報管理の徹底についてでございますが、県立学校におけるパソコンを使用した情報の管理につきましては、全庁的な埼玉県情報セキュリティポリシーに基づいて実施をしております。セキュリティポリシーには、情報を外部に持ち出す手順として、所属長の承認を得た上でパスワードの設定などの安全措置をとることなどが定められております。このたび、教員個人が所有するパソコンの盗難事故が発生したことなどから、情報の持ち出しについての総点検を行うとともに、改めて教職員の意識の徹底を図ったところでございます。
 具体的な取組として、県立学校長を対象に研修会を開催し、情報の持ち出しの原則禁止を徹底することや、限定的に情報の持ち出しを承認する際の確認事項などを具体的に指示いたしました。また、各県立学校に対しまして、教育局職員が直接学校に出向いて、校内における情報管理の徹底が図られるよう指導を行っております。
 今後とも、セキュリティーポリシーに反した情報の取扱いにより、教職員が個人情報の紛失などの事故を起こした場合には、服務に関する規定に照らして厳正に対処してまいります。
 次に、教師用のパソコン整備についてでございますが、現在、県立学校には全教員の六六パーセントに当たる七千十台のノート型パソコンを整備しております。議員お話しのように、情報管理をより徹底するためには、教師用パソコンの整備は必要なことと考えております。国のIT新改革戦略では、平成二十二年度までに教員一人一台のパソコンを整備することが目標として掲げられておりますことから、引き続き教師用パソコンの整備に努めてまいります。

Q.危機管理の推進について

木村勇夫議員
 ①帰宅困難者対策と荒川の活用について
 大規模災害が頻発しています。先月の四川大地震では、亡くなった方約七万人。また、つい先だっても岩手・宮城内陸地震が発生いたしました。改めまして、被害に遭われた方々に心よりお悔やみを申し上げます。もはや、大災害はいつ襲ってくるか分かりません。県民の生命と財産を守るため、危機管理の推進が重要です。
 まず、災害時における帰宅困難者対策についてお伺いいたします。
 昨年九月一日に行われた八都県市合同防災訓練では、帰宅困難者の訓練に荒川を使って船による人員移動が行われていました。首都圏直下型東京湾北部地震の被害想定はマグニチュード七・三、建物被害は揺れと液状化の影響で約一万三千棟が全壊、火災により約二万一千棟の焼失、死者七百十六名、ライフラインの寸断などが予想されます。また、大災害時には交通機関は動かなくなり、自動車などが使えず、家に帰れなくなる帰宅困難者が多量に発生することが予想されています。埼玉県の特性として、都心部に通勤、通学する県民が百万人以上もいることを考えると、帰宅困難者対策が重要であります。
 先日の岩手・宮城内陸地震でも、多くの橋の崩落が見られました。首都圏直下型では、橋だけでなく、建造物、瓦れきなどが道路を寸断することや、帰宅困難者であふれ返る混乱などを考慮すると、復旧には複数日かかることが予想されます。
 そこで、川の国埼玉の地理的特性を生かして、荒川などの河川を使っての物資の輸送が重要な役割を果たすのではないでしょうか。現在、緊急用船着場が戸田市のボートコースの南側の荒川沿いに一か所、秋ケ瀬の対岸に一か所ございます。災害発生時には、災害復旧活動に必要な資機材等の積みおろしを行うと聞いています。また、過去、秋ケ瀬から東京湾まで水上バスが走っていたと聞いておりますが、防災面以外にも観光面でも期待できる地域資産でした。こうした地域資産を有効活用すべきだと思います。
 そこで、帰宅困難者対策について、どう取り組まれているのか、知事の御見解をお伺いいたします。
 帰宅困難者の輸送の観点からも、荒川を有効活用するべきです。災害時における県民の安全を確保する観点からも、川の国埼玉をつくり上げていただきたいと思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。


A.上田知事
危機管理の推進についてのお尋ねのうち、帰宅困難者対策と荒川の活用についてであります。
 初めに、帰宅困難者対策ですが、東京湾北部地震が発生した場合、県の被害想定では東京などで帰宅困難者となる県民の数が約百二十万と見込んでおります。このため、県では希望者を募って、都心からの徒歩帰宅訓練を過去三回やってまいりました。
 しかしながら、意外に参加者が少なく、中には歩こう会のメンバーも入っていたりして、必ずしも十分、所期の成果を上げたというふうに私たちも思っておりませんので、今年度は逆に、企業の本社のある東京の社員の皆様たちに協力をして、帰宅訓練をやっていただく企画をしているところでございます。これからも、そういう意味でのきちんとした帰宅訓練をする人を大量に参加していただかないと、なかなか少ない人数ではそうした影響力というんでしょうか、弱いんではないか。
 例えば、二、三十人の集団の中に一人でも帰宅訓練を受けた人たちがいれば、私は相当そういう人たちの助かるチャンス、あるいはいろいろなけがをするチャンスが少なくなるのではないかという、そんなふうに見ておりますので、これからもう少し大規模な訓練ができないだろうかということを今検討しているところであります。
 また、帰宅困難者の支援として、平成十六年度から沿道のガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ファミリーレストランなど、帰宅支援協定を締結をしておりますので、こうした帰宅訓練でなくても被害があった場合には、各コンビニエンスストアやガソリンスタンドで水の補給、トイレの借用等々、あるいは情報の提供などが受けられるような、そういう仕組みができ上がっております。
 また、一時期に帰宅者が集中すると混乱が起きますので、そんなことがないようにということで八都県市で、いわば帰宅訓練用のマニュアルを、簡潔な折り畳みの名刺サイズのパンフレットを作って、関係の皆様方に配布して、できるだけそうした事態が起こったときには、そのパンフレットを見れば、比較的被害を最小限に食い止めるというような仕組みもつくらせていただいています。
 荒川を有効活用したらどうだというお問い掛けでありますが、正にそういう意味での道路や鉄道が寸断された場合、川は大丈夫だろうということが想定されますので、偶然御質問があったんですけれども、実は八月末に予定しています今年度の徒歩帰宅訓練では、東京都とさいたま市と共同で都内通勤者などが埼玉県へ帰るルートの一部に荒川を活用した訓練を行う予定にしております。この訓練を通じて、河川の有効性が確認されれば、八都県市で連携して帰宅困難者の輸送手段の一つとして位置付けて、協力体制の構築というものをつくっていきたいなというふうに考えております。


木村勇夫議員
 ②防災教育の推進について
 災害から命を守り、暮らしを守るためには、地域への関心をもっと高めることと同時に、人とのつながり、地域コミュニティが非常に大切です。次代を担う子供たちをはじめとする県民が、子供を核として地域、学校、家庭で正しい防災知識を学び、防災に対する意識を高めることは重要であり、今、防災教育の必要性を強く感じています。子供たちの災害対応能力を高めることは、地震が発生した際に子供たちの命を守るだけではなく、子供たちが大人になったときには地域の災害活動で重要な役割を担ってもらい、地域全体の災害に対する能力を上げるためにも非常に重要です。学んだ成果と学ぶ努力が安全・安心につながり、暮らしに役立つことが実感できるような防災教育が必要であり、そして学校そのものが地域の防災の拠点であるということを、常日ごろから子供たちに認識させていくということも大切です。
 埼玉県では、中学生向けの防災教育の教材を平成十八年度に作成し、多くの中学校で利用されていると聞いております。本県は都心に近く、平日の昼間には成人男性の多くは都心で仕事をし、地元にいないこともあり、平日昼間の災害時のサポーター役として頼りになるのは中学生、高校生であります。そこで、中高生の防災教育について、もっと実践面、技術面を重視するべきではないでしょうか。
 例えば、心肺蘇生法の実践教育(AED)などの講習を県職員が全員受講したように実施させることや、避難訓練が形骸化しないよう、より実践的なものにするなど、体に覚えさせ、いざというとき、そして大人になってからも対応できることが大事ではないでしょうか。地域の防災力の向上を目指す防災教育として、もっと防災教育の教材の活用に力を入れるべきと考えますが、危機管理防災部長に今後の対応について伺います。


A.清水邦夫危機管理防災部長 
 大地震などの災害に備えて、地域の防災力を強化することは大変重要なことと認識しております。そのため、県では防災訓練や出前講座を実施し、県民の意識啓発を図るとともに、地域の自主防災組織の普及に努めているところでございます。自主防災組織については、平成二十三年度末までに組織率を九〇パーセントとすることを目指しまして結成を市町村へ働き掛けるとともに、自治会の総会などへ職員が直接出向き、自主防災の重要性を呼び掛けております。また、県内各地で自主防災組織のリーダー養成講座を開催し、救出や救護の研修を実施するなど、リーダー養成にも努めております。
 こうした取組とともに、地域における防災力を更に向上させるためには、次代を担う人材の育成が欠かせないとの考えから、平成十八年に中学生向けの実践的な危機管理防災に関する教材を作成いたしました。内容といたしましては、自分の身の安全を確保するにはどうしたら良いか、地域を守る一員として何をなすべきかなどを学ぶという構成となっており、大変充実したものになっております。県では、この教材を中学校に配布するとともに、市町村教育委員会に対して防災教育に活用していただくようお願いをしております。初年度の平成十九年度は、百六校で教材を利用した事業を実施していただきました。
 今後、平成二十一年度末までに県内すべての中学校で活用いただけるよう、引き続き県教育委員会と連携して市町村教育委員会へ働き掛けてまいります。また、中学生の防災教育がより実践的なものとなるよう、自主防災組織に対して中学校と連携した防災訓練の実施などについて働き掛け、更なる地域の防災力の向上を目指してまいります。


 ③学校における防災教育の充実について教育長に伺います。


A.島村和男教育長
 防災教育のねらいは、自らの命は自らが守ることのできる児童生徒を育成するとともに、互いに助け合うことのできる態度や能力を養うことでございます。お尋ねの中学生向けの防災教育教材につきましては、こうした防災教育のねらいを達成する上で実践的な教材として、平成十九年度から活用の促進を図っております。この教材がすべての中学校の防災教育で活用されるよう、危機管理防災部と連携、協力して、市町村教育委員会に働き掛けてまいります。
 また、心肺蘇生法と自動体外式除細動器、いわゆるAEDの使用方法でございますが、県立学校においては教職員に対し講習を平成十九年度までにすべての学校で実施をしております。AEDは全県立学校に設置されており、県立高校の六四パーセントの学校で生徒に対し、保健の授業でAEDの使用方法について指導をしております。今後、すべての県立高校において実践的な取組を進めてまいります。
 小中学校では、小学校で七五パーセント、中学校で九〇パーセントの学校にAEDが設置されております。市町村教育委員会を通じて、実践的、効果的な取組が推進されるよう働き掛けてまいります。
 また、避難訓練につきましては、消防署など関係機関と連携を図り、県内すべての学校で定期的に実施しております。議員お話しのような形骸化が起きないよう、各学校では工夫に努めており、地域の自主防災組織と連携した総合防災訓練などを実施している例もございます。今後とも、防災教育の自助、共助の精神を踏まえた実践的な取組を推進し、その充実に努めてまいります。

Q.マンション問題への取組について

木村勇夫議員
 今やマンションは、ついの住みかになりました。交通利便性やセキュリティが一般的に高く、必然的に集まって暮らすメリットを生かすことで、私はそう感じています。平成十九年四月から平成二十年三月までの県内の着工新設住宅戸数では、二万三千七百九十五戸あった新設の分譲住宅のうち、マンションは九千九百二十九戸となっており、新築分譲住宅の約四二パーセントがマンションであります。特に、県南部ではマンションが急増しています。つまり、今新しい住宅を購入している若い人の四割強がマンションを購入し、そこをついの住みかとして暮らすという現状であります。三千万円から五千万円といった買い物は、サラリーマン家庭では一生に一度の大きな買い物。そして個人にとっては大切な財産、また社会としては大切な社会資本であり、適切なマンションの維持管理によりマンションストックの寿命を延ばし、既存住宅を有効活用することは環境対策にも通じると考えます。
 しかし、売ったら売りっ放し、あとは管理組合でやってくれというのが現状であり、行政の対応としても十分ではありません。そのために、管理業者任せにする例が多く、トラブルも多発。また、今後は居住者の高齢化、賃貸化が進むことにより、管理組合の機能低下等が深刻化してくると予想されています。マンション問題をこのまま放置すれば、将来何らかの形での行政コストの肥大化を招くおそれもあると思っています。特に、阪神大震災後の例を見ても分かるように、マンション問題の最大の問題は建替え問題でありますが、県内ではマンションの建替えがあったのは過去二件だけです。今、県内にあるマンションの数を考えると、今後老朽化によって発生する建替え問題は大問題であります。そして、その時期の第一段階が目前に来ています。
 県では現在、埼玉県マンション居住支援ネットワークを設置し、マンション管理を様々な視点から考察、協力しています。しかし、現状をかんがみますと、マンションの実態の把握、ストック管理、ノウハウの蓄積、そして県内一千四百十六人登録のあるマンション管理士との連携が十分であるとは思えません。マンションが真に安心できるついの住みかとなるように県の総合的な窓口、例えばマンション課を設置し、積極的な取組をするべきだと考えますが、都市整備部長の現状に対する認識と今後の取組についてお伺いいたします。


A. 松岡進都市整備部長 
 住宅・土地統計調査などによりますと、県内の分譲マンションは約三十四万戸と推定され、県南部を中心に年々増加しております。マンションは戸建て住宅と異なり、共同で維持管理をしなければならない点などに特有の難しさがあります。特に、居住者の意識の変化や高齢化などにより、管理組合の弱体化が表面化してきており、ついの住みかとするには不安が高まりつつあるのが現状です。こうした問題については、居住者の努力だけでは対応が難しいことも多く、管理組合などへの行政の一定の支援が必要だと認識しております。
 さらに、建築後、長期間経過したマンションが年々増加していくことも大きな問題となってきています。建築後四十年以上経過した県内のマンション戸数は、平成十五年では約一千五百戸でしたが、平成二十五年には約一万九千戸、平成三十五年には約八万一千戸と急激に増加すると予測されます。この中には、適切な管理が行われていないものも少なくなく、今後は修繕や建替え面での支援が重要になると認識しています。
 県では、これまでも先進的な取組として、埼玉県マンション居住支援ネットワークを設立し、セミナーや相談会などを精力的に行ってきました。しかしながら、現時点で個々のマンションの老朽度や管理組合の実態など、詳細な現状把握は十分でなく、今後、より正確な実態把握ときめ細やかな対応が必要と考えています。
 特に、耐震改修や建替えなどに要する費用の積立て、居住者の合意形成などについては専門家の支援が必要となりますので、マンション管理士と連携した出前相談の実施など、積極的な対応を行ってまいります。さらに、国のマンション施策との連携、市町村の関係強化を図るとともに、埼玉県住宅供給公社を活用したモデル的な事業も進めていきたいと考えております。今後の組織の在り方につきましては、県の果たすべき役割、将来の行政需要などを踏まえながら検討してまいります。

Q.HIV感染の予防について

 木村勇夫議員
最近、HIVやエイズがマスコミに取り上げられることが減り、あれだけテレビや新聞等で取り上げられていたエイズが騒がれなくなったということは、今やエイズは沈静化したのかなと想像していました。ところが、調べてみると、その結果は沈静化するどころではなく、ますます深刻化しているエイズの現状を目の当たりにして、大変驚きました。
 世界のHIV感染者数は、国連合同エイズ計画の報告では、平成十八年末までの累計では約四千万人。日本では厚生労働省の報告によると、HIV感染者とエイズ患者を合わせて、平成十九年の一年間で一千五百人と、ここ数年連続で一千人を超えて、過去最高を示しています。こうした現象は、感染拡大に歯止めがかかっている欧米諸国とは対照的で、先進国としてはいまだ感染が拡大している数少ない国のうちの一つとされています。
 本県では、平成十九年におけるHIV感染者とエイズ患者の報告数は三十五名となっています。年代別では、二十歳代、三十歳代で六八・六パーセントを占めており、将来の埼玉県を担う若い世代にHIV感染者が増加しているのは見過ごせない事態であります。エイズは、発症すると完治薬がありませんが、感染段階では薬で発症を遅らすことができるため、早期発見が重要です。つまり、検査が重要であります。また、マスコミでの取り上げ方が少なくなった今、改めて若い世代への情報発信が大切です。
 そこで、検査窓口の拡大が大切であると考えますが、HIV感染の予防にどう取り組んでいくのか、保健医療部長にお伺いいたします。


A. 宮山徳司保健医療部長 
 エイズ対策につきましては、発症する前、症状が出ないうちにHIVウイルスに感染された方を発見することが何よりも大切でございます。これにより、御本人の発症や重症化を防ぐとともに、家族やパートナーへの感染を未然に防止することができます。五年前までは、県に報告されるHIV感染者、エイズ患者のうち、エイズの症状が出てから見つかるエイズ患者の割合が全体の七割を占めておりました。
 そこで、県ではHIV感染者の早期発見、早期治療を目指し、検査体制の拡充に努めてまいりました。平成十八年度には、三か所の保健所に休日検査を導入し、日曜日から土曜日までのすべての曜日で、いずれかの保健所において検査が受けられる体制を整えました。また、四か所の保健所と一分室に即日検査を導入し、検査を受けやすくしたところでございます。
 この結果、平成十九年度の検査件数は四千六百四十五件となり、前年度に比べ一・五倍に増加いたしました。また、平成十九年、一年間のHIV感染者、エイズ患者の合計報告数は三十五名ですが、そのうちHIV感染者は二十五名で、全体の約七割の方を発症前に見つけることができるようになりました。HIV感染者二十五名の大多数の方を保健所の検査によって確認しており、検査体制の拡充が早期発見、早期治療につながったと考えております。今年度は、更に二か所の保健所に即日検査を導入し、一層の利便性向上を図ってまいります。
 一方、HIVの感染を防ぐためには、地道な普及啓発を続けていく必要がございます。中学校や高等学校の教師向けの勉強会、生徒や保護者への情報提供、大学の学園祭など、若い世代への普及啓発活動に力を入れております。今後も、HIV検査を受けやすい検査窓口の充実に努めるとともに、様々な機会をとらえて感染予防の普及啓発に取り組んでまいります。

Q.クレジットカードによる県税収納について

 木村勇夫議員
地方自治法の一部を改正する法律が可決されたことで、公共料金のクレジットカード収納が導入できるようになりました。それによって、納税者の利便性の向上や選択の可能性を高め、一方で県にとっても民間事業者を活用することで徴収能力の向上や徴収事務の効率化を図ることができるようになりました。特に、自動車税では、「五月の自動車税の納期にはまとまった現金が必要であったが、クレジットカードなら支払手続を行ってから実際に口座から引き落とされるのは、一、二か月程度先のため、ボーナスで対応できたり、分割払いやリボ払いが利用できるなど大変助かる」といった意見も聞きます。歳入を増やすために、こういった住民のニーズを聞くことも大切だと思います。クレジットカード会社に対する手数料の定率負担が導入のネックになるとは思いますが、クレジットカード会社によっては県の収納金額にかかわらず、一定額の手数料で契約できる会社もあるそうでございます。県では、既にコンビニ収納に取り組んでおりますが、今後は費用対効果も考えながら、新しい納税サービスの充実、そして県民にとって納めやすい納税体制に取り組むべきと考えます。
 そこで、コンビニ収納ではどういった成果が出ているのでしょうか。また、クレジットカードによる県税収納についてはどう考えているか、総務部長にお伺いいたします。


A加藤孝夫総務部長 
 まず、コンビニ収納の成果についてでございます。
 平成十五年の地方自治法施行令の改正により、地方税についてコンビニでの収納が可能となりました。この制度は、納税しやすい環境をつくる上で大変便利なものです。反面、システム整備の費用やコンビニ側に収納手数料を支払うなど、新たな経費も必要となります。これらを踏まえ、検討した結果、課税台数が二百六十万台を超え、個人の納税者が多い自動車税について導入すれば、納期内に納めていただく割合が増えることが期待でき、督促などの経費の圧縮につながることが見込まれました。そこで、平成十六年十月に導入することとしたものでございます。
 その結果、コンビニ収納導入前の平成十六年度には六四・七パーセントだった自動車税の納期内納付率が、平成二十年度には七一・六パーセントと六・九ポイント上昇いたしました。この納期内納付のうち、約三分の一はコンビニで納付されたものでありますので、この上昇にはコンビニ収納が大きく寄与したものと考えております。今後は、コンビニでの収納の対象を個人事業税など、他の税目にも拡大していくことを検討してまいります。
 次に、クレジットカードによる県税収納についてでございます。
 クレジット収納は、納税者の選択の幅を広げ、利便性の向上につなげることができるということから、平成十八年の地方自治法の改正で整備されたところですが、現状では他の収納方法と比較して幾つか課題があると考えております。
 一つは、県がクレジットカード会社に対して支払う手数料が他の収納方法の場合に比べて割高であるということです。また、納税者がカードで納めた日から、カード会社が税金相当額を県に納付するまでに決済の仕組み上、二週間から一か月程度の期間がかかり、その分、県の歳計現金となるのが遅れるということもございます。さらに、クレジット収納の場合、車検に必要な納税証明書の発行について、新たな体制をつくる必要などもございます。
 県税におけるクレジット収納につきましては、平成十九年度から宮崎県が、平成二十年度からは熊本など三県が、ともに自動車税で導入しております。議員御指摘のとおり、県民にとって納めやすい納税体制をつくるというのは、大変大切でございますので、今後こうした他県の状況を調査し、納期内納付率の向上にどの程度寄与するかなど、その費用対効果を見極めながら、導入について検討してまいりたいと考えております。

Q.埼玉総体のネット中継について

 木村勇夫議員
いよいよ来月二十八日から、「彩夏到来08埼玉総体」インターハイが始まります。全国高等学校総合体育大会の期間中の参加者は、選手、監督が約三万三千人、競技役員など関係者が約二万八千人、その他これまでの大会では応援者などが約六十万人と、文字どおり高等学校スポーツ最大の祭典となっております。本県開催に当たっては、「彩の国まごころ国体」の開催により得られた多くの成果を継承し、県内の高校生を中心とした彼らのあふれる情熱と創造力を結集して大会を盛り上げることで、日本一元気な埼玉県を全国に発信する大会となることでしょう。
 今までは、家族や友人の活躍を見ようと思えば、現地に行くしかありませんでした。しかし、昨年の佐賀総体ではインターネットによる動画配信が行われ、競技の様子が見られるようになりました。スポーツのすそ野拡大のためにも、意味があることだと思います。サッカーやバスケットボールなどのメジャー競技だけでなく、なぎなた、フェンシングなどのテレビでは放映される機会の少ない競技にもスポットライトが当たります。また、埼玉県を全国にアピールするにも絶好のチャンス。佐賀県では七百五十万件のアクセスがあったとのことであり、佐賀県よりも事前のPRに力を入れている本県では、その数段上のアクセスが期待されるところです。
 埼玉総体では、高校生一人一役活動の生徒が撮影した全二十九競技を民間の協賛を得て、インターネットにより動画配信するという新しい試みがなされています。私は、大変すばらしい試みだと思います。当初、民間からの協賛金の目標額は二億円として、動画配信は協賛金の状況に応じて生中継や録画配信する計画だと聞いております。
 しかし、開催まであと一月ほどになった今の協賛の状況は、同時期に開催する北京オリンピックや原油高による経済低迷の影響で、目標額のおよそ半分にしか達しておらず、生中継の動画配信計画が縮小を余儀なくされているとの報道もありました。生中継で動画が見られると期待していた全国のスポーツファン、大会参加者や家族には非常に残念なことです。
 誰もが経験あることだと思いますが、生中継で見るのと結果が分かってから見るのとでは、やはり迫力、緊張感がまるで違います。そこで、知事にお伺いいたします。何とか少しでも、生中継で動画配信していただきたい。また、録画配信する場合でも、録画から配信までのタイムラグを少なくしていただきたい。そして、今回の埼玉総体におけるネット中継が高校総体の新しいモデルとなり、全国に誇れる事業となるよう取り組んでいただきたいと思います。


A.上田知事
 「彩夏到来08埼玉総体」、あと一か月になりました。全国から厳しい各都道府県の予選を選抜してきた方々二万六千人の選手が本県に来られます。選手の皆さんには、日ごろ鍛えた体と技ですばらしい試合、競技を行っていただきたいなと大変歓迎するところであります。開催地となる二十九の市町、そして体育団体と連携して大会を成功させるために様々な準備を行っているところでもあります。せっかくの機会ですので、本県のすばらしさをいろいろな形でアピールできるような仕掛けをいろいろと考えているところであります。
 昨年の佐賀大会では、一億八千万円の県費を投入して競技の模様をインターネットで配信したということでございます。本県では、全国初の試みとして、民間の協賛とNPO法人の協力によって動画を配信することにしています。また、撮影そのものも高校生の一人一役運動の中で、高校生が専門家の指導を受けてやることになっています。現在、NPO法人と実行委員会が協議して、動画の配信計画を作成しておりますが、二十九競技、第一回戦からすべての日程を録画して配信することになっています。生中継については、予算の限りがありますので、協賛金の額に応じて配信するということを聞いております。
 また、録画で配信する場合であっても、撮影から配信までの時間差を可能な限り短縮して、満足いただけるようにNPO法人と協力して取り組んでいくそうであります。
 来年度以降における高校総体の動画配信については、現在、全国高等学校体育連盟において協賛金を集める埼玉方式をモデルに検討を進めていると聞いておりますので、文字どおり今年度、埼玉県がやった動画配信のモデルが高校連盟の方で取り上げていただき、次年度以降、そういう形になるとすれば、それはそれで埼玉がそういうことを始めて、みんながこういうことができるようになったということで、一つの成果になるのかなと思って、高校生の皆さんにとっても一つの自信と誇りになるのではないかと楽しみにしているところであります。
 いずれにしても、県民全体の御支援がいただけますように、議員の皆様方にも御協力、御支援をお願い申し上げます。

Q.県南部地域における特別支援学校の設置について

 木村勇夫議員
先日、特別支援学校に通うお子さんを持つ地元の方から相談をいただきました。特別支援学校に在籍する児童生徒数は年々増加するなど、特別支援学校に対するニーズが高まっている中、県では平成十九年四月に高等養護学校二校が開校し、本年四月には高校内に特別支援学校高等部の分校三校を設置されました。また、旧上尾東高校を活用した新たな特別支援学校が新設されます。その相談者は、特別支援学校の教室不足に対する今回の県の対応を評価しながらも、さいたま市南部や川口市など、県南部地域への対応が見えてこないことを心配されておりました。
 そこで、県南部地域における特別支援学校の教室不足の解消についてどう対応していくのか、その再編計画について教育長にお伺いいたします。


A.島村和男教育長
 本県の特別支援学校に在籍する児童生徒数は、平成九年度以降、年々増加しており、教室不足は深刻な状況でございます。そのため、県では教室不足の解消を目指し、各学校の教室不足の状況や地域ごとの児童生徒数の推移等を踏まえ、これまで、できる限りの対策を進めてまいりました。県南部地域におきましては、平成十九年四月にさいたま桜高等学園を開校し、平成二十年四月には大宮武蔵野高校内に大宮北養護学校さいたま西分校を設置いたしました。また、平成二十一年四月には、再編整備後の旧上尾東高校を活用した新たな特別支援学校を開校いたします。
 お尋ねの県南部地域における特別支援学校の教室不足の解消につきましては、これらの対策により、さいたま市を中心とした教室不足は、ほぼ解消される見込みでございます。
 一方、さいたま市より南の地域及びそれに隣接する県東部地域については、教室不足の状況が続く見込みでございます。今後、こうした地域につきましても、早期に教室不足が解消できるよう検討を進めてまいります。